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2014年07月06日 イイね!

M.2 SSD Samsung XP941

M.2 SSD Samsung XP941








M.2とは、ノートPCやNUC(Next Unit of Computing:小型PCフォームファクター)で使われているminiPCIeやmSATAといったデバイスのフォームファクターの一つ。
次世代の規格ということで「NGFF(Next Generation Form Factor)」とも呼ばれ、一部のノートPCでは既に使用されている。
今回は、M.2フォームのSSD(Solid State Drive)のお話。


SATA接続の半導体素子メモリを用いた記憶装置としてのSSDは、従来からの2.5インチHDDに準じた箱型筐体が主流だが、ノートPCの更なる小型化とベアボーン(半完成品)などのUNCの普及により、筐体を無くした基板むき出しのSSDとしてmSATA SSDが使われている。
SSDはディスクの回転や可動部のあるHDDでは成し得ないダウンサイジングが可能で、M.2フォームでのSSDでは、基板の幅が22mmで長さは38/42/60/80/110mmの4種類となっている。
コネクタ形状やピン配置はデバイスのインターフェースの種類によって12種類の「Key ID」で識別され、5
月初旬からリリースされたInteのlチップセットZ97/H97では、PCI Expressネイティブ接続のSSDに正式対応したことで、M.2用ソケットが実装されてM.2 SSDの使用が可能になった。

現在、SSDの転送速度が接続するSATA3(600MB/sec)規格の上限で頭打ちになっていることから、より速いPCI Express接続に期待されており、今後、SSDのPCI Expressのネイティブ接続が普及する可能性は高い。
(その為のトレードオフもある。)

現時点で市場投入されているM.2 SSDは種類が少なく、PlextorのM6シリーズがPCI Express(2.0)x2接続とPCI Expressネイティブだが、未だ多くはSATA3対応コントローラーを搭載したSATA接続なため2.5インチ筐体のSSDと同等だ。
その中で別格なM.2 SSDが、SamsungのXP941シリーズである。
XP941シリーズは、昨年7月に発表された世界初のM.2 PCI Expressネイティブ接続のSSDで、PCI Express(2.0)x4接続に対応した高速SSDだ。
容量は128GB/256GB/512GBの3製品がラインナップし、公称最大読み出し速度は128GBで1,000MB/sec、512GBは1,170MB/sec、記録速度は128GBで450MB/sec、512GBは950MB/secという、SATA3接続でのSSD2台によるRAID_0に匹敵する性能を持つが、性能と引き換えに価格も高価である。
発表と同時に生産開始も開始され、既にノートPCであるVAIOシリーズの一部機種などにも採用されている。

※SATA規格
SATA(1.0):実効転送速度=150MB/s
SATA2:実効転送速度=300MB/s
SATA3:実効転送速度=600MB/s

※RAID_0とは
複数の外部記憶装置(HDDやSSD)を一台の装置として管理する技術方式の一つで、設定した複数の外部記憶装置にデータを振り分けて記録(ストライピング)する方法。
利点は、データの読み書きが高速になり、記憶容量は設定された記憶装置を合算した値になる。
欠点は、設定された装置が1台でも故障すると全データを損失し、速度と信頼性がトレードされる。

【Samsung XP941 512GB (MZHPU512HCGL-00000)】
幅22mmで長さ80mmの2280と呼ばれる基板で、重量は約7gと超軽量だ。

(拡大可)

(拡大可)

NANDフラッシュメモリは1パッケージあたり128GBの容量を持つ16積層品で、片面に2個づつ両面で4個が実装されている。

(拡大可)

M.2 SSDは、主流の2.5インチSSDと比較してもサイズの違いは歴然で、3.5インチHDDと比較すれば技術の進歩に感嘆してしまう。
実際に手にとってみると、写真で見るより更に小さく感じられる。

(拡大可)


せっかくM.2 SSDがZ97/H97搭載マザーボードでPCI Expressネイティブ接続が可能になったのだが、マザーボード側の対応はPCI Express(2.0)x2接続であり、PCI Express(2.0)x4接続のXP941シリーズでは性能を活かし切れない。
また、従来のHDDやSSDのように起動用Option ROM(OROM)を搭載していないため、データ用ドライブとしては普通に使えるものの、OSの起動用ドライブとして使うにはマザーボードレベルでの対応が必要である。

※PCI Expressとは
PC内部の各パーツ間を結ぶバス(データ伝送路)の規格。
x1を1レーンとし、4本を束ねたものをx4(4レーン)、16本束ねたものがx16(16レーン)となる。
PCI Express(1.1):転送速度は片方向で250MB/sec
PCI Express(2.0):転送速度は片方向で500MB/sec
PCI Express(3.0):転送速度は片方向で800MB/sec(転送方式の変更にて1000MB/sec)

※起動用OROMとは
電源投入時にデバイスの初期化やブート(OS起動)可能なデバイスとしての認識を行う機能を有するBIOSの一つ。


しかし、兼ねてから「変態マザーボードメーカー」としても周知されているASRockが、Ultra M.2と称する世界初のCPU側のPCI Express(3.0)を利用したPCI Express(3.0)x4に接続する世界最速のM.2ソケットを有する「Z97 Extreme9」と「Z97 Extreme6」というマザーボードをリリースしてきた。
PCI Express(3.0)x4は最大32Gb/secの転送速度になり、XP941のPCI Express(2.0)x4(20Gb/sec)を上回ることで、XP941シリーズを活かし切ることが可能だ。
尚、この2機種については普通のPCI Express(2.0)x2のM.2ソケットも設けられており、ダブルM.2ソケット仕様は他社に無く、その点でも世界初といえよう。

