
個人的な見解では、EV化は略100%と考えているが、
それが何時になるかはバッテリーの進化次第だと何十年も前から思っている。
そこで、注目の全個体電池の現在地を確認して、どのタイミングで大きなEV化の波が来るのか予想して見る。
世界の全固体電池の開発状況(2025年6月時点)
企業/機関
国
開発状況
実用化目標
特徴・課題
24M Technologies
米国
半固体電池(SemiSolid™)を商用化済み。全固体電池の次世代技術(Eternalyte™)を2024年に発表。エネルギー密度400Wh/kg以上、コスト50%削減を目指す。京セラ、日産と提携。
2026~2028年
独自の電極製造技術で低コスト・高安全性。固体電解質の安定性と量産スケーラビリティが課題。
VarEVolt (RML Group)
英国
超高出力密度の全固体電池を開発。2025年6月に量産認証取得。Czinger 21Cハイパーカーで18秒フル充電を実現。
2025年以降
超高速充電(18秒)と高出力密度。ハイパーカー向け。量産コストと一般EVへの適用が課題。
QuantumScape
米国
フォルクスワーゲンと提携。2024年に24層A0試作セルを公開。エネルギー密度400~500Wh/kg、15分で80%充電、1000サイクル以上。PowerCoと量産契約。
2024年末~2025年
高エネルギー密度(800km航続距離)、セラミックセパレータ。連続製造とコスト削減が課題。
Solid Power
米国
Ford、BMW、SK Onと提携。硫化物系全固体電池の試作機を2023年に製造開始。2024年にDOE資金5000万ドル獲得。エネルギー密度390Wh/kg、航続距離600km以上。
2026年以降
高安全性とエネルギー密度。硫化物電解質のスケーラビリティと製造コストが課題。
Factorial Energy
米国
Mercedes-Benz、Stellantis、現代自動車と提携。2024年にエネルギー密度375Wh/kgの試作機をEQSで路上試験。FEST技術採用。
2026年(実証車両)~2028年
高エネルギー密度と安全性。LG ChemとMOU。電解質安定性と量量産スケジュールが課題。
Ion Storage Systems
米国
メリーランド大学発。セラミック系全固体電池を開発。2024年にARPA-E資金でスケールアップ。高温耐性(80℃以上)。
2027~2030年
軍事・航空用途向け耐久性。量産化とコスト削減が課題。
SES AI
米国
GM、ホンダと提携。リチウム金属アノードのハイブリッド全固体電池を開発。2024年にエネルギー密度400Wh/kgの試作機公開。
2028年
AI活用の材料開発。デンドライト問題と量産化技術が課題。
Microvast
米国
2025年に全固体電池技術のブレークスルー発表(Smart Energy Week)。高性能・急速充電電池を開発中。
2027~2030年
EV・再生可能エネルギー向け。詳細未公開。量産化とコスト競争力が課題。
BrightVolt
米国
薄型・フレキシブルな固体リチウムポリマー電池を開発。1500万個の非充電式電池販売済み。充電式電池開発中。
2025年以降
消費者向け電子機器・Eモビリティ向け。エネルギー密度向上が課題。
Nissan
日本
横浜工場で2024年にパイロット生産ライン公開。2025年3月稼働開始。エネルギー密度1000Wh/L、5分で65%充電、コスト75$/kWh(2028年)。NASAとAI活用。
2028年度(2029年3月)
急速充電、高温耐性(100℃)。デンドライト抑制と量産化技術が課題。
Toyota
日本
硫化物系全固体電池を開発。2023年に出光興産とパイロットライン公開。航続距離2倍、10分で80%充電。
2027~2028年
高エネルギー密度と急速充電。量産化技術とコスト削減が課題。
Honda
日本
2024年に栃木県で試験生産ライン公開。布製バッファ層でデンドライト抑制。航続距離2.5倍、コスト4割削減。
2028~2030年
安全性と信頼性重視。JAXAと宇宙試験。量産スケジュールが課題。
Hitachi Zosen
日本
硫化物系全固体電池を開発。機械的加圧不要、容量維持率96%(400サイクル)。
2025年以降
宇宙用途(AS-LiB®)で実績。自動車・産業機器向け量産化が課題。
Nippon Electric Glass
日本
2023年にオール結晶化ガラス全固体ナトリウムイオン電池を発表。
不明
ナトリウム使用で資源枯渇リスク低減。量産化未定。
CATL
中国
エネルギー密度500Wh/kgの全固体電池を開発。2024年に試作用小規模生産開始。
2027~2030年
世界最大の電池メーカー。量産投資で先行。充電速度とサイクル寿命が課題。
BYD
中国
全固体電池の車両試験を2027年に計画。液系電池でシェア拡大中。
2027年
コスト競争力重視。技術詳細未公開。
NIO
中国
150kWh半固体電池を2024年にET7に搭載(航続距離1044km)。全固体電池開発中。
不明
半固体電池で実績。全固体電池の詳細未公開。
Samsung SDI
韓国
800km走行、1000サイクル以上の全固体電池を開発。
2027年以降
高性能電池を開発済み。量産化技術の確立が必要。
世界中の全個体電池の開発状況から、2027年から全個体電池の生産が活発になって行く可能性は高いとみられる。特に中国勢はコスト競争力と言う点を重視していて、単に高性能なだけなら爆発的に販売を伸ばす事は出来ないが、低価格で高性能な物が量産される可能性も有る。
2027年から全個体電池での市場競争が始まりに、2030年頃に覇権争いが決まって行くと思うので、EVが市場の殆どを占めるのはその頃だと思う。
豊田佐吉さんが夢見た大変洋を横断出来る電池が出来たら、
車は勿論ですが飛行機も船も電動化があっと言う間に進みます。
2030年には、AIの知力が圧倒的に人間を凌駕し、
人型ロボットは、AIと高性能電池で大きく進化します。
そんな未来が後5年なんて、楽しみでも有り恐ろしい。