
ステップワゴン スパーダ、ついに納車されました。
初試乗が9月11日で、購入を決めるまで2週間。納車まで1ヶ月と10日ちょいという超スピード婚?(笑)でした。
↓初めての試乗もG-EXでした。
ガソリンエンジンとハイブリッドの違い
先に終売が来てしまうということだったのでガソリンエンジン(1.5ターボ)とも乗り比べしましたが、同じスパーダでも最終型のG-EXとガソリンでは乗り味がまったく異なっていて、正直同じクルマとは思えない感じがしました。
まずMT乗りの我々夫婦にはCVT特有の「唸り」がどうしても納得できませんでした。効率が良いところを使って頑張って走ってくれるのですが、室内にエンジン音がガンガンに入ってくるので気持ちが悪い。そして足回りの味付けも全然違っていて、G-EXは超マイルドでガソリンはきびきびといった感じ。カングーのネコ脚に慣れている我々にとっては後者は嫌いだったNV200の足回りを彷彿とさせるもので、子供たちにもめちゃくちゃ不評で、ソッコーで候補から外れました。
ただ、それがダメだとは思っておらず、これは好みの問題だとどこかの記事にも書いてありましたが、本当にそのとおりだと思います。
納車とシェイクダウン
ということで契約と準備は順調に進み、10月23日に納車となりました。ホンダカーズ静岡 柿田川店の皆様ありがとうございました。
親より子どもたちのほうが大興奮で、バカみたいにわくわくゲートから出たり入ったりを繰り返していましたww
スパークルブラックパール x ブラックスタイルの実車は見たことがなかったんですが、想像以上にワルそうな感じが最高に気に入りました。
早速、ドライブってことでご近所の芦ノ湖までシェイクダウン!です。
家族でスワンボートに乗ったりといったアクティビティも楽しみつつも、オーナーとしてはインプレッションネタを集めたく色々試してました。
エンジンについて
ホンダのハイブリッドシステムである「e:HEV」は、発電用のモーターと動力用のモーターが2つあり、動力用のモーターは駆動軸と直結、発電用のモーターはエンジンの出力軸と直結されている構造になっています。しかもこの2つのモーター自身は直列で並んでいて、すべての動作がシームレスにつながるように設計されているそうです。
https://www.honda.co.jp/tech/auto/powertrains/ehev.html
またこのe:HEVは基本的にはモーターで動く「EVモード」が軸に設定されていて、EV駆動中にバッテリーが足りなくなるとエンジンで充電するシリーズハイブリッドに近い「ハイブリッドモード」に切り替わります。しかし高速道路で馬力が必要な時や加速車線でダッシュが必要な時などにはエンジンからの出力をそのまま動力軸につなげる「エンジン走行モード」に切り替わります。
ガソリンの出力は145 PS / 175 Nm、モーターは184 PS / 315 Nmもあります。

参照:https://www.honda.co.jp/stories/010/images/03.jpg
この構造上の特徴はエンジン特性にそのままダイレクトに表現されていて、実際に運転してみるとEV/ハイブリッド/エンジンのモードに切り替わったことがほとんど分からないほどシームレスです。
色んな人がYouTubeなどでレビューしてますが、1.8トンもある車重をものともしないほどパワフルで、箱根への上り坂や現地でのワインディングでもまったく重さを感じない加速を見せてくれました。RP系ステップワゴンは高速道路におけるツーリング性能が評価されていますが、こういったワインディングロードでの性能も私は評価したいと思います。
足回りについて
ステップワゴン スパーダ ハイブリッド G-EXグレードは、重くなった車重による乗り味の変化を抑えるために、足回りはガソリン車とは別に専用チューニングが施され、足回りの取り付け構造部同士をダンパー付きのロッドでつないでボディ全体の歪みをなくしねじれを緩やかにする「パフォーマンスダンパー」というものが取り付けられています。
https://www.honda.co.jp/STEPWGN/webcatalog/performance/driving/

パフォーマンスダンパーにはYAMAHA製のものが採用されているようです。
https://www.yamaha-motor.co.jp/pd/about/