ASRock社は、2002年に大手PCパーツメーカーであるASUSの直属子会社として設立された。
(現在は、元ASUSの子会社だった製造部門の子会社となっている)
ほとんどのメーカーのマザーボードは、その時代に於ける技術や規格を盛り込んだ標準的製品を投入するものなのだが、ASRockは設立以来、一般的、標準的な仕様から離れた独自機能を盛り込んだ“世界初”を謳う“普通じゃないマザーボード”を多くリリースしてきた。
例えば、Pentium 4のCPUがSocket 478からLGA 775に変わる時代には、その2種のソケットを1枚のマザーボードに搭載してどちらのCPUも使える(排他仕様)という「P4 Combo」といった製品や、メモリーのDDRとDDR2の両方のソケットを有し、更にはPCI Express x16スロットとAGP 8xスロットも載せてしまった「4CoreDual-SATA2」という製品など、およそ他社では有り得ない仕様の変態マザーボードを多くリリースしてきた。
その多くはプラットフォームの変更時であるが、それは、いたって真面目な理由からで、変態モデルのコンセプトは「少ないコストで新しいプラットフォームへ移行できる」ということにある。
通常、新規格のプラットフォームへの移行は高価でコストが掛かるもので、旧規格になって低価になったパーツが使え尚且つ新規格のパーツへの移行をスムーズにできるようにと、ユーザーへのコスト負担を抑えようというユーザーフレンドリーなポリシーからだ。
だが、メーカーとしてはしごく真っ当な会社であり、近年では堅実でコストパフォーマンスに優れた製品を出すようになって技術面・性能面でも定評を得て、親会社であるASUSをはじめとする他大手PCパーツメーカーと肩を並べるほどにまでに成長し、PCパーツ市場の一角を担うほどの企業になっている。
昨今はやや変態度が薄くなってきた感もあるASRockだが、世界初のUltra M.2で変態度もややアップしたことだろう。


今回、Samsung XP941シリーズの512GB(MZHPU512HCGL)を自分の目で確かめてみるべく、マザーボードには、ASRock Z97 Extreme9を使った。
XP941シリーズの検証は、既にネット上に幾つか出ていて目新しさは無い点は勘弁して欲しい。

(拡大可)

予備のベンチ台にセット。
現在はCPUにGPU(描画用グラフィックスコア)が内蔵されているため、別途グラフィックボードを用意しなくても画面に映し出せる。

(拡大可)

【OSのインストール】
この起動用OROMを持たないXP941を起動ドライブにできるマザーボードは限られている。
自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の記事によれば、OSを直接インストールできるのはASRockとMSIの2社であり、ASUSとGIGABYTEの2社製品は不可である。
ASRockは特殊仕様だが、MSIの場合はM.2との接続がZ97のSATAポートと排他仕様となり、M.2 SSD使用時には6個のSATAポートのうち2個が使えなくなる。
それに対しASUSとGIGABYTEは、追加のサードパーティー製SATAコントローラー管轄のSATAポートとの排他仕様であり、その違いで直接OSをインストールすることの可否になるとも考えられるが、ASRockのようにサードパーティー製SATAコントローラー経由でも直接インストールが可能なものもあるため、やはりメーカーの仕様次第であろう。
実際は個別に試してみないと分からないのが現実だ。

※条件を満たせばIntel製のドライバを使ってOSのインストールと起動も可能→記事


Z97 Extreme9のUltra M.2でXP941にOSをインストールした設定は、何故か「DOS/V POWER REPORT」や「エルミタージュ秋葉原」で紹介されたものと少々異なった。

最小構成で接続。
①:UEFI(BIOS)画面のアドバンス設定画面で接続デバイスを確認。
SATAポートにインストール用光学ドライブのDVR-221L、M2_1にMZHPU512HCGL-00000(XP941 512GB)が認識されている。

(拡大可)

②:起動設定画面にて、起動の順番を設定する。
#1に“UEFI:(FAT)Pioner DVD-RW DVR-221L”を選択。
#2には“AHCI:SAMSUNG MZHPU512HCGL”を選択。
#3以降は何を設定しても構わない。

(拡大可)

(拡大可)

③:起動設定画面にて、速い起動(Fast Boot)設定を“高速(Fast)”に設定。

(拡大可)

以上3点の確認と設定だけで、後は普通にインストール手順を踏めばOSのインストールが完了する。

「エルミタージュ秋葉原」のZ97 Extreme6による記事では
>Ultra M.2にOSをインストールする場合は、「Fast Boot」を必ず“Ultra Fast”に設定しておこう。
>「Fast Boot」を“Ultra Fast”に設定しておかないと、Windows 8.1、Windows 7ともインストールディスクに選択できなかった。

と書かれているが、「Fast Boot」は必ずしも“Ultra Fast”でなくても構わない。
無効(Disabled)にしても可能だが、POST画面の表示時間が恐ろしく長くなってスタックしているのではないか?と思うくらいに長い。
重要な事は、②でのWindowsインストールディスクを読み込ませる光学ドライブを“UEFI:(FAT)xxxxxx”に設定すること。(xxxxxxは光学ドライブ機種名)
同時に“AHCI:P0 xxxxxx”という選択肢が確認できるが、これを選択すると旧来のレガシー・インストールとなり、インストール先でインストール不可となる。

理由はディスクシステムの違いに因るもので、“AHCI:P0 xxxxxx”ではインストール先は旧来のBIOSで使用されている「MBR(マスターブートレコード)ディスク」としてフォーマットされ、“UEFI:(FAT)xxxxxx”なら EFIで使われる「GPT(GUIDパーティションテーブル)ディスク」としてフォーマットされる。
要は「GPTディスク」にしかOSのインストールができないということのようだ。


【速度検証】
詳細なベンチマーク結果は特に海外サイトが詳しく、ここではCrystalDiskMarkを使ってのOSによる違いを検証してみた。
XP941は1パーティションのデータ用としてMBRディスクとGPTディスクとの違いも確認してみた。

環境
CPU:Intel Core i7-4790K
M/B:ASRock Extreme9(BIOS:1.10)
MEM:Team TXD316G2400HC10QDC01 Xtreem Series (DDR3-2400 CL10 4GBx2)
SSD:Intel 330 128GB (Windows 7 Pro SP1&Windows 8.1Dual Boot)

●Windows 7 SP1(MBRディスク)


●Windows 7 SP1(GPTディスク)


●Windows 8.1(MBRディスク)


●Windows 8.1(GPTディスク)


