
1939年。
その橋が 架けられた のは
そんな昔。
仲間内の TATさん が
どこで見つけてきたのか
この橋を 見てみたい と言い出したのをキッカケに
わざ撮りの 目的地 となったのでした。
タウシュベツ橋梁
タウシュベツ橋梁は
廃線となった 士幌線 の橋梁として架けられたもので、
ダム建設に伴い1955年に線路は撤去。
コンクリート造りの橋梁だけが残されたのです。
今でも
タウシュベツ川の河口付近に存在してはいるものの
秋から冬にかけてダム湖に水没し、
冬から夏にかけては水のないところに立つので、
橋としての 勇姿 が見られるのは
僅かな期間だけ (*^_^*)
そんな幻のような橋を 橋として 見ようと
時期を合わせて出掛けてきたのでした♪
川にも命
今回 訪れた糠平湖付近 には
実は たくさんのアーチ橋梁 が残されていて
第4音更川橋梁
タウシュベツ橋梁以外のアーチ橋梁群は
北海道遺産に登録されています。
しかし…
立地が悪いことを理由にタウシュベツ橋梁は
保存対象外… (^_^;)
そのため 手入れなどされず
普段あまり人が足を踏み入れない場所で
朽ち果てていく運命となったのです。
滅びの情景
立地が悪い…
ということはすなわち
その場所に行くこと自体が 困難 ということで
一般的には
少し離れた 展望台 から
眺めることとなります。
展望台から
が、しかし。 ( ̄O ̄;)
そんな絵で
納得できる 人たち ではない訳で… (^_^;)
案の定、
ヒグマがお住まいになられている 場所 に
足を踏み入れることとなるのです (>_<)

(iphone撮影)
森に入るための鍵と通行証は
帯広の街から程近い
森林管理局十勝西部森林管理署東大雪支署で
貸していただきます。
鍵のかかったゲートを越えて林道を4Kmも進むと
車では乗り入れられない小道に出るので
そこからは徒歩。
森のなかへ
熊除けの鈴を鳴らしながら歩いて
ようやく その場所 に辿りつくのです♪
森のロールケーキ
そんな風に
幾重にもわたる困難を乗り越えて
到着したタウシュベツ橋梁。
その第一印象 は
“思っていたより小ぶりだな”
というもの。
荒涼と
とはいえ、
十一も連なるアーチの造形は美しく
その崩れかけている 儚さ と相俟って
見る者の目と心を奪います。
最初に訪れた時の それ は
小雨そぼ降る霧のなか。
白の世界
霧のなかへ
静かに 霧のなかに建ち
霞のなかに消えゆく姿は まさに この橋の
イメージそのもの。
雨のなかの撮影だったのですが
だからこその情景♪
雨に濡れることなど
たいしたことではないと思えるのでした。
そして、
再び 逢いにいった のは
夜明けの時間。
空が明るくなり始める頃。
暗闇の中から姿を現すタウシュベツ橋梁。
星とともに
静かに 静かに
その姿を現してくる その瞬間 は圧巻。
なにか 神聖や気持ち になるのでした。
夜と朝の狭間に
そして、このあと
思いもしなかった 朝焼け が始まるのです。
雲が染まり
宿を出発する時に見えていた星空は
ここに到着すると同時に雲に隠れてしまったので
残念に思っていたのですが、
逆に美しい景色を見せてくれるための
舞台装置に。
朝のひかりを映して
夜明けは終わりを告げて
こんな感じで 朝焼けの美しい時間 は
あっという間に終わりを告げる…
朝のはじまり
かと思ったのですが、
なんと…
茜に染まる
空を染める オレンジ が
蘇ってきたのです
幻の朝景色
夜明けの残り香
慌てて再びシャッターを切る私たち。
こういうことがあると
この場所から撮ることを 許された ような
そんな気持ちになります。
朝へ
撮影を終えると
俄かに怪しくなる空。
雨が降り始めるのでした。
美しい彩の朝は
私たちだけが見ることができた幻。
雨の帰り道
そんなふうに思えるほど