この足回りが本当によく出来ていて、先に「ガソリン車とは別物」と書いた乗り味の差はまさにこの2つにより実現されているといって間違いありません。カングーのネコ脚は、足回り取付部の高い剛性に柔らかいスプリングと減衰力の高いショックで実現されているのですが、それを違う方法で実現したような印象です。確かにホンダの足回りの特徴である、ショックのバンプ側とリバンプ側の減衰力特性が一般的なクルマとは逆転しているというチューニングによって、細かいギャップを低速で乗り越えると振動を拾いやすいという特徴はやや残っていますが、そもそももスプリングレートを下げて乗り心地を高めていることに加え、サスペンションの専用チューニングとパフォーマンスダンパーによって見事にその特徴を抑え込むことに成功しています。
これは旧来のホンダファンからすれば「ホンダらしくない足回り」に感じられてしまうほど差があると思います。なぜそう言い切れるか?というと、近親者や友人が過去にホンダ車に乗っていたことがあり、そのクルマに乗せてもらった経験があったことに加え、直前で代車にフィットを出してもらい「元祖・ホンダの足回りセッティング」をあらためて認識したことにあります。
実は私がホンダのクルマを乗り換えの選択肢から外していた最大の理由はここにあったのですが、試乗できたクルマがG-EXでなかったらステップワゴンも選択肢に残れなかったと思うと、めぐり合わせみたいなのを感じずにはいられません。
いずれにしても、とにかく静かで乗り心地が良いことだけは間違いありません。
ハンドリングについて
フラットロードでレーンチェンジをしたときに、ロールセンターが低いからなのかそれとも足回りのセッティングなのか、まるで水平移動したかのようにスッと動くのは感動してしまいました。
ステアリングについては軽すぎるということはないですが、ロードインフォメーションのフィードバックはやや弱め。そして遊びが若干多めにとってある印象。これはもしかするとACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の仕様上の制限なのかもしれませんが、個人的にはもう少し重めかつタイトなほうが好み。
ノア/ヴォクシーやフォレスターくらいリニアだとありがたいんですが、どうしても受け入れられないというほどではないのでもう少し様子見してみたいところです。
あと根本的な特性として押さえておかないと危なさそうなのが
「かなりのアンダーステア」である点です。
元々ツアラー特性が強いステップワゴンは直進安定性はバカみたいに高いのですが、前に書いた通り車重が1.8トンあることや、特にハイブリッドの場合モーターを含む動力源の重さ電池などがフロントシート下にあることなどからかなりのフロントヘビーであり、かつステアリングの遊びが多いことで思ったような旋回ラインを描いてくれません。ここは「ハンドリングマシン」と言われたカングーと明確にキャラクターの差が出る部分で、以前同じルート(三島側から箱根の頂上までの国道1号上り)をカングーでかなりのハイペースで走ったときに、その素晴らしいコーナリング能力に感動すらしたのですが、それとは真逆の印象です。
カングーの柔らかい足回りできれいにノーズダイブさせロールを使いながらタイヤの全面を食いつかせるように曲がっていくのに比べると、ステップワゴンは深いステアの当て込みをする前にブレーキングをしてもノーズダイブを体感できる感じがなく、またそこからステアを切っていっても車の向きが変わるのがワンテンポ遅れる印象です。とはいえ、そもそもステップワゴンとカングーではホイールベースで19cm、最小旋回半径で30cmもステップワゴンのほうが大きいので、ステアフィールに差が出るのは当然かもしれません。ここはカングーがワゴンとしてはかなり特殊で飛び抜けたコーナリングフィールを持っていると言える部分なのでしょう。
さいごに
今回は、納車初日で70kmほど走ってみた走行インプレッションだけ書いてみました。
フィールの差はあれど買い換えを後悔するような点はまったく見つかりませんでしし、むしろステップワゴンが持つたくさんの特徴の強さのほうが際立っており、走行性能については不満はほぼありませんでした。あとは凄いと噂の高速クルージング性能については体験したら追記したいと思います。
インテリアとか装備とかのステップワゴン独特な特徴についてはまた別の機会に。
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ステップワゴン | クルマ
Posted at
2021/10/24 17:48:50