測定1:シーケンシャル速度(seq)
読み込み速度は一目瞭然で、Windows 8.1では公称速度の1,170MB/secに近い結果が出たが、Windows 7では若干低下している。
書き込み速度はいづれも公称速度の950MB/secに少し足りないくらい。

測定2:512KBのランダム速度(512K)
結果の数値は多少のバラツキや測定誤差が有り、OSの違いやMBRとGPTの違いによる変化は無さそうだ。

測定3:4KBのランダム速度(4K)
読み込み速度は全体的にWindows 7のほうが若干高く、逆に書き込み速度はWindows 8.1のほうが高い結果となった。
偶然の可能性もあるが、測定誤差の範囲内と捉えられるかもしれない。
ちなみに、OSのシステムドライブとして有利なのは4KBのランダム速度が影響する。
巨大ファイルの読み書きならシーケンシャル速度性能の優劣だが、OSのシステムファイルのような小サイズのファイルの読み書きの場合はランダム速度が重要で、現行の性能の高いSATA接続2.5インチSSDと比較するとやや低いのがXP941の弱点だ。

測定4:NCQによる4KBのランダム速度(4K QD32)
NCQ(Native Command Queuing)とは、複数の読み書き命令を同時に受け取ったときに、同時処理や順序の並び替えによってパフォーマンスを向上させる仕組みで、この仕組みを使って同時に32個の命令を処理する速度を測定する。
NCQが非対応なストレージでは、ランダム4Kと同等な数値となる。
こちらも一目瞭然で、Windows 8.1のほうがWindows 7よりかなり速いことが伺われる。

MBRディスクとGPTディスクの違い
特に明確な違いは感じられないのだが、GPTディスクでのWindows 7でシーケンシャルの書き込み速度、Windows 8.1ではシーケンシャルの書き込み速度とNCQのランダム4K読み込み速度がMBRディスクの速度を上回る傾向がある。
数回のベンチを採ってみたが、僅差でそのような傾向が見られ、どちらかといえばGPTディスクが有利といえる。

両OSでの決定的な違いは、シーケンシャルの読み込み速度とNCQである。
Windows 7では何度計っても1,100MB/secを超えることはなく、Windows 8.1はほとんど1,100MB/secを超える結果だった。
PCの起動中は何かとデータのやり取りが行われているため、複数の同時命令が発行された時の処理能力が高いにこしたことはない。
Windows 8.1は、NCQの処理能力だけではなく既にNVMe(Non Volatile Memory Express)対応ドライバーが組み込まれており、SSDのPCI Expressネイティブ接続に対する準備がされている。
現在のPCI Expressネイティブ接続のSSDはAHCIドライバーのみの対応だが、年内には真のNVMe対応SSDが登場(Samsung XS1715)するとも云われ、AHCIドライバーを介さずネイティブにコントロールできるようになる。
未だM.2 SSDを市場投入していないメーカーからも発表済み若しくは開発中とのことで、来年には種類も多くなって選択肢も増えることだろう。
特にPCI Expressネイティブ接続の製品に期待したい。

Samsung XP941シリーズを使うにあたり、決してWindows 7が劣っているとは云わないが、やはり最新デバイスには最新OSを使いたいものだ。
この後は、もう少し設定を煮詰めてメインシステムに組み込む予定にしている。

※NVMeとは
不揮発性メモリのための次世代インタフェース規格。
Windows 8.1にはこの次世代用のドライバーが組み込まれている。
現在のSSDはAHCIドライバーで動作しており、AHCIはHDDを前提に設計されたものでSSD本来の性能を引き出せていない。



冒頭での「トレードオフもある。」は、PCI Expressのレーン本数のこと。
メインストリーム向けCPU(LGA1150)には16本あり、通常は主にPCI Express x16(16レーン)
接続のグラフィックボード向けに使われている。
Z97 Extreme9/6では、Ultra M.2のためにx4が使われて残りはx12となり、PCI Expressスロットにはx8とx4に分かれる。
実際にはx16のグラフィックボードをx8で使うと3~5%の描画能力が低下するものの、できればフルにx16で使いたいのが心情だ。
かといってチップセット側のPCI Expressを使った場合には、SATAポートやUSBポートの数が減ることになり、いずれにせよ何かとトレードオフになってしまう点は仕方が無い。
高性能なハイエンドCPU(LGA2011)ならPCI Expressが40レーンと多く、トレードオフの影響は少なくなるのだが。
Posted at 2014/07/06 12:08:45 | コメント(3) | トラックバック(0) | PC | 日記
2013年02月25日 イイね!

記憶用ストレージの話

記憶用ストレージの話メインPCのHDDの1台がやや危なくなってきたため、代替HDDにデータを移行した。
セクタ代替処理回数(ID:C4)も”しきい値”を超えていて、中身をカラにしたところ解消されたが、代替処理済セクタはやはりダメだ。




このHDDのインターフェースはIDEだが、SATAに変換して接続しているので「SATA」と表示されている。
常用しているHDDの中では古参の部類だし、133.3MBytes/secで8MBキャッシュでは昨今のSATA_3.0規格と大きなキャッシュ容量の現行品と比較するとGB単位のデータを移動する場合には遅く感じられてしまう。

※転送速度
UltlaATA(IDE):133.3MBytes/sec
SATA_1.0:150MBytes/sec
SATA_2.0:300MBytes/sec
SATA_3.0:600MBytes/sec

昔はHDDの異状を音で判断したもので、幸いなことに、今までHDDのトラブルでのデータ消失を経験してはいないが、怪しいHDDは使用しないに限る。
HDDの状態判断材料として、このCrystalDiskInfoというツールは非常に助かる。


ここで少しHDDの話をしてみよう。
現在、販売されている組込み用内蔵HDDのほとんどが、2009年末から市場投入されたAFTアドバンスド・フォーマット・テクノロジー)を採用した製品である。
AFT採用の初期にはラベルに表示されていない製品もあったが、現在では「AF」という表示がされているから外観だけでも判断できるようになった。

