富士山を
なめるな!!
と、ボクに教えてくれたのは
3年ほど前に定年退職をした会社のお母さん的存在のひと。
彼女は百名山登頂を果たした肝っ玉母ちゃん。
そんな彼女の言葉が頭の片隅に残っていました。
もちろんなめていた訳じゃぁ無いけれど
今回初めて富士山に挑み、あの言葉の意味を
全身を持って知る事となりました。
準備編をへて
不安を抱きつつ東名高速道路をいざ西へ
本来なら東名高速・大井松田IC付近を走行中、真正面に見えるべき富士山の姿は無し。
強風にハンドルを取られ、めちゃくちゃな速さで流れる雲を見て更に不安が増す。
車内ではお互いが励ましあう様に
『晴れ男』自慢大会
御殿場ICを降りてコンビニに立ち寄り、おにぎり等携帯食を購入。
更には腹ごしらえに牛丼屋へ。
とにかく予定していた行動をきっちりこなす。
その後ひたすら坂道を登り高度を増す。
富士五湖有料道路に入り籠坂トンネルを抜けると
左車窓に『どん』と構える富士山の勇姿
キタァ~~~~~~♪
晴れ男パワーなのか
日ごろの行いからなのか
我々のパワーの凄さを互いに誉めあってました。
でも、相変わらず雲はえらい速さで流れています。
富士スカイラインに入り五合目へ上がっていきます。
ネットで調べたところによるとこの時期の五合目駐車場は大混雑。
駐車できる場所はかなり下になってしまうとか。。。
さて、どこに停めようか。。。
ここで個人の判断力を試されている気分です。
多少下の方だろうが踏ん切りをつけてここにするか
いやいや、帰る車がある訳だから五合目に空きがあるのでは?
それとも帰る車は登山断念????
平静を装いながらハンドルを握るボク
あれよあれよと車は五合目に到着。
ベストポジションの駐車場スペースにかなりの空きがありました。
ナイスボクの優柔不断♪
五合目到着は18時を回ったところ。
予定より1時間遅れての到着。
とはいえボクの旅行時間計算ミスではあります。はい。。。
ネットで教わった通り
ここで1時間だらだらとつぶします。
高山病予防のためにね♪
五合目から見た富士山頂方面は相変わらずの曇り模様

時折強風にあおられ
嵐のような横殴りの通り雨が降ったり
気候はめまぐるしく変化していました。
でも、
晴れ間も見られるじゃん♪
そうです。
ここまで来たんです。
これから挑む人達でわんさかしています。
まるで甲冑を身にまとい、戦に挑む猛者達の様です。
そんな状況下で
引き返すといった非国民な判断なんて出来ません。
ってゆうかGO!なんです。
だって、そこに富士山がいるんですから♪
車内用超夏バージョンの服装から登山用の服装に着替えたり
荷物を再チェックしたり、トイレに行ったり、
登山アイテムの金剛杖を買ったりと
あっという間に1時間は過ぎ去りました。
そうそう
金剛杖はあった方がいいです。

歴史ある杖だけあって
よく考えられたサイズとなっています。
やってみると気が付きますが
立ったまんま休憩する際、あご又はおでこを乗せて寝ることが出来ます。
幾度となく快適な睡眠をサポートしてくれました。
1時間も五合目にいると
かなり肌寒くなります。
寒いのでそれなりに着込みました。
スタート時の格好は
超夏仕様 ハーフパンツ&Tシャツ・くるぶしまでの五本指ソックス
その上にロンTシャツ・シャカシャカパンツ・上下雨合羽・スキー用ソックス
で、
19時にいざ出発!
気分はルンルンで登山道に入ると
足取りも軽く、多少のしぶきを浴びる程度の雨もなんてことはありませんでした。
足取りが軽いのも訳があります。
だって、気が付きにくい位のゆる~い長~い下り坂でしたから♪
周りにはたくさんの登山客も居ます。
見知らぬ女の子3人組みのグループとの会話も弾みます。
空はゆっくりと暗くなり
雲がさ~っと抜けると眼下にはすばらしい夜景を覗かせてくれます。
まぁ先は長い事だし
ゆっくり休み休みって事で
記念撮影
相変わらず風は強いのですが
楽しくってハイテンションです
杖の旗もたなびいているのが判りますよね。

