ころころ豆腐屋のブログ一覧

花冷え、花曇り、花散らしの雨。
ゆっくり花見が出来る時間は短いものですね。
今年晴天の下で花を眺めることが出来たのは僅か4日間
でした。次に晴れる頃にはもうすっかり散ってしまうでしょう。
天候不順な時期にこの日数を長いと見るか短いと見るか。
私は短すぎると申し上げたい。



『類なき花をしえたにさかすれば　櫻にならぶ木ぞなかりけり』　　西行法師




散り際の美しさこそ桜の魅力と言えども咲き揃ってくると惜しくて適わない。
盛りを迎えようとする花をもう少し、このままと、風よ吹くな雨よ降るなと願う。けれど、いっそ

『いざ今年散れと櫻を語らはむ　なかなかさらば風や惜しむと』　　西行法師　


｢散れ」ってアナタ（笑）　でも、わかります。その気持ち。

『世の中に絶えて桜のなかりせば　春の心はのどけからまし』　　在原業平朝臣


『散ればこそいとど桜はめでたけれ　憂き世になにか久しかるべき』　　詠人知らず






夫と夜桜ドライブ


君津市の内箕輪運動公園にて


十三夜の月明かり、お喋りしながら散歩して夜桜を楽しみました。


見上げた桜があんまりにも綺麗で思わず｢私が死んだらこんな景色のところに、桜の木の下に
埋めて欲しい」とお願いすると｢俺が先だから叶えられない」とバッサリ。

『願わくば花の下にて春しなむ　そのきさらぎの望月のころ』　　西行法師




先か後かは別としてこの先も二人で同じものを見ていたいものです。

さて、昨年雲紛うほどに咲いて欲しいと願った我が家の枝垂れも疎らながら咲き始めました。


『春雨に争いかねて我が宿の　桜の花は咲きそめにけり』　　万葉集　　詠人知らず


これが老木となったらどんな枝振りになるのか。やはり長生きしなきゃいけないか。

夜桜も春雨に濡れそぼつ桜も好きだけれどやっぱり青空は正義！