HDDにはデータを記録する円板部分(プラッタ)があり、記録領域を多数の区画に分けて、それを物理セクタという。
従来の物理セクタは512バイトであったが、高容量化のための技術として4096バイトを1セクタとしたのがAFTである。
HDD1台の容量はプラッタの枚数によって異なるが、当然のことながら搭載できるプラッタ枚数には限界があり何もしなければ自ずと限界容量に達してしまう。
そこでプラッタの密度を上げることで、昨今では1プラッタ1TB(テラバイト)にも達した。
要は、512バイトの箱では箱の数ばかり増えてしまうことから、1つの箱の内部密度を高めて箱の数を減らすことで解決したのである。
そもそもWindowsは、データをクラスターという単位で読み書きをしており、1つのクラスターの単位が4096バイト(512バイト×8=4096バイト)ということで都合が良い。

ところが、それだけなら特に問題は無いのだが、実はOS側との関連が問題になり、Windows XPで使用するとパフォーマンスを活かせないのである。
Windows XPまでは論理セクタとして63番目の物理セクタをフォーマットの開始場所(開始オフセット)とするようになっていたのだが、その後のWindows Vista以降では2048番目が開始場所とするようになっている。

Win XPの開始オフセット
512バイト×63=32256バイト

Win Vista、Win 7,Win 8の開始オフセット
512バイト×2048=1048576バイト

Vista以降のOSで従来の非AFTのHDDをフォーマットしても、1048576バイトは512バイトの整数倍だから問題は無いのだが、XPでAFTのHDDをフォーマットすると

32256/4096=7.875

7.875倍と整数倍率にならない。

32256バイトを1セクタ4096バイトに当てはめると、

4096×8=32768バイト-512バイト=32256バイト

ということで、512バイト分ズレてしまう。

もちろん、AFTのHDDをWindows XPでフォーマットして使えることには変わりないのだが、4096バイトのクラスターにある512バイト分のズレを常に修正しながらデータの読み書きをさせることになり、結果、内部処理が遅くなってHDDのパフォーマンスの低下に繋がるのだ。

この事は、OSがインストールされたメーカー製のPCを単にそのまま使う分には何も気にする必要が無いのだけれど、Windows XPを使用している自作PCとメーカー製PCでのHDD追加及び自前での交換という場合には注意が必要になる。

そこで、AFTのHDDをWindows XPで使用する方法としては2通りがある。

1、Windows Vista以降のOSでフォーマットする。(一番簡単)
2、開始オフセットをツールで調整する。

1番に関しては別OSのPCを要するものの何も考える必要は無く、2番はHDDメーカーが提供するアジャストツールを用意する必要がある。
但し、ツールを用意しているのはHGST(旧日立)とWestanDigitalだけでSeaGateと東芝(3.5インチの製造元:HGST)は提供していない。
しかし、ExamDiskというHDDの情報、パーティション情報を確認するツールでパーティションを作成することで回避することが可能だ。

昨年春頃はまだ非AFTのHDDもメーカー、容量供に選べたものだが、2013年では非AFTのHDDが僅かに販売されているも、メーカー及び容量を自由に選ぶことはできず、Windows XPでも否応無しにAFTのHDDを使わらずおえない。

※2011年にHDD製造メーカーの大きな再編があり、現在の製造元はWestanDigital、SeaGate、東芝(2.5インチのみ)の3社しか残っていない。
※日立(HGST)がWestanDigitalに条件付きで買収されたため、現在のHGSTはブランド名だけで実質WestanDigital社製。


【SSD編】
昨今、HDDよりGB単価ではまだ高いものの価格もこなれて普及してきたSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)も同様に1セクタが4096バイトだ。
しかし、SSDをWindows XPで使用するとなると、また別の問題がある。

SSDは、長い期間使い続けているとパフォーマンスが低下することが知られている。
特に書き込み性能の低下が大きく、これはSSDに使われているNANDメモリ固有の制限による。
NANDメモリは、データの書き込みについて「上書き」ができず、消去済みの領域にしかできない。
その「消去」というのが、”ページ”という単位を複数まとめた”ブロック”と呼ばれるより大きい単位で行われ、データ書き換えの際には、書き込みたい領域にあるデータをすべて読み出して一旦コピーし、そのブロックを消去した後にコピーしたデータを戻すという手順が行われている。
その為、空き容量が少なくなるほど消去を伴なった書き込みが増加することから、記録速度の低下を引き起こすことになる。
それを対処するために設けられたのが、「Trim」というコマンド(命令)機能だ。
Trimコマンドは、予め消去してもよい論理アドレスをSSDに通知し、書き込み命令を受ける前に効率よく消去を行なうことで、消去を伴なう書き込み処理を減らして速度低下を抑えるコマンドだ。
このTrimコマンドが実装されているのはWindows 7からであり、Windows Vistaの登場時にSSDは存在していなかったし、Windows XPも当然実装されていない。

ということで、SSDをWindows XPで使用すると前述のAFTと併せて更に都合がよろしくないのだが、今のところIntel製のSSDだけは、「Intel SSD オプティマイザー」を使用することでTrimコマンドが実装されていないOS(XP、Vista)でも記録速度低下を抑えることが可能だ。


Windows XPでSSDを使うとすると、Intel製SSDにAFT対応フォーマットをして記録速度の低下を抑え、以下のレジストリ設定を行って極々僅か(誤差程度?気休め?)だが書込み寿命の延命を図るのも良いかもしれない。
特にHDDでは有効なデフラグはSSDには効果が無く、単に書込み回数を増やすだけで「百害あって一利無し」だ。

<レジストリ設定>
※自動デフラグ無効化
[HKEY_LOCAL_MACHINE / SOFTWARE / Microsoft / Windows / CurrentVersion / OptimalLayout]
 に DWORD 値で「EnableAutoLayout」を作成して値を「0」にする。