あれ?切れちゃってる。。。タブの使い方勉強しますので
しばらくは I さんごめんなさい。 クリックしたら全部が見られますのでご勘弁を。
ダラダラと30分間歩いているだけで暑くなっちゃいます。 現在19時38分

ボクはここで一旦上下雨合羽を脱ぎました。
雨が降ってきたら着ればいいやと。
シャカシャカ上下があれば風による体力消耗を抑えられますからね♪
スタートから一時間が経過し、六合目に到着。
ここまではハイキングレベルのゆったりとした道のり
山小屋で係員さんが登山の手引きなるチラシを配布しています。
登りルートと下りルートが分かれている事は調査済み。 現在20時04分
さぁここから本当の登りルートが始まります。
方角指示板と一緒に記念撮影 現在20時05分
六合目からの登山道はひたすら登り
いきなり半端無い斜度となります。
一歩外せば滑落の危険もあり、前を行く見知らぬグループの足元を見て、ひたすら付いて行く感じ。
雨風も厳しさを増し、目線は常に足元だけ。
だから、
あ、この人同じメーカーの登山靴だ
やっぱりボクと同じ上州屋で買ったのかな~ とか
しょうもない事ばかり考えてましたね。
前にいるグループがバスツアーの団体さんだという事に気が付きませんでした。
ですから途中に幾度もあるストップが
渋滞のものなのか、団体さんの休憩なのか全く判りません。
でも、このちょくちょくある渋滞はある意味有難かった~
真っ暗な中、更にはあの暴風雨、
谷側に張ってあるロープや鎖、山側にある山崩れ予防壁だけがたよりの道のりです。
弱気になる不安を
ちょっとした休憩のおかげで仲間と声を掛けられ、我に帰る事が出来るんです。
休憩は沢山取りました。
だってハードなんだもん。
歩いている時間よりも休憩時間の方が長かったかと。。。
横殴りの雨が良く判るでしょ 現在21時01分
かと思うと
フッと止んだり。。。 同じ休憩中でコレですから。

ちなみに写真左が山崩れ予防壁。
この壁伝いに歩きます。
気が小さくなると 壁に手をついて暗夜航路状態。。。
谷側にはロープ一本 その先は奈落の底なんだろうなぁ~ だって、その先が見えないから。。。
右にあった予防壁、右に曲がると左に予防壁
左にあった予防壁、左に曲がると右に予防壁
暗闇の中黙々と足を進める。
聞こえるのはフードを叩く雨と風の音だけ
ここで一句
いつまでも
ジグザグ行くよ
富士登山
そうそう、
雨合羽を着るタイミングを逃したと気が付いたのがこの頃
でも、中まで雨がしみ込む事態にはなってないからいいか♪
グループのみんなも、見知らぬ人達も黙々と進みます。 一列に並んで黙々と。。。
そんな時に頭をよぎる 劇場版ガンダムⅡの主題歌 愛戦士
♪ 荒野を駆ける
♪ 死神の列~
って、俺ら死神かいっ!
しかも駆けてないしwwww と一人ツッコミしながら
幾度となく同じ事を繰り返し。。。。 高山病の予兆かしら?
で、彼方にあった明るい建物が目の前に!
七合目到着 五合目からここまで2時間 現在21時10分

