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イイね!
2017年01月05日

基板が焼けても直せます!

基板が焼けても直せます! 三菱案件~!
初代ランエボのECUです。





電解コンデンサが激しく発火した基板では、その素材であるFRPが深部まで炭化してしまいます。
その炭化物が導電性を持っているため、もしもそこに無理やり回路を再構成するとショートを起こし、
再度発火してしまう原因となります。
特にこのような両面基板では表側と裏側とを繋ぐ配線がその内部を行き来しているので、
カーボンにスルーホールを埋め込むようなことはナンセンスです。

弊事業所ではこのようなものでも修理可能です!
この例では、炭化した部分を全て削り取り、別の基板を継ぎ足すことで修復しています。
継ぎ足す小片はパターンまで含めてモデリングマシンで作っても良いのですが、
そこは手間数や時間との兼ね合いで、フリーハンドによる作業を施しています。











電解コンデンサについては、発火まではいかなくとも液漏れは多く見られる事例で、
修理においてはこれへの対処が主な作業となります。
電解コンデンサはその構造上、他の電子部品に比べて寿命が短く、
各種特性の劣化や液漏れによる回路基板の腐蝕などがしばしば発生することは
よく知られた問題です。

その中でも、1988年から2000年にかけて各メーカで製造された電解コンデンサは、
内部の電解液に「第四級アンモニウム塩」と呼ばれる物質が使用されているため、
特に液漏れによる問題を生じやすいものとなっています。

弊事業所では昨年の春からこれまでにおよそ200件のECUの修理を手掛けましたが、
まさに上記の時代のECUは、電子制御の黎明期ともいえる1980年代前半のものと比べて
明らかに新しい時代のものであるにも関わらず、
電解コンデンサの液漏れによるトラブル事例が圧倒的に多く見受けられます。

そのようなわけで、トヨタでいえばハチロクや我らがセリカXXなどのECUでは、
立派に古いにも関わらず液漏れの事例を見たことがありません。
その一方で、MR2(SW20)、スープラ(JZA70/80)、マークII(JZX90/100)三兄弟あたりは
お漏らしで大変なことになっています。
ハイエース(KZH100G)もヤバいです。微細な信号線の密集した箇所が腐ります。
その他クラウンやセンチュリーなど高級車であっても、該当の年式のものは例に漏れません。
液は漏れていますが。

クラウン(JZS130)





ホンダではビート、シビック(EG6)、三菱ではGTO、ランエボ(CD9A)あたりがド定番です。
日産は不思議なもので、該当する年式のものでも液漏れの事例をあまり見かけません。

どの自動車メーカのECUでも、電解コンデンサのメーカは日本ケミコン、ニチコン、
松下が主流で、たまにルビコンやマルコンを見かけるくらいです。
電解コンデンサの潜在的な良否はあくまで年式の違いであって、
そのメーカによる違いというわけではなさそうなのですが...。

自動車メーカでもコンデンサメーカでもなくECUのメーカに着目すると、
トヨタはデンソー、ホンダは電子技研、三菱は三菱電機、日産は日立です。
日立が電解コンデンサに負荷をかけないような回路設計が上手い、ということなのでしょうか?

マツダやスバルも予防整備程度に過去に数件お受けしたくらいで、液漏れはありませんでした。
スズキは割と頻繁に手掛けますが、電解コンデンサの液漏れに関して言えばやはり例がありません。
該当年式のECUのメーカについては、スバルはユニシアジェックス、
マツダとスズキはトヨタと同じデンソーなのですよね...。
謎が謎を呼ぶ!