※プリフェッチ無効化
①プリフェッチログ作成を停止
[HKEY_LOCAL_MACHINE / SYSTEM / CurrentControlSet / Control / Session Manager / Memory Management\PrefetchParameters]
 の「EnablePrefetcher」が初期値「3」になっているので「0」にする。
②プリフェッチログを元にファイルの再配置を行わない
[HKEY_LOCAL_MACHINE / SOFTWARE / Microsoft / Dfrg / BootOptimizeFunction]
 の「Enable」が初期では「Y」になっているので「N」にする。

※最終アクセス日時を更新しない
[HKEY_LOCAL_MACHINE / SYSTEM / CurrentControlSet / Control / FileSystem]
 の「"NtfsDisableLastAccessUpdate"」を「00000001」にする。


SSDといえども故障や寿命は有る。
HDDが可動部分での故障が多いが、SSDには可動部が無いために電気的な起因による故障だけになり、書込みサイクルで寿命が決まるため、書き込めば書き込むほど寿命を縮める。
使われているNANDメモリには、SLCタイプとMLCタイプが多いがTLCタイプも存在する。

SLCタイプ
高速で読み書きが可能で、書込可能サイクルが10万回ともいわれ、主にサーバ用高速SSD、高性能ワークステーション用SSDに使われる。
SLCを使った製品に300GBで~約100万円というのもある。

MLCタイプ
SLCと比較して1.5倍の情報を記録できるが、動作速度はSLCより低く、電位差を利用するために製品寿命がSLCの半分程度。
書込可能サイクルは 5千~1万回とされ、パソコン用SSD、200倍速の高速フラッシュカード、高速型USBメモリに使われている。

TLCタイプ
1つのセルを3当分して記録を行うことで、SLCの2倍の情報を記録可能だが、シビアな電位差により処理速度が低下し、製品寿命がMLCより大幅に減少する。
書込可能サイクルは1千~5千回とされ、Class 10までの低速度フラッシュカード、低価格USBメモリに使われている。

現在、一般的な家庭用PCで使われるSSDはMLC-NANDメモリが使われているが、低価格のSSDにはTLC-NANDが使われている製品もあるという。
SSDを含め、SDカードなどのフラッシュメモリーには書込みサイクルで”寿命”が決まるということと、低価格製品は比較的寿命が短いということを頭に入れておきたい。
そうはいっても、使用環境で寿命も異なってくるため一概には言えなくSSD及び他のフラッシュメモリーの製品としての寿命はまだ良く分からないのが現実だ。

<参考>
SSD耐久テスト - BotchyWorld
Posted at 2013/02/25 19:15:18 | コメント(2) | トラックバック(0) | PC | パソコン/インターネット
2008年04月04日 イイね!

今更だけど…、でも予定通りなの。

先日の土日、やっとメインPC(自作機)のハードウェア(マザーボード&CPU)を交換しました。
1年半くらい前から新機材に更新しようと思っていましたが、現状特に不満も無い上に一筋縄でいかないPC構成ということで、なかなか踏ん切りがつかなかったのです。
しかし、久々に内部を除いてみると冷却システムの一部破損が見つかり、ちょうど都合良く電源ユニットの冷却ファンから異音が発生し、先のDVDマルチドライブの生焼けも発生したことで、掃除も兼ねて予てからのマザーボードとCPUを交換する気になりました。

今思うと、過去に自機の紹介ということをしたことが無いのですが、分野が違うことは承知しつつこの場でちょっと紹介することにしました。
ただ、それには時代背景も併せて紹介したいと思います。
以下、自作PCでの専門用語が多数出てきます。
なるべく理解できるような文章には心がけましたが、分からない語彙は興味があれば検索してもらえればと思います。


現在使用中のメインPCは、2004年の夏に自作したものです。
その当時、Intel Pentium4とIntel Xeonの2台の自作PCを有し、いずれもCORSAIR社HydroCool200という水冷ユニットを使った”CPU水冷機”でした。

CPUの水冷とは、CPUの熱をヒートシンクの代わりにWater-Block(水枕)を用いてそこへ冷却水を通して熱を奪い、ラジエーターによって熱を持った冷却水の散熱をするもので、要はエンジンの冷却と同じです。
基本構成には水枕の他、循環用ポンプ、ラジエーター、リザーバータンクが必要で空冷とは比較にならないほど大掛かりになりますが、冷却効率の点では空冷よりも有利なのです。
CPUの冷却というものはヒートシンクと冷却ファンによる”空冷”が一般的ですが、それまではごく僅かながらも存在していた”水冷”が2003年頃から徐々に浸透し始めてきました。
理由は、CPUの動作クロック上昇につれて発熱量が急激に増大したことによります。
時は2003年、当時は特に発熱量で困っていたわけではなく、単に”水冷”という一般的ではない冷却方法に面白味を感じていました。
でも、やはり”電気と水”という相容れない組合せに抵抗感はあり、最初は”外置き水冷ユニット”(ポンプ、ラジエーター、リザーバータンクが一体となったものをPCケース外に置く方式)という安全牌を選択したのでした。
次に2台目として水冷Xeon機の自作をしました。
Xeonはサーバー系CPUでDual CPUとして運用されるため、Water-Blockも2個必要になりますが、ユニットにHydroCool200を利用して2個のCPUとChipsetを同時に冷却できるようにPCケース内で配管を行いました。
しかし、2003年当時は水冷パーツの種類や数において現在とは比較にならないくらい少なく特に配管に関しては皆無に近く、狭いPCケース内に6~10mm程度の配管を引き回す為の小径のニップルや継ぎ手の入手には苦労した覚えがあります。
それでもようやく完成した2台目のXeon機は”水冷システムを導入したXeon”として、当時いち早く水冷に力を入れていたUSER'S SIDE(残念ながら今月15日で閉店)というPCショップのHPで紹介され、これを参考にして水冷を導入したという話を聞いたり導入をした人とも会ったりと、その後の水冷普及の一端を担ったかと思います。
日本での水冷の普及は2003年に始まりますが、水冷パーツの多くは輸入品であり米国メーカー製が中心でした。
そして2003年の暮になると、USER'S SIDEでヨーロッパ系メーカーの取扱を開始し、ドイツのaquacomputer社のパーツが日本に登場するのでした。

