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キョーリュウのブログ一覧

2019年08月28日 イイね!

韓国への輸出規制、報道に振り回されないよう

8月28日、韓国を輸出令別表第3の国、従来の呼称でホワイト国から除外する改正が施行されました。しかし、何度かここで書いた通り、大半の企業活動には大きな影響を及ぼさないはずです。

相変わらずの誤報が目に付きます。
例えば、Yahooニュースに載った毎日新聞の記事。
「食品や木材などを除くほぼすべての品目が対象となり、軍事転用の可能性があるとされた物品については、原則として輸出契約ごとに経済産業省の許可が必要になり、手続きが煩雑になる。ただ、多くの企業は個別申請を必要としない特別な許可を持っており、経産省は「企業活動にほとんど影響はない」としている。」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190828-00000000-mai-kr
ここから気付いた問題点をいくつか。

「軍事転用の可能性がある」
→ 輸出先の事業内容と用途に問題がないことを確認し、記録するだけで良い場合が大半と思われます。

「多くの企業は個別申請を必要としない特別な許可を持っており、経産省は「企業活動にほとんど影響はない」としている。」
→ ここがいちばん問題。
 「軍事転用の可能性がある」とされた場合、つまりキャッチオール規制に該当する時に必要な経産省の許可には、「個別申請を必要としない特別な許可」、つまり包括許可を適用できません。
 経産省が「企業活動にほとんど影響はない」としているのは、上述した通り、大半の取引は軍事転用のおそれがない、または非常に低いからです。

続いてBloombergの記事から。こちらもひどい。
「今後は半導体材料3品目に続き、化学・金属、輸送関連、精密機器など規制対象品の輸出に個別許可が必要になる。韓国も対抗して日本をホワイト国から外すことを決めた。
28日以降も経済産業省が厳格な管理体制を認めた「特別一般包括」許可制度の対象企業は従来通り、簡易な手続きで輸出できる。」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190828-39600007-bloom_st-bus_all

「規制対象品の輸出に個別許可が必要になる。」
→ リスト規制とキャッチオール規制をごっちゃにしてます。リスト規制に該当すればホワイト国だろうと非ホワイト国だろうと、原則、許可が必要で、包括許可も条件さえ満たせば適用できます。

「「特別一般包括」許可制度の対象企業は従来通り、簡易な手続きで輸出できる。」
→ 上述した通り、キャッチオール規制に該当すれば包括許可を適用できません。ただし、それに該当する場合は非常に限定されます。


韓国政府は日本の今回の措置を大きく批判していますが、日本の輸出管理制度を知らないのか、それとも知っていて過大に表現しているのか。


何度も言うように、本改正での影響は限定的なはずです。報道や韓国政府の挑発に惑わされることなく、冷静に対応しましょう。

Posted at 2019/08/28 07:30:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | 輸出管理・物流 | ニュース
2019年08月02日 イイね!

輸出管理に関する最近の報道は不正確

 スペースや時間の関係で、あの複雑な日本の輸出管理制度を正しく伝えるのが難しいことはよくわかります。だけど、不正確な報道があまりにも多過ぎます。
 日本も韓国も、感情論でなく、今回の一連の輸出管理制度の改正で、何が変わるのか、どのように影響するのかを、正確に把握することを求めます。

 下記のリンクは、一般財団法人安全保障貿易情報センター(CISTEC)が、7月1日以降の韓国向け輸出管理の改正について解説するページにつながっています。それほど長くないので、まずはここを一読することをお勧めします。英語版もあります。

 今日8月2日に閣議で決定された、韓国をいわゆる「ホワイト国」(8月28日以降は「グループA」と呼ばれるらしいです)から除外することは、8月28日の施行後も、大半の輸出者にとってはそれほど大きな影響を及ぼさないだろうことが、上記リンク先を読めばわかると思います。
 日本が定めたホワイト国は、そもそも世界に27か国しかありません。日本はホワイト国とだけ取引しているわけではありません。米国はホワイト国ですが、中国は「非ホワイト国」です。

