【6月1日(月)】
午前4時に起床。
夏至に近いこの時期の北海道の日の出は3時台と早い。
既に窓の外は明るく、TVで天気予報を確認しながら5時に宿を出発した。
先ずはぬかびら(糠平)温泉郷内にある“糠平温泉文化ホール”へ向かう。
目的は、「
NPO ひがし大雪自然ガイドセンター」が主催する“早朝タウシュベツ川橋梁見学ツアー”に参加するためだ。
現在、タウシュベツ川橋梁へ通じる糠平三股林道は許可を得た車以外は車での通行が禁止されているため、費用(大人:¥3,150)が発生してしまうがガイドを伴っての見学ツアーに参加することにした。
見学ツアーの出発場所が糠平温泉文化ホールで、早朝のツアーは5:30に出発して7:15頃に戻るというもの。
この日の早朝見学ツアーは参加者9名で、ワンボックスカー2台にてタウシュベツ川橋梁へ出発した。
IMG_4940 posted by
(C)maiko
糠平三股林道
IMG_4944 posted by
(C)maiko
タウシュベツ川橋梁の200mくらい手前に駐車スペースがあり、そこから徒歩で向かう。
多少ぬかるんだ地面を進むと、タウシュベツ川橋梁が見えてきた。
糠平湖の湖水が溜まり始めているものの、まだ橋脚には達していないため全体を見渡すことができる。
IMG_4949 posted by
(C)maiko
タウシュベツ川橋梁は旧国鉄士幌線(1987年(昭和62年)全線廃線)のコンクリートアーチ橋で、1955年(昭和30年)に発電用に糠平ダムが建設さることで橋梁付近が人造ダム湖の糠平湖に水没することから、糠平湖を避けるように新線が引かれて橋梁のみが取り残されることになった。
糠平湖は季節や発電によって水位が大きく変化するため、タウシュベツ川橋梁は概ね1月頃から凍結した湖面に姿を現し、水位が上昇する6月頃から沈み始めて8-10月頃には湖底に沈み、その年の気象状況によっても水没して見えなかったり全体が見渡せたりと同じ時期でも全く異なる姿を見せる。
橋梁は常に乾燥、水没、凍結・融解を繰り返すことでコンクリートへのダメージが強く、崩壊の危機が進んでおり、北海道遺産にも登録されているがその立地の悪さから保存措置の対象外とされている。
現状は在るがままに任せて朽ちていく姿を見守るしかない状態で、この先10年持つか持たないかとも云われているようだ。
多くの人に存在が知られるキッカケは、JRの企画きっぷ『フルムーンパス』の2007年のポスターに採用されたことによる。
そのため、多くの観光客が訪れることとなり、国道273号から入るダートの糠平三股林道で約4kmを進まなくては辿り着けないところに、ガイドの話では最も多かった時には一日で500台以上が訪れるような日もあった。
林道が砂利道ということで離合時の接触事故や脱輪・転落事故が多発し、事故処理のために30km離れた上士幌町からも警察の駐在員が一日で複数回呼ばれたこともあった。
時には事故処理を終えての帰路の途中で再び呼ばれるというようなこともあったという。
そのため、2年後の2009年から林道入口にゲートが設けられ自由に出入りすることができなくなった。
なお、徒歩で糠平三股林道を通行することは可能だが、付近はヒグマの生息地であり姿を見かけた事例もあることから『熊よけの鈴』を装備するなどのヒグマ対策が必要で、ガイドも「私だったら林道を歩くことはしません」と言っていた。
糠平三股林道のゲートの鍵は、十勝西部森林管理署(東大雪支署)に許可申請すれば借りることができ、返却までは一週間余裕があるようだ。
※糠平三股林道(タウシュベツ橋梁方面)の通行を希望される方へ→
こちら
ここしばらく水量が増加していないため、橋の上流側で草原化し始めている。
昨年はかなり草原化したという。
IMG_4956 posted by
(C)maiko
湖水が橋脚に達するまでは、タウシュベツ川の流れの中央から全体を見渡せる。
IMG_4971 posted by
(C)maiko
この崩壊部分は2003年の北海道十勝沖地震によるもので、橋の構造が良く分かる。
鉄筋コンクリート枠の内部に割石を詰めた、現代でも法枠工法で用いられる工法で作られたもので、安価で早く建設することが利点だ。
しかし、外側のコンクリート枠が崩れた場合には内部の割石が崩れて容易に崩壊する欠点もあり、この弱点によって橋の崩壊は時間の問題となっている。
IMG_4973 posted by
(C)maiko
IMG_4979 posted by
(C)maiko
日々削られているのであろう外面だが、アーチの内側には当時のきれいな面も残っている。
IMG_4981 posted by
(C)maiko
IMG_4984 posted by
(C)maiko
IMG_4975 posted by
(C)maiko
IMG_4989 posted by