2004年は、Intel Desktop CPUのCPUコンタクトがSocket478(CPU側に478本のピンを有する)からLGA775(CPU側にグリッドアレイを775個を有する)に変更され、同時に使用メモリーもDDRからDDR2に移行、更にビデオカードもAGP規格からPCI-Expressにと規格が大幅に変更になった時期でもあります。
CPUにおいては、Socket478時代の最後に登場したPrescott Core(Prescott:CPUのコードネームである)も引き続きLGA775版でもリリースされました。
このPrescott Coreというのは、一世代前のNorthwood Coreより同クロックでも発熱量が多いことで悪名高く、空冷ではCPUの冷却ファンを強化して風量の増加で対応することになります。
(実際、NECの完成PCでも水冷を導入したしたほどである。)
時代は折りしも”静音ブーム”の波もあり、冷却ファンの風量増加は風切り音が多くなりPCの動作音も五月蝿くなるためにCPUの人気はPentium4より発熱量の少ないAMDのAthlonに追い風が吹きました。
それまで圧倒的なシェアを誇っていたIntel CPUは、Prescott時代には50%近くまでシェアを落します。
(それまでのIntelの圧倒的なシェアについては、Intel側からの完成PCメーカーや各メディア関係への圧力も加担したという。AMD側への追い風が吹いたことによりAMDの発言も無視できない状況となる。)

それでも、常用機だけは「Intel系で」と考えていたので、前年の2003年暮から用意していたaquacomputer社の水冷パーツ(最初はAMD Athlon64で使用する心算で準備)を使って市販水冷ユニットより冷却効果が高く取り回しが良い水冷機を組む算段をしていました。
しかし、予定するパーツを使って完成させるにはある問題を抱えていました。
それはPCケースです。
構想が以下のものをフロントのドライブベイに設置するというもでした。
・”aquatube”というリザーブタンクを横向きに設置
・ポンプのコントローラー
・”aquaero”という動作管理表示ユニット
・複数台の光学ドライブ
水冷関係の3つのユニットと複数台の光学ドライブを設置するとドライブベイは最低でも6段は必要となり、一般的なタワー型PCケースでは光学ドライブ用のフロントベイは多くても5段程度ですから、なまじ一般的なPCケースでは構想を実現するのが困難な状況でした。

そんな訳で新水冷機の制作に悶々としていたところ、2004年6月にCOOLER MASTER社よりCM Stackerという前面全てが12段のフロントベイで構成され、電源ユニットも上下に2台の設置スペースを持つフルタワーケースの登場を機に、現在のメインPCが構想通りに完成しました。
放熱のためのラジエーターは120mm×240mmを120mmファン×2個で冷却、セカンダリーリザーブタンクを含めたラジエーターボックスを制作。
このラジエーターボックスを好きな所に置くことで冷却効果を更に高めることができるようにしたことが重い”水冷ユニット”とは異なる点です。
組んだ当初は、CPUがPentium4 540(Prescott 3.2GHz)にマザーボードがASUS社P5AD2 Premium(Chipset:i925X+ICH6R)というもので、その後マザーボードは同年11月にP5AD2-E Premium(i925XE+ICH6R)に換装、CPUは翌2005年夏にL2キャッシュが2MBになったPentium4 670ES(3.8GHz/ES:Engineering Sample)を最後に、以降更新は無く現在に到っていました。
(HDDは随時入れ替えはしている)


上から
【1段目】
ポンプのコトローラーユニットが収まっています。
右端の赤いスイッチはaquaeroでの管理状態をPCにON-OFFするもので、内部USB接続なのですが常時接続ではPC自体が起動できないため、必要時にのみ使うようスイッチを設けてあります。
また、ポンプの間欠動作スイッチとUSBポートを設けてあります。
【2-3段目】
aquatubeというリザーバータンクです。
横置きで視覚的にも”水冷”を感じることができるアイテムですが、プライマリータンクとして機能させています。
内部にはLEDで照明も。
【4段目】
aquaeroという管理ユニット。
4系統の冷却ファンのコントロール、6系統の温度センサーを持ち、その他ポンプの動作など多岐にわたる動作を自在にコントロール可能です。
本体キーで操作するよりWindows上で操作するほうが簡単なのですが。
【5段目】
DVD-ROMドライブ。
ModファームウェアでDVDのリージョンコードをフリー化しています。
【6段目】
FDDとその他カードメディアリーダーを有したユニットで、起動・リセットスイッチとUSBポートを設置。
通電表示とHDDアクセス表示に高輝度LEDを使用しましたが、輝度が高過ぎて直視すると眩し過ぎる。(笑)
【7段目】
先日新規購入のPioneerマルチドライブ。
【8-10段目】
この3段分のスペースにHDDを4台収納。
【11段目】
PanasonicのDVDマルチドライブ。
”マルチ”といっても、4年前のものだからスペック的には低いですが、カートリッジタイプのDVD-RAMが使えるので残してあります。
【12段目】
リムーバブルHDケース。

旧動作環境





























(画像をクリックで拡大)


換装前



















ホコリが凄くて、集めると絨毯が作れそうな感じです。(滝汗)
画像では分かりませんが、ChipsetのMCH側のWater-Blockを固定している足の4つの固定フックのうちの2つが基板から抜けてWater-Blockが傾いてMCHに接触していませんでした。

電源ユニットの冷却ファンも軸から異音が発生し、もうメーカー保証云々の話ではないので、容赦なくカバーを開けてファンを交換します。
定格回転数/風量が不明ですが、「DC12V 0.3A」の物が使われていたので手持ちの0.25Aの物を使いました。
多分3000~3500rpmと思いますが、電源内部の温度で電圧コントロールをしているので同程度の定格風量の物を使うのがベストです。



換装後
(ポンプが横置きされているのが見えます。)


































ストレージデバイスが総数11台、冷却ファンが6個、温度センサー4系統、その他各種のコードが入り混じるので、この状態でもまとまっているほうなんです。
ビデオカードやTVチューナーカードも個別に電源供給しますから、12Vペリフェラルコネクタ(HDDなどの電源用4ピンコネクタのこと)は電源の標準個数では全く足りないので増設します。


