
まったく荷室の無い2シーターなんて、ストイックすぎて購入することは無いと思っていたが、ひょんなことから予定外に所有することになったS660
とはいうものの、
過去ブログを読み返してみれば、プロトタイプの時点でしっかりマークはしていたんだな。
M240iと同じく、最初に興味を持ってから7年も経って所有することに。
まだ乗り始めたばかりの慣らし段階ですが、少し走ってみて感じた第一印象をダラダラと書き出してみたい。
多くの割り切りのもとに作られているだけに、他のクルマではまず味わえない楽しさがたくさん詰め込まれている。
◎なポイント(エクステリアデザイン)
・世界一カッコいいと思っているミウラと同じ横置きミッドシップレイアウト
・世界一カッコいいと思っているミウラと同じ、サイドウインドウ後端にあるエアインテーク
・前後に長く天地が狭いサイドウインドウ
・世界一カッコいいと思っているミウラと似たような、前下がりのウエストラインと後下がりのルーフライン(平行じゃない)による、絶妙なアンバランス感
・スポーツカーらしさのあるフロントウインドウ下端のラウンド感
・前後オーバハングの小さい凝縮感・緊張感あるサイドビュー
◎なポイント(乗った楽しさ)
・開く小窓、外せる屋根
・6気筒をチープにした感じの、息遣い丸出しなエンジンサウンド
ある回転域では、昔の12気筒スーパーカーにも通じるビートが(笑)
・遮音性が低いことで、現代のクルマには無いエンジンの息遣いが聞こえ、昭和50年代のクルマのような懐かしい味わいがある。
・ミッドシップならでは、すいすいコーナリング
・スピードを出さなくても普段が楽しい日常スーパーカー、これは本物のスーパーカーでも得られない魅力
◎なポイント(その他)
・世界一カッコいいと思っているミウラと同じような、若き20代中心のプロジェクトとなった開発ヒストリー
・軽=低税金、レギュラーガソリン、好燃費=低ランニングコスト
△割り切るべきところ
・ひとり日帰りドライブでも少し手狭
・音楽を聴く気にならない・・・透過してくるエンジン音を聴くべし
・路面が悪いところは揺れが大きい
×なポイント
・フロントマスクのデザイン(ヘッドライト~グリル形状)
・普通に洗車すると水がダダ漏れするエンジンフードやフロントウインドウ下端の構造
面倒だが、フロントウインドウ、幌、エンジンフードには水をかけないように洗車。
・オープン状態だと60km以上は風の音がボーボーうるさい。タルガトップの宿命
眺めてみて~
シートのベージュのセンターラインはオシャレ
Modulo Xに対するひがみではないが、黒内装で良かった。
ホンダファミリーフェイスのフロントマスクは、写真も載せたくないぐらい全く好みではない
斜め後ろか真横から眺めた姿が良い
フェンダークリアランスはちょっと大きい
初めて乗り込んだ時~
ドア閉め音は普通車のよう。
想像はしていたが、乗り降りを繰り返すのはキツい。
肘回り(横方向)が若干狭いが、前後方向にはガマンが無い。
ミッドシップの幌車だからか、窓も屋根も全て閉まっているのに、どこかが開いてるのかと思ったほど遮音性は低い。
停車時でも、腰~背中がブルンブルンと揺すられるアイドリング振動
こんなに騒々しくてガサツなフィーリング、昭和50年代ぐらいのクルマのイメージ
肯定的な意味で、今どきなかなか無い感触=懐かしい・温かみがある、このクルマのキャラを考えれば許せる
保安基準改正でどうしようもないが、ヘッドライトの自動的にAutoになる制御は気に入らない。Offにしても走り出すとAutoになる。
少し乗ってみて~
角は丸められているが、ストロークが短い感じの足回り
ホイールベースが短いし、タイヤ外径も小さ目だから、路面凹凸にはどうしても揺すられ気味に。
路面が悪い補修だらけのところでは、フロントウインドウやルームミラーが目に見えて揺れる(震える)こともある。
全般的にブルンブルンした感触ではある。ボディ剛性に関してはさすがにクローズドボディのクルマと同列に語ることはできないのだろう。
なぜか、ルーフを取り外しているときのほうがしっくりくる(嫌な動き・音が無く、乗り心地良く感じる)。
乗り込むとき、他車と横に並んだ時には低く感じるが、走行中には極端に低く感じない。
目線が低い割に、スピード感が高い訳でもなく、メータを見て「あれ、こんなに出てるんだ」と思ったりする。
幌の開け閉め、難しい訳じゃないが意外と面倒。
ロードスターのように乗ったままパッと開け閉めできると良いなぁ。
オープン状態でスピードを上げてゆくと、Bピラーに当たる風の音が煩くなり、60km以上でのクルージングは非現実的。タルガトップの宿命だろうけど何とかならないものか。風切り音を低減するアフターパーツでもあれば助かる。
寒い時、リヤウインドウを開けたほうがエンジンの暖かい空気が入ってくる
ミッドモードの温風は期待以上にありがたい
後期型から装備されたシートヒーターも◎
ホンダ車らしく加速は軽快
4000回転以内、アクセル深く踏まない慣らし中だが、普通に街乗りするには十分な力はありそう。
3~4000回転あたりでは、6気筒どころか12気筒に通じる音が聞こえる。
動画で見たジャガーEタイプとか、ミウラとか、250GTあたり、50年ぐらい前の12気筒の、低~中回転域の粒立ち感と共通性がある。
鼻で笑われるかもしれないが、自分には本当にそう感じられる。恐るべし直3。
ジャガーEタイプ https://www.youtube.com/watch?v=xkG09gcIGXA
ミウラ https://www.youtube.com/watch?v=7JLTK4HjNwk
クラッチは繋がりに多少癖を感じた。軽なのでトルクが小さく、アクセル踏んでからクラッチつなげないとエンストしそうになる。慣れの問題だが。
ホンダ車の例に漏れず、ハンドルは軽い。
スポーツカーだし小径ステアリングからイメージするに、もう少し重み・ソリッド感があってもいい気がする。
センターの締まり感ももう少し欲しい。
前にエンジンが無いのだから、いっそ重ステでもいいのでは?
フロントの動きは、違和感を感じるほどではないが、過去経験の中ではさすがに最も軽い。
操舵フィールの軽さと相まって、力づくでグイグイというよりは、自然にすいすいと曲がっていく。
よく言われているように、下り低・中速コーナーは、外側前輪に負担のかかるフロントエンジン車では無理なほど軽快で速い。

良くも悪くも突き抜けたクルマ。
現代にこんなクルマが新車販売されていたのは、確かに奇跡かも。
さすがホンダならでは。
そんな第一印象でした。