...謎の話ではなく!
余所で見放されたような修理案件でも、ぜひ一度弊事業所にご相談ください。
国内では簡単に手に入らない半導体部品の取り寄せにもご対応可能です。
もっとも、ソフトウェアのトラブルや、ハードウェアでも
最近の日立製ECUのようなものではご対応不可となってしまいますが、
ネオヒストリックカー世代のものならお任せください(≧ω≦)


※最近の日立製ECU

スズキ ジムニー(JB23W)



フィアット グランデプント



関連情報URL : http://www.sonobe-kiden.jp/
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Posted at 2017/01/05 20:36:08

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この記事へのコメント

2017年1月5日 22:22
凄い!
こんなになっても直してしまうんですか・・・・・
そこまでやる業者さん聞いたことないですね~

それにしでもネオクラシックカーは危ないんですね!

最近の基盤は小さくて難しそうですね~
コメントへの返答
2017年1月5日 23:15
ありがとうございます!
電子屋である前に機械屋ですから、手先の器用さには自信があります(≧ω≦)

実のところ、こんな派手な焼け方をするのは往々にして12Vの電源系統でして、細かな信号が行き来する箇所と違って配線が単純だったりしますので...。

さらに言えば、他の個体を手掛けた経験から過去の写真資料などが揃っていますので、元の配線状態が推測しやすいというのがタネ明かしです(笑)

最近のものはコーティングからして異様です!
ケースも構造上、切断して開ける始末ですが、開けてもできることは無いのです(・ω・;)
細かい部品のハンダづけは得意なほうですが、部品に刻印が無いと詳細不明なので、交換のしようがなく...(゚ω゚;)

電解コンデンサに関して言えば、趣味のクルマが一番華やかだった時代が一番危ないです。。。
私たちの60系は安心ですが(笑)
2017年1月5日 22:25
なるへそ、なるへそ^_^
ところでビットコインでの支払いには対応していただけるのでしょうか!
コメントへの返答
2017年1月6日 0:25
もはやセリカxxさんの芸風だと思っておりますが、非対応です(笑)

XXはこんな風に焼けませんから大丈夫ですよ!(笑)

...って、JZX90の1JZに乗せ換えていらっしゃいましたね(゚ω゚;)
お支払いは日本円もしくは物々交換となっております(≧ω≦)
2017年1月5日 22:29
ECUゴッドハンドとしか言えませんね!  すごいや。

セリカXXはまだ安心できる部類なのですね・・・

なにか電気で困ったら相談に行きます。(笑)
コメントへの返答
2017年1月5日 23:13
毎度のことですが私は私で、自由曲面や塗料を自在に操る、ねこはちGTさんのような模型のスペシャリストこそゴッドハンドだと思っております(゚ω゚;)

電解コンデンサの年式に関しては、セリカXXは安心です!
このクルマが一層好きになりますね(笑)
2017年1月5日 23:05
お疲れ様です~。
ハイエース(KZH100G)への警告、ありがとうございました(^^;
予防整備すべきか、どうすべきか・・・個体差もありそうですが。
同僚のクルマですが、似たような年式のエスティマルシーダが昨年ECU故障で廃車になりました。。。やはりこれくらいの年式にはリスクがあるんでしょうかね~。勉強になりました。
コメントへの返答
2017年1月5日 23:32
ありがとうございます!
以前にこのブログでお話しした、XXの電解コンデンサに液漏れが見られない理由は上記のことによるものでした。

KZH100GのECUはこれまでに2種類ずつ4
台を手掛けましたが、 ECU純正品番89661-26170のほうが修理はしやすいです。
これが89661-26400となると、正方形の各辺に11本ずつ、計44本ものピンを持つICの直下に電解液が流れ込み、それはそれはやっかいなことになります...。

数十円の部品で数百万円のクルマがゴミになるなんて、実にもったいない話です!