新動作環境





























(画像をクリックで拡大)

【マザーボード】
新しいマザーボードは同じASUSのP5W DH Deluxe WiFi-AP(i975X+ICH7R)。
2006年6月リリースの既に過去の機種です。(笑)
実は、このマザーボードは計5枚を購入(計15万円超)していまして、もう一つの趣味であるオーバークロック動作検証で3枚壊し、1枚は現存、残りのこの1枚は新品で常用機用にと確保していました。
2006年6月、Intel Core2Duoのリリースと同時に検証用として使い始めます。
CPUやメモリー、ChipsetをBIOSの設定範囲以上の駆動電圧を掛けられるよう改造を施すために、基板のプリント配線の一部に可変抵抗や電圧測定端子を設けたりとして使います。
要はオームの法則で抵抗値が変れば電圧も変化しますから、CPUなどの電圧供給回路に外部抵抗をかませて物理的に供給電圧を変えてシステムの限界動作を得るわけです。
で、時として過剰な高電圧でマザーボードを壊したのが3枚ということです。(笑)

【CPU】
新しいCPUはCore2Quad Q6700(ES)、Singlソケットで4CoreのCPUです。
製造プロセスも65nmになり、それまでのPrescott(90nm)とは性能差(設計思想も違う)があまりにも違い、Core2Duo(Connro)/Core2Quad(Kentsfield)がリリースされたことでライバルであるAMDの製品とは性能を大きく引き離すこととなり、AMDはまた苦しい立場になりました。
この個体も旧環境で使っていた物と同じES品です。
”ES”というのは「Engineering Sample」の略で、要は”試作品”です。
新しいCPUの供給や改良(Rev.変更)を行う場合、マザーボードメーカーに対応製品の開発用として供給されるもので、それが少数裏ルートで流れくるのです。
ご存知のように、マザーボードを始めとするPCコンポーネンツの最大生産国は「台湾メーカー」ですから、その多くが台湾ルートということになります。
詳しいことは私も知りませんが、台湾国内にはブローカーも存在し、台湾の一部PCショップでは裏で取引もされたりしています。(実際に買い付けも行いました。)
今だからバラしますけど、今回の個体は台湾ブローカーの1人からメールで持ちかけられた個体で、4CoreのCore2Quadの初の製品版は2006年11月にリリースされましたが、このQ6700ESの入手はその6ヶ月前のことでした。
(もちろん、入手後は”高電圧ドーピング”で虐めました!)

さて、このP5W DH Deluxeというマザーボードには面白い特徴があります。
それは、CPUの倍率が高い方にも設定することができるというもので、但しES品のみです。
”倍率”というのは内部Busクロック数に掛ける乗数のことで、公称動作クロック(定格クロック)はBusクロックに乗数を掛けた値になります。
例えば、旧環境でのPentium4 670は定格3.8GHzですが

200MHz(Busクロック)×19倍=3800MHz(3.8GHz)

となります。

新環境のQ6700では

266MHz(Busクロック)×10倍=2660MHz(2.66GHz)

となります。
(新環境ではクロックの絶対値が低いが、処理能力は格段に異なる)

CPUのモデルナンバーで定格動作クロックが異なるのは、この倍率が個々に違うからであり通常は固定されています。
しかし、ES品の多くはこの倍率が変更することが可能で、定格動作クロックをBIOSで変更することが可能です。
ただ、最近の、特にCore2Duo以降のCPUについては製品版でも下げることができるようになりました。
(LGA775版のPrescottでは限定的に下げることが可能)
でも変更可とはいっても、定格倍率から下げることはできても上げることは出来ない(一部のハイエンドCPUを除く)ものなのですが、何故かこのP5W DH DeluxeではES品に限って定格倍率以上に変更できてしまうのです。
ということで、現在、定格は10倍ですが実際には11倍で動作させていますので

266MHz×11倍=2926MHz(2.93GHz)

と製品版のQ6700より高い動作クロックを得ています。(新動作環境画像を参照)

もちろん、この11倍より高く設定して動作クロックを更に高くすることも可能ではありますが、CPUの駆動電圧が定格では12倍での動作は不可能です。
動作可能にするには駆動電圧を上げれば動作は可能になりますが、それに伴って発熱量も多くなり、不安定要素が増えてしまいます。
オーバークロック検証なら増えた熱量は冷却能力の強化で対応しますけど、常用機ですしTV番組の録画もしますのでシステムの不安定要素は極力排除したく、適当なところで止めておくのがベターです。


という具合に無事換装終了しました。
実際には、マザーボードが換わったことで多数のストレージデバイスの接続でBIOSでの未認識やら「それはないでしょー!」といった動作干渉を排除しつつ完了させましたが。
本来なら最新機種を使うべきなのでしょうが、それは検証専用ということで、某国政府の公共工事かのごとく『当初の予定通り…』とあいなりました。

※最後まで読んでくれた方には感謝を!!
Posted at 2008/04/04 22:36:57 | コメント(14) | トラックバック(0) | PC | パソコン/インターネット
2008年03月27日 イイね!

へたれてました…

予定通り、今週は月曜からQUICK-CUPの画像DVD焼きを行い、先ほど完了しました。


実は、40枚ちょっとということで『2日もあれば楽勝』と調子こいていたら、何と初っ端からトラブルが発生してしまいました。

1枚目、終了。
2枚目、うん、うん。
3枚目、書き込みエラー。

「えっ?ナンデ??」
と思いつつ

4枚目も書き込みエラー。

その後、数枚は焼けたものの、書き込み速度を12倍や6倍など下げてみるもやはり書き込みエラー連発でした。
また、他のメディアも試すもやはり同様に書き込みエラーが出てしまいます。
結局、月曜日は凹んでそのまま終了してしまいました。