(C)maiko
危険なため、橋の上に立ち入ることは禁止されてる。
IMG_5008 posted by
(C)maiko
湖底には切り株が残っており、かつては森であったことがうかがえる。
IMG_5009 posted by
(C)maiko
見学ツアーは予定通りの時間に終了し、7:30に糠平温泉文化ホールを出発。
国道273号(糠平国道)を層雲峡方向に進むと見えてくるのが、国道273号を代表する景観の「松見大橋」だ。
一つ先にある緑深橋からの撮影ポインが定番過ぎるが、撮影ポインが少ないから仕方あるまい。
IMG_5022 posted by
(C)maiko
緑深橋から少し走れば三国峠休憩所だ。
ここは標高1,139mと、北海道の国道で一番標高の高い峠で、ニペソツ山~クマネシリ岳など東大雪山系が眺望できる。
(左側の山:ウペペサンケ山、右側の山:ニペソツ山)
IMG_5034 posted by
(C)maiko
大雪湖に流れる石狩川の橋から見る、大雪連峰の小白雲岳、小泉岳、東岳が素晴らしい。
IMG_5043 posted by
(C)maiko
層雲峡に近づくにつれ、溶結凝灰岩が石狩川によって浸食されてできた柱状節理の断崖が目に付くようになる。
見所は「流星の滝」と「銀河の滝」の2本の滝だろう。
銀河の滝がある駐車スペースはバス専用となっているが、観光バス1台のみだったため撮影の際に邪魔になることは無かった。
観光バスの客からは不思議に見られたかもしれない。
IMG_5054 posted by
(C)maiko
※銀河の滝
IMG_5059 posted by
(C)maiko
※流星の滝
時刻は9時を過ぎ、そろそろ何か朝食にと層雲峡にあるセコマに寄ろうとしたが見つからない。
開いているような閉まっているような小さな店舗のセブンイレブンはあったが、北海道に来てまでセブンイレンブンに入る気はしないことから先へ進むことにした。
大雪山系の北に位置する「大雪アンガス牧場」に向かう。
森を抜けて草原地帯に入ると、逆光であること以外は素晴らしいロケーションだった。
IMG_5069 posted by
(C)maiko
牧場を一周する道があるが、舗装路はすぐにも終わりダートとなる。
IMG_5080 posted by
(C)maiko
牧場の一番奥に来ると、何やら構築物があった。
それは、渡辺謙主演の映画「
許されざる者」のロケ場所でありセットの一部が残されていた。
1992年に公開された西部劇映画『許されざる者』(クリント・イーストウッド監督・主演)の日本版リメイク作品だという。
周囲は踏み跡などは無く荒れていないことから、ここを訪れる人はほとんどいないのではないかと思う。
IMG_5095 posted by
(C)maiko
IMG_5094 posted by
(C)maiko
ちなみに、中央の一番高く見える山は標高2,112mの愛別岳で、右側のやや低いのが標高2,290m
の旭岳となる。
IMG_5100 posted by
(C)maiko
IMG_5108 posted by
(C)maiko
牧場内には「
大雪高原旭ヶ丘」というガーデン&レストランが有り、駐車場からの眺望も良い。
この大雪アンガス牧場は、場内のどこを走っても眺望を遮るこがなく、車との撮影には非常にもってこいの地でだと思う。
ただし、山々を背景にすると常に逆光気味になってしまうため、時間帯を選ぶ必要があるだろう。
IMG_5116 posted by
(C)maiko

※拡大可
大雪アンガス牧場を後に、一気に上富良野町へ向かった。
途中、旭川空港西側の西神楽5線の道は気持ちが良く、南の富良野岳から北の大雪山までの連山を常に正面に捉えながらの直線道路を走ることができる。
IMG_5120 posted by
(C)maiko
上富良野町から道道291号で十勝岳を目指す。
道道291号の終点近くから伸びる道道966号に入れば十勝岳も間近い。
十勝岳の登山口になる望岳台にあるレストハウスで何か食べられるハズだ。
IMG_5131 posted by
(C)maiko
しかし、望岳台に着いてみるとレストハウスは閉まっている。
というか、正面入り口はベニヤ板で打ち付けてあって営業していた様子が全く感じられない。
もちろん冬季は営業しないが、5月中旬から営業を開始しているらしいのだが…。
とりあえず外の自動販売機は動いているようなので、清涼飲料水でカロリーをしのぐこととなった。
その代わりといってはなんだ、十勝岳がクッキリと見えていた。
IMG_5157 posted by
(C)maiko
IMG_5143 posted by
(C)maiko
13時、望岳台を背にした。
IMG_5163 posted by
(C)maiko

※拡大可
(その2 後半に続く…)