| 目的 |
修理・故障・メンテナンス |
| 作業 |
DIY |
| 難易度 |
 初級 |
| 作業時間 |
3時間以内 |
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最近、下回りのボルト脱着をした一環でトルクレンチの誤差を補正してみました。
このようなデジタルトルクメーターなるものがYouTubeなどで紹介されていて結構使えるとのことでした。早速、アマゾンで購入しました。
ブランドはGOYOJOで精度は2%、4~135N・m(0.1N単位)まで測れるものです。
補正するトルクレンチはトーニチ(東日製作所)製の古い1400QL(kgf・cm単位系)です。25年ぐらい前のものです。
以前測定したときは10パーセント程度オーバートルクになっていました。
100N・mなどの高トルクを測定するために二面幅19mm以上のボルトなどが固定された測定場所が必要です。しかし、そのような場所が自宅には無いのでホイールナットで測定することになりました。
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早速、分解していきます。このスプリングピンを外すとトルク調整部分が分解できます。
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分解できる部品を洗浄、グリスアップをしながらトルク調整していきます。
トルクをコントロールしてクリック感を出す前半部分は分解できませんでした。
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トーニチのWebサイトにトルク機器の日常点検、調整方法も載っており流石プロ用トルクレンチメーカーで信頼できます。
調整方法は0点補正(図のC部)とゲイン調整(α部)となり、このグラフのような概念になります。
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1.0点補正のやり方
目盛上で下限トルクをセットして実測トルクを測り、その時のずれ値分を補正します。
①レンチの後端のトルクセット用のダイアルリングを差し替える(ずらす)
②ダイアルリングを差し替えると目盛りがずれるため、これを直すために、このメモリ表示板を微妙に動かす
以上の2点です。
最近のトーニチ製品のメモリ表示板のズレの修正は調整シムなるワッシャーをバネの先端に入れて行いますので、このような安易な方法は使えないようです。
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2.ゲイン調整
補正ねじで行います。ここには「テスターがない限り触れるな」とシールが貼ってあります(写真の6角レンチを挿入している付近)ので剥がします。
今回は最大トルク時において設定値より測定値の方が10%ほど高い結果でした。このため2mmの6角レンチで補正ねじを右(時計回り方向)に1/4回転(90度)回して適正値に追い込みました。
測定値が低い場合は左に回して調整します。
■補正ねじを無暗にまわすと収拾がつかなくなりますので要注意です。必ず0点補正をした後にゲイン調整をします。
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その結果、調整前から比べて格段に数値が良くなりました。
1kgf.m=9.81N.m、
1N.m=0.102kgf.m
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さらにワールドインポートツールズさん(横浜市都筑区)にてトーニチ製トルク測定機をお借りして本当に調整できているか確認しました。
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その結果、測定値に大きな差は無かったので、この安価なデジタルトルクメーターの値も信ぴょう性が高いことが分かりました。
以上でトルクレンチの補正は完了です。このトルクレンチはまだ現役としてトランクに積んでおきます。
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このデジタルトルクメーターをつかうとボルト、ナットの取付位置が狭く使用出来ない箇所以外は一般のレンチがトルクレンチの代用になり便利だと思います。
シビアな精度を要求されない個人整備では良いと思いました。
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