翌火曜日、心機一転で焼き始めると3枚までは焼けたものの、その後はやはりエラーの連続。
DVD-Rメディアはいずれも太陽誘電を使っているので品質的に問題は考え難いので、疑わしきはドライブの方です。
何となくドライブが発熱してくると書き込みエラーが出てくるような感じがしました。
ここで、『不良の山を築きながら続行するか』それとも『ドライブを買い換えるか』の選択に迫られることになりましたが、使用頻度としては決して多いとは言えませんがここはドライブを買い換えることに。
その?なドライブはPioneer DVR-A08-Jで購入は2004年秋、この機にPLEXTERも使ってみたいと思っていましたが、初めて使ってみたPioneer製ドライブも悪くなかったので続けてPioneerに決定してDVR-S15-Jとしました。(SATA接続)

Blu-rayドライブも手の届く範囲になり購入検討もしましたが、あの量で書き込み速度がまだ遅いこともありBlu-rayは見送りしました。

また、メーカーの選択肢以外にも接続方式の選択も必要に迫られます。
以前なら内蔵光学ドライブの接続はIDE(ATAP)と決まっていましたが、現在はIDEとSATA(Serial ATA)の両タイプがあります。
確かにIDEよりSATAの伝送速度が速いのですが、SATA規格策定時には光学ドライブとの接続はあまり重要視されておらず、ただSiliconImage社(SiI)だけが早くから互換性を提唱し、独自でHDDと光学ドライブの接続互換を果たしていました。
IDEの接続においてもHDDと光学ドライブとではデータ伝送方式に違いがあり、SATAのHDDが登場後SATA変換チップを使ったドングルも登場はしますが、IDE接続のHDDに使ってSATA接続が可能でも光学ドライブでは動作不可でした。
しかし、SiIのSATA ControllerであるSiI3114などはHDDだけではなく、同社のSATA変換チップであるSiI3611を使えばIDE接続である光学ドライブもSATA接続が可能になるのです。
(実際に自分でも利用している)

SATAのHDDが登場後もしばらくは光学ドライブのSATA化は進みませんでしたが、IntelがマザーボードのChipsetからIDE Controllerを排除する方針をうちだしました。
これには業界団体の疑問視や反発、ユーザーの反論の声もあったことでしょうが、CPUだけではなくChipsetでも最大手であるIntelの方針を変えることはできず、一昨年の2006年に市場投入されたChipsetであるP965シリーズ以降はIDE Controllerを排除されたものになりました。
しかし、IDE接続の資産を無くすことはできないので現在のIntel系マザーボードにはOnBoard ChipとしてIDE Controllerが実装されているのが現実です。

現在メインで使っているPCは、ASUSのP5AD2-E Premiumというi925XEを使ったマザーボードで、2004年11月から使っています。
その後、何度となくシステム変更をしようかと思いつつも常用機として特に不満もなかったために更新はしませんせんでしたが、さすがにCPUの世代も変ってきたことでシステムの入れ替えを検討中です。
たぶん、以前から常用機用にと用意しているCPUとマザーボードに変更することになるとは思いますが、ここにきて書き込み用ドライブを新規購入するとなれば従来のIDE接続にするかSATA接続にするかで少し迷ってしまいます。
何せ、光学ドライブ3台にHDDは6台~という構成ですから、各ストレージの位置や接続方式も重要な検討要素なのです。

それにしても、DVR-A08-JがDVD-R書き込み×16倍に対してDVR-S15-Jが同×20倍(×16倍メディアを20倍で書き込み可)と数字的にはそれほど違いはありませんが、実際に4GB超のデータを書き込むと、終了時間に2分近く違ってきました。
不良の山を築きなが悶々とするより、さっさと終了させることができたのは喜ばしいですが、やっぱり思わぬ出費はちょっと・・・ね。(汗)
結局原因は、そのDVR-A08-Jが昨年暮頃までは元気だったものの、今年になって”へたれ”になってしまっていたということでした。
Posted at 2008/03/27 00:34:08 | コメント(8) | トラックバック(0) | PC | 日記
2007年10月22日 イイね!

DTM(初音ミク)

2007年11月号の『DTMマガジン』には、『初音ミク』というバーチャルアイドルのキャラクターが設定されたヤマハの開発した歌声合成エンジン『VOCALOID 2』の体験版が付属していました。
DTM(Desktop Music)とは、PCと電子楽器で音楽を演奏または音楽制作行為です。

初音ミク(Wikipedia)

先ずはこれでだいぶ洗脳された人も多いかと思います。
1st Live 「Packaged」

歌詞がなかなかステキです。

私はこの分野とは全く関係をしないのですが、色々と面白いのがあるんですね。

アンインストール
今年の春から放送していた「ぼくらの」の主題歌歌声替版ですが、いい感じです。
風の谷のナウシカ
本家の”安田成美”よりこっちの方が良いかも・・・。
(おまけ)

※1984年の新宿住友ビルで行われた一般公開初イベントでテーマソングを歌うデビューしたての安田成美。(所有画像)


アニメ系以外でも、いろいろと徘徊するとあるわあるわで、番組主題歌からポップス、童謡や海外の歌まで何でもござれの状態です。
水戸黄門
さくらんぼ
ヤマダ電機CM
通りゃんせ
中華人民共和國國歌
六甲おろし
般若心経




で、こんなのも見つけましたよ。(汗)
『豪石!超神ネイガー』の主題歌。
秋田県の誇る偉大なローカールヒーロー、武器は「ブリコガンキリタンソード」。

初音ミク 超神ネイガーを歌う

※ちなみに、オリジナルはコチラ

このDTMマガジン11月号を発売日に買おうかと思っていたが結局買わなかった。
やっぱりこの分野は専門外です。
Posted at 2007/10/22 18:48:18 | コメント(9) | トラックバック(0) | PC | パソコン/インターネット

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「【加計学園問題の国会参考人招致】青山氏の本質をつく質疑はおろか、加戸前愛媛県知事の四国、ひいては日本を憂う熱い発言を一切無視するTV報道は、正に『報道しない自由』で国民を印象操作するマスゴミの典型である。」
何シテル?   07/11 14:06
2005年6月からALFA GT 3.2V6に乗り換えました。 日本全国徘徊中~。 目標、全都道府県制覇!!
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