 韓国の非ホワイト国化の目的の1つは、「インフォーム」にあると思います。経済産業省が、特定の取引に対し、軍事転用のおそれがあるから輸出許可を個別に申請せよというお達しです。
 経産省が何らかの懸念情報を持っていて、特定の取引をやめさせたいと思えば、ピンポイントでインフォームします。そして、それは取引全体のほんの一握りのはずです。
 規制対象の仕様を持つ品目でもなく、用途や輸出先に懸念がなければ、今まで通り取引できます。規制対象の品目でも、大半のものには、今まで通り特別一般包括許可を使って輸出できます。

 どうか、報道等に惑わされることなく、正しい情報で事態を判断してください。
 上記CISTECの他、経済産業省も専用のページを設けています。

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Posted at 2019/08/02 23:19:42 | コメント(1) | トラックバック(0) | 輸出管理・物流 | ビジネス/学習
2019年07月03日 イイね!

ホワイト国

先日のファーウェイのことに続いて、またまた輸出管理が話題に。
今度は日本が韓国向けに仕掛けた規制強化で。

経産省は、半導体関連素材の一部の韓国向け輸出および技術提供を、包括輸出許可対象から個別輸出許可対象に変更し、7月4日から施行すると発表した。
これらは日本から世界中のどの国に輸出するにも経済産業大臣の輸出許可が必要だが、「包括許可」をあらかじめ持っていて特定の条件に合致すれば、経産省の窓口へ申請書を提出に行って許可を待つことなく輸出できる。ところが、今回の法令改正で、韓国向けにはこれらを輸出するのに包括許可を適用できなくなる。

経産省に申請するには、申請書の他、契約書など必要書類をそろえ、窓口へ持って行き、担当官からの質問に答え、要求に応じて証拠書類を追加提出し、経産省内で審査が行われ、ようやく許可が出る。最悪、さんざん待たされた揚げ句、不許可ということも。

さらに経産省は、韓国を「ホワイト国」から外すことについての意見募集を開始した。今月下旬か8月初めには施行されるのでは。
ホワイト国なんて言葉は、輸出管理担当者にとっては常識の言葉だが、一般紙やウェブニュースなどで聞かれるなんて思ってもみなかった。
ホワイト国には現在、欧米西側先進諸国を中心に27か国が設定され、アジアからは韓国が唯一、その中に含まれる。ホワイト国向け輸出では、法令上、用途・需要者確認が省略できるなどの優遇措置がある。
ホワイト国から外されれば、輸出者によっては内部手続きが複雑・長期化するなどの影響が予想される。

こうして輸出管理に注目が集まる事件が続けば、人事担当者の輸出管理経験者への注目度が上がるかもなんて喜ぶ半面、日常業務が増えるのは勘弁して。
Posted at 2019/07/04 00:02:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | 輸出管理・物流 | ビジネス/学習
2019年05月25日 イイね!

ファーウェイのこと

今ほど輸出管理に対する注目が集まっている時は、かつてなかったんじゃないか。それもトランプ大統領のおかげだ(笑)。

前回、中国の大手通信機器メーカーの1つであるZTEに制裁を科した米国は、次の標的にファーウェイ(Huawei)を選んだ。以前から米国が同社に懸念を抱いていることを輸出管理担当者は知っていた。米国はそのタイミングを図っていたのだろう。

