秋は夕暮れ。
夕日のさして
山の端 いと近うなりたるに、
烏の寝どころへ 行くとて、
三つ四つ、二つ三つなど、
飛びいそぐさへ あはれなり。
まいて 雁などのつらねたるが、
いと小さく見ゆるは いとをかし。
日入りはてて、
風の音、虫の音など
はた いふべきにあらず。
夕雲の龍
枕草子が著されてから
千年もの時が流れ、今は現代。
目に映る 景色 も、
それを感じる 人間 も、
うつろい変わっています。
夕日に建つ
それでも、秋は夕暮れ♪
ちいさな夕景
現代の秋も
夕暮れ時は 美しい と思うのです。
そして
日が沈んだあとも、
通勤路から
暮れてゆく空と交替するかのように
命が吹き込まれていく街の灯。
現代における 日入り果てて の情景です。
寄り道して
あたたかさを感じる 街の灯 が
太陽が沈んで色を失っていく秋の夕暮れに
彩りを与えてくれます♪
その一方で、
人気のない公園の 灯 や
点々と
高架下の回廊を照らす 灯 は、
静かな回廊
なんとなく 寂しい感じ を醸し出すので、
これはこれで 秋の景色 かな ♪(´ε` )
そんなふうに
今と千年前との 違い に思いを巡らせたとしても、
同じ日本の風景。
千年前と変わらない 秋の夕暮れ も
今の時代にも確かにあって、
たとえば、
逆光のシルエット。
たとえば
水面のひかり。
たとえば
夕日色の草。
たとえば
夕風に揺れるススキ。
そんな 何気無い 日常の情景は、
過去から現在まで連綿と続いているんだと
改めて思うのでした。
そして、
斜めに射し込む光に照らされ
揺れる花たちも…そう。
秋空に
穏やかに
日陰の輝き
咲いている花の種類は違えども
こんな風に 夕陽に染まり咲く花 を
清少納言も見ていたに違いありません。
草色に浮かぶ
ここのところ、
夏日になることさえ少なくなってきて、
季節は 夏から秋へ と加速しているようです。
木の葉たちの色は秋へと向かい、
季節の狭間色
秋色があふれだす
その時を待っているかのよう♪
秋色あふれて
この場所は、
茨城県水戸市にある千波湖。
夕陽に色づく
夕陽に染まり咲いていた花が
その花びらに太陽を受けるまで、
夕陽を受ける
つまりは 山の端いと近うなりたる 時間に(笑)
ちょっとだけ お散歩 してきたのでした♪
もちろん 合間の時間 での散歩です(笑)
山の端
冒頭の 枕草子 の一節は、
この景色を見て思い出したもの。
せっかくなので、
空に 雁などのつらねたる を探してみたのですが、
この湖に棲んでいたのは、雁ではなく黒鳥。
飛ばずに泳いでいました。
静やかに
秋の夕暮れ。
やはり、
キレイな彩にあふれた時間で、
いとをかし と思う私なのでした (^^ )
もう少し早く仕事を終えることができたならば、
偕楽園にも行けたのにな(笑)
【本日の1枚 〜手のなかの景色〜 】
街は、常に進化を求めるかのように
変化し続けています。
今回の撮影場所は、そんな街 大阪 と
過去から大切にされてきた 千波湖 の
ふたつがメイン♪
大阪の夕暮れは、
まだ建ったばかりの キルフェボン のあるビルから。
そのビルの9階の 空中庭園 は空に近い場所。
そこから見る 暮れていく空 は贅沢なものでした。
千波湖の夕暮れは、
偕楽園近くの伝統ある水景色。
湖の畔で鳥とともに見る夕景は
とても穏やかなものに感じました。
新しきもの と 変わらないもの
時代により、そう感じる対象は変わっても、
美しいと感じる 心 は変わらないと思うのです。
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撮影日記 | 日記
Posted at
2013/10/02 22:21:33