1
連日さくるどの頭を悩ませ続ける、ホイールが装着できない事案
クリアランスが足りずにスポークがキャリパーに干渉
しかしホイールのボルト穴が小径(21mm)で、ロングボルト(テーパー部23mm)が入らない
というかボルトが入ったところでソケットが入らない
薄型ソケットとかそんなレベルじゃない
スタッドボルトを立てて、ロングナット or 内六角ナットで締めるしか取り付ける方法はない
そしてスタッドボルトを購入したは良いもの…
2
こんどはスタッドボルトが入らない
ハブ側とナット側のネジ山の間に、15mmの邪魔な部分があるのだ
こいつが邪魔してるおかげで、ハブ側はネジの噛み代が5mmしか確保できない
ブレーキディスクに開けられたボルト穴は、フロントが13mmで、リアが12.4mm
つまり、ブレーキディスクのボルト穴を15mm以上にするか、スタッドボルトを削るしか取り付けはできない
あとはブッたまげる価格のスタッドボルトを買うという手もある
次から次へと襲いかかる苦難
雪が降るまでに間に合うのか!とかそんな展開になれば楽しいんだけど、さくるどのDIYスキルと人脈が功を奏して、ドラマチックな話にはならない
15mm→12.2mmにする計画だ
3
さあさ、やってきました鉄工所
漁師相手に商売してる鉄工所
工賃がべらぼうに高いと漁業者が恐れる鉄工所
あまりの暴利に嫌気が差して、県外から業者を呼ぶ船もある
しかし腕は良いし、昔からここいらの船を診て来たからそれぞれ固有の不具合とか症状を理解してるし、地元故融通が利く
値段を取るか利便性を取るか、それは親方の考え次第なんでさくるどには分かんないや
つってもさくるどは人懐っこい一面も持ってて、個人的に鉄工所と仲が良いほうだ(と思う
相手も来るもの拒まずというわけではなく、結構人を選ぶ系なんで、嫌いではないのだろう
4
ちなみに、鉄工所に来たのは設備を使わせてもらうためで、作業は全てさくるどが行う
旋盤とか学生の頃実習でちょこっと触っただけで経験ゼロだぞ
正直怖い
…まずは準備だ
旋盤のチャックでボルトを直接挟むと、ネジ山が潰れてしまうため、銅パイプを加工してクッションを作る
内径12mmのパイプに割り込みを入れたものだ
さすが鉄工所、パイプが肉厚 笑
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旋盤のチャックに挟む
柔らかい銅パイプの上からボルトを掴むので、芯が狂う
ボルト1本ごとに芯出し調整が必須だ
単にチャックに挟んだだけの状態で、0.4〜1.0mm程の芯の振れがあった
今回の加工は高い精度が要求される
フロントは13mmと余裕があるが、リア側は12.4mmの穴に12.2mmで入れてやろうって話なので芯出しは重要
振れが0.05mm以内になるまで調整
これが一番手間が掛かる作業だった
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ゼロ点合わせしたら12.2mmまで一気に切り込む
初めは芯出しに苦労して、妥協してしまい、芯が出ないまま切削したりでネジ山にバイトが当たるほどお粗末なものになったが、残り7本となったところで突然コツを覚え、完璧に芯が出せるようになった
12.2mm径なのにM12のネジ山(11.7mm)に刃が当たるということは少なくとも0.5mmは振れてるということ
それじゃ12.4mmの穴には入らない事になる
残り7本を完璧に仕上げた後、お粗末な13本を全て切削し直したので、気づけば11時を過ぎていた
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きれいに削れた
さくるどは自他共に認める覚えの良いデキる子だけど、鉄工所は買いかぶり過ぎだ
まともに旋盤使ったこともないズブの素人に、1本削って見せて「分かるべ?後できるな?」なんて無理があるだろ
しかし終わってみると満足のいく加工が出来てしまった
作業を重ねるうちにどんどんコツを覚え動作も効率化し、最後の1本なんてチャックに固定→芯出し調整→切削→取り外し まで2分ぐらいだった
自分で自分に驚いた
さくるどって実は自認する以上にスペック高い?
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出来上がったスタッドボルト
16本しか使わないけど20本全部削った
言ってみればワンオフ製作だ。予備4本含めて大事にしたい
頑張った甲斐あって精度には自信があるので、今日はもうお休みしよう
うまく取り付け出来るかのチェックは後日だ
何より疲れた
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