不思議な天候だったのでした。
タウシュベツ橋梁が
今回、私たちに見せてくれた情景は
実は これだけ ではありません。
それは
朝から降っていた雨があがったので
予定を変更して
タウシュベツに逢いにいった時のこと。
私的タウシュベツ情景
くもり空の下の 絵 は
私らしい色合いの世界♪
それが楽しくて、いろいろと歩き回って
いろんな角度から橋を観て回ります。
すると… 少しずつ 少しずつ
太陽のひかりを得て
情景自体に命が生まれ始めます。
タウシュベツの心
切り株にも命
そして、
太陽のひかりが差し込み始めると
一気に命が吹き込まれます。
夕焼けの使者
雨の花に
ひかりに煌めく
俄かに空が明るくなり
太陽の光がタウシュベツ橋梁を
金色に浮かび上がらせます。
金色の橋
その情景に見とれていると
今度は空に虹が…♪
虹の情景
一瞬の出来事でしたが、
タウシュベツ橋梁に架かる虹に
気持ちは焦るばかりで
何度も転んでしまいます(笑)
弧を縦に
朽ち果てても美しく
しかし、
転びながらも撮影を続けたからか (^^;
レンズを落として割ってしまったからか(ToT)
いずれにしても
虹が消え去ったあとに
神様は さらなる情景 を見せてくれたのです。
それは、再びの虹。
再びの虹
しかも
その虹は最初の虹よりも強く濃い虹。
夕陽色に染まる空をキャンバスにして
架かるのでした♪
夕暮れ空に
別の位置にいた私は再び走ります。
今度は転ばずに走りきり、
夕暮れ時の薄い紫とピンクの夕焼けのなかの
美しすぎる虹を撮らえるのでした。
瓦礫の見る夢
あまりにも
大きく美しく 描かれた孤は
私の持っているレンズの画角の限界を超えて
輝きます♪
弧を描こう
カメラで写し撮ることなど
もはや どうでもいい ように思えて
ただただ 夕焼けのなかの虹を見上げていると
今度は西の空が誘惑してきます。
空分けの水面
西に広がる糠平湖の湖面は
夕日を受けて金色に輝いていて
陽が落ちる
ついには
夕闇の少し前だけに見える複雑に光が織り混ざった
彩の世界が広がるのでした。
夕闇の彩
存在証明
夜の手前…
東の空は陽が暮れて
すっかり辺りは暗くなって
そこは人間が居てはいけない世界。
ヒグマたちの活動時間ではあったものの
不思議と 神様に守られている ような気持ちに
恐怖も不安も感じないのでした。
静かな時間へ
雨ばかりの今回の旅。
しかし、
この朝と夕だけ太陽が顔を出してくれました♪
神様に心から感謝です。
【本日の一枚 〜タウシュベツの窓から〜 】
自然に還る
この橋を見た時に
最初に思い浮かんだ 言葉 です。
それほどまでに
朽ちていくという言葉 そのもの であった
タウシュベツ橋梁。
おそらく
あと数年… いや もしかしたら来年にでも
崩れてしまうかもしれない…
と感じました。
人が造ったモノは
いつの日にか必ず 無くなる のだと思います。
それでも
きちんと役目を果たした それ は
確かな存在感で
過去の記憶を放ちます。
タウシュベツ橋梁も
何もない原野に鉄道を轢くべき理由と
たくさんの苦労や努力があったのだと思います。
だからこそ
遺跡のような存在感で
私たちに訴えかけてくるのでしょう。
私たちにできるのは
それが忘れ去られる前に記録にとどめること。
そして、
多くの人にその存在を知ってもらうこと。
その思いが
天に届いたのではないか…と思う
今回の旅でした。
次回はエピローグ。
今回の旅の記録も 終わり となります。
もう少しだけお付き合いくださいね。
この記事は、
会いたかった景色へ…タウシュベツ序章について書いています。
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わざ撮り | 日記
Posted at
2015/09/22 23:11:56