ご覧の看板にある通り、焼印なるものがあります。
まぁ、スタンプラリーみたいな物。とは言え全部もらっても何もプレゼントはもらえません。
一回200円、おでこや二の腕、背中にも押してくれるはず。
一般的には金剛杖に押してもらいます。
木製の杖に焼印を押してもらうことによりハクが付くと言った 子供心を持った大人の自慢心を満たしてくれる物。
ってゆうかこんな状況の中、財布からお金を出す気力なんてありません。
とにかくゆっくり休みたいってのが本音。
ここから八合目まで
山小屋がポコポコあります。
んが、見上げれば目の前なのになかなかど~して。。。
簡単に見上げればと書きましたが
見上げるって意味がここでは違います。
芝公園で 東京タワーはでっかいなぁ~ って言う見上げ方では上は見られません。
高い外野フライをキャッチする角度って言うのかな。
グイッと首を上に向けないと見えないんです。
で、このような過酷な状況。 そんな事に体力を使いたく無い。
とにかく進むのみ!! そんな考えが無意識にあって上に目が行かないんですよ。
そして細かい火山石の山道から
岩をよじ登る感じの更に急な山道に変化していきます
岩に足を持ち上げる目測を誤り、つま先が引っかかる。
そんなミスを見逃さない!と 突風がバランスを奪おうとする。
滑落の一歩手前を幾度と無く感じ
金剛杖に何度も助けられました。
ほ~ら
登山客のライトの列、山小屋の暖かい明かり 現在21時50分

ここがどこだったか知る由も無し。
このあたりで寒さと雨にへこたれ
雨合羽の下にフリースパーカー着用
なぜだか登りルートを下る団体が。。。
後で知ったのですが
沢山あるバスツアーのほとんどが
遂行キャンセルになったこの日の富士登山。
決行をしたツアーは5件。
そのうち4件は
登山途中で決行を断念したんだとか。
恐るべし富士山!!!
それでも帰る事を一切考えないボクらも凄い!!
深夜0時を過ぎると
休憩を取るペースは更に増え、
杖を枕にし、立ったまま5分程度の仮眠を繰り返す。
あ、今思ったけど 『杖』と『枕』って漢字が似てる~~~ 正しい使い方だったと確信しました♪
登山開始から6時間30分経過 現在1時45分

ここがどこなんだか。。。
とにかくみんな死んでます。
更に増す雨と風
山小屋があるだけで雨風をしのいでくれます。
それだけ横向きの暴風雨って事。
ここでスキーウェア(上)を重ね着。
同じところで別角度の写真
あ、白雲荘さんでしたか。

って事は 八合目 3200メートル
あれ?
七合目が2700メートルだから 4時間30分で500メートル?!
山頂まであと500メートルだから 山頂の御来光ダメじゃ~ん
いつまで続くつらい道のり
頂上での御来光が絶対無理!って判ったとたん
いろいろな妥協が頭をよぎります。
で、またもや一句
この辺で
腰を下ろして
御来光
ここが僕らの
頂上だ!
でもがんばります。
相変わらず杖を枕に仮眠しながらえっちらほっちら
流石にみんなを睡魔が襲います。
って事で
本八合目 3400メートルにある山小屋・富士山ホテル前
ベンチに腰を下ろして15分睡眠~ 現在3時08分

仮眠中、呼び子の声
『いらっさ~ぃ いらっさーい 焼印300円で2個 あったかい飲み物もあるよ~』
『土足のまま入れる山小屋はこの上には山頂まで無いよ~』 と繰り返し繰り返し。
きっと仮眠中のボクらに向かって言っているんだろうなと
一度入ったら最後、お尻から根っこが生えて本当に寝てしまう。。。と言い聞かせていた。
でも、屋外ながら 15分ながら せっかくのいただいたベンチの恩
300円で始めての焼印体験 (もちろん杖にね)
15分の仮眠のおかげか 考える余裕が出来たんです。
ここで気が付いた。 ってゆうか後悔。
焼印の付いた自身の杖にパワーがみなぎった感じがしたんです。
車もアルミを変えるだけで気分がリフレッシュするでしょ。
あれと一緒。 もっと押してもらえばよかった。
焼印が付いて 有難く格が上がった金剛杖をしっかり握ってさあ上へ!!!
御来光まであと1時間30分
あ、もうこんな時間だ
ダラダラ書いていたから文章がおかしいかも知れませんが今日はここまで。
続きをお楽しみに。
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