企業規模から、その影響はZTEの比ではない。そのせいか、前回と比べて、より詳細で正確な報道が目立つように思う。
一部にはまだ、「米国企業」が同社への輸出規制の対象であるとの報道が見られるが、規制されるのは米国企業だけではない。日本を含む第三国からの輸出者にもその規制範囲は及ぶ。
Huaweiが掲載されたEntity Listは、米国輸出管理規則「EAR」(=Export Administration Regulations)に基づく。EARは米国法でありながら域外適用されるという特徴を持つ。国際法違反との指摘もある域外適用だが、各国の輸出者が従わざるを得ないのは、違反者が、Huaweiと同様、制裁者リストに掲載されることを恐れるからだ。
そのリストの1つ、「DPL」(=Denied Person's List)に掲載されれば、米国企業だけでなく、世界中の企業や銀行から相手にされなくなるだろう。違反者と取引することで、自分たちもDPLに載せられる恐れがあるからだ。

日本から輸出する時、全ての製品等がEARの対象かというと、そうではない。簡単にいうと、米国原産品、米国原産品の組み込み品、直接製品という分類がある。また、製品だけでなく、ソフトウェアや技術が対象のこともある。
これらを見分けるのはけっこう複雑。慎重な検証が必要である。
また、EAR対象ではなくても、Huaweiとの取引そのものを継続するのかという経営判断も必要であろう。
さらに、今回はEARという商務省管轄の法令に基づく措置だが、今後もし財務省等の別の組織が制裁を発動すれば、対象品目も変わる。

貿易戦争やら次世代通信規格5Gでの覇権争いやら、そもそもの政治体制の違いやら、今件の真の背景はわからないが、私たちは可能な備えと確実な対応を心がけるしかない。
関連情報URL : https://www.bis.doc.gov/
Posted at 2019/05/25 08:16:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | 輸出管理・物流 | ビジネス/学習
2018年05月03日 イイね!

中国ZTEに対する米国の制裁措置について

4月15日、米国商務省産業安全保障局(BIS)が、中国通信機器大手のZTEとその子会社1社を取引禁止顧客リスト(DPL)に掲載しました。
これに関し、一部の報道が不正確と思える表現を使っているので、注意が必要です。

例えばこれ。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018041700160&g=int
米企業に対し、中国通信機器大手、中興通訊(ZTE)への部品輸出などの取引を7年間禁じる措置を発表した。」

これも。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180426-00050099-yom-bus_all
米国企業によるZTEへの製品販売を7年間禁止する措置を発表」

一方、この記事の表現は正確だと思います。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180423-00164224-hbolz-sci
「禁止顧客リスト掲載者は米国の企業や個人などを含む米国人との取引や、米国人以外でも輸出管理規則(EAR)対象品目の取引が禁止となる。」

このEARという法律は、米国国内法でありながら、第三国へも影響を及ぼす「域外適用」という特徴を持っています。EAR対象品目なら、例えば、日本から中国への輸出であってもEARの規制対象とされることを意味します。
域外適用は国際法違反と言われながら、米国以外からの輸出者がこれを守らざるを得ないのは、(米国から見た)外国企業に対しても、BISが制裁を加えることができるから。

ZTEがDPLに掲載されたのがまさにその典型例です。

じゃあ、何がEAR対象なのかというと、米国原産品の他にもいくつかあるのですが、ここで説明するには複雑なので、下のリンク先の安全保障貿易情報センター(CISTEC)のページをご覧ください。

いずれにしても、日本企業でも、ZTEとの取引には十分な注意が必要です。

それにしても、このZTEのDPL掲載にしろ、ZTEのライバルであるファーウェイ(Huawei)への捜査にしろ、中国製通信機器の米国内販売禁止の検討にしろ、なぜ今?と感じます。
ZTEへの捜査が始まったのはオバマ政権時代だし、去年3月に和解したはず。また、Huaweiへの捜査が進行中というのは輸出管理担当者には周知の事実。
トランプ政権が米中間の貿易摩擦の交渉に利用しようという思惑が見えます。

とはいえ、中国製通信装置・端末へのセキュリティー上の不安は、米国以外でも数年前から指摘されているのは事実です。

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Posted at 2018/05/03 10:24:01 | コメント(0) | トラックバック(0) | 輸出管理・物流 | ニュース

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