ご希望でしたらハイエースの修理記録の画像をお送り致しますので、ぜひ予防整備をご用命くださいませ!
2017年1月5日 23:21
明けましておめでとうございます←遅い?(笑)

いやはや凄い事をされるんですね。びっくり。
60XXに関してはECUを飛ばした経験ありです(爆)
新車から11年目。
インジケーターがたまに点灯するようになり、気にしていたら
信号待ちのアイドリングでランプが点灯し、いきなりストップ。
先頭にいたのでえらい目に会いました。
その当時でもディーラーでは1G用のテスターを処分してしまったらしく
原因究明出来ませんでした。
結果はECU丸ごと交換(当時は新品が出ました)で直ったので原因はこれでしょう。

それと気づいたのですがオーディオ関係もいけますか?
アンプやスピーカーでいかれかけているのがあるのですが
自分では直しようがなく、また直してくれるところがありません。
トランジスタ時代の物(70年代半ばから80年代初頭のもの)でノイズやガリに悩まされてます。
スピーカーは過大入力でアッテネータが飛んだみたいですが。
いけるようなら今度ご相談したいです。
オーディオも30~40年使ってますので(笑)
コメントへの返答
2017年1月5日 23:55
開けましておめでとうございます!
私など今回の年末年始は仕事漬けで休みらしい休みはなく、年賀状も書かなくなって久しいので、夏ごろに新年のご挨拶をされても自然に受け入れてしまうことでしょう(笑)

XXのECUの件、貴重な体験をされましたね(゚ω゚;)
電解コンデンサの年式に問題がなくとも、半導体の製造技術や実装(ハンダ付け)技術の信頼性は現在のほうが上のはずなので、たまたま寿命の短いハズレを引いてしまったのか...。
あるいは、ハチロクやXXのECU基板には、以降の年式に見られる防湿コーティング剤が使われていないので、湿気やホコリが悪さをした可能性も考えられます。

オーディオ関係は部品の選定からしてその道の流儀があるようですので、その都度お客様のお好みに合わせてご指示を頂ければ、作業自体は弊事業所でも可能です。
実は完全にその道のプロというのも存在しまして、「滋賀オーディオサービス」で検索してみてください。
そちらと弊事業所、どちらにお任せ頂けるかはもちろんお客様次第です(゚ω゚*)
2017年1月5日 23:43
あけおめですm(__)m

接続図なんか手には入らないんじゃ・・・
と思ったけど、電解さん達は基本的に電源周りだから
多少のトライ&エラーで対応可能なんですな。
面倒そうだけど(^^;

最近のモノは部品の刻印をわざわざ消してたりするんですよね~
部品の素性さえわかっちゃえば、小さいチップ部品でも交換は僕でも可能なんですが(・_・;)

あ、ご存知とはおもいますが
高速信号系統は基本的に手配線不可なんでお気を付け・・・
とはいえ、そんな信号を使った(比較的)最新のユニットは請け負わないですよねw

コメントへの返答
2017年1月6日 0:19
開けましておめでとうございます!

そうなんですよ!所詮は電源系統ですから...!
あとは、別個体で損傷の程度が軽いECU、あるいは車種が違っても似たレイアウトのECUなど、受けた案件の全てを写真に残しておくと、大変重宝する手掛かりになるのです。

チップ部品の問題は本当に素性を知ることの一点に尽きます!
ロットやランクの表示だけでもあれば、マニア向けのウェブサイトから手掛かりを得ることもできるのですが、一切表示の無いものがザラにありますからね!
計測して確かめようにも、それが壊れているのだから手の打ちようがありません(笑)

ノイズの問題があるからこそ、電解コンデンサが使われているような電源系統と、高周波信号を扱う系統とはそもそも距離を離してレイアウトされているようです。
その特性上、高周波信号に対して電解コンデンサを使うこともないようですし...。

レイアウトに関する余談ですが、液漏れ世代の電解コンデンサが現役だった頃には、苦肉の腐蝕対策として、電解コンデンサの足の間のスペースを利用してパターンを配置してはいけないという設計ルールすらあったとか無かったとか(・ω・;)

電解コンデンサなんて新品でも静電容量の許容差が±20%、ガバガバで良い場所にガバガバな部品が使われているので、手配線でもオーライなのです(≧ω≦)
2017年1月6日 11:34
職業にされている方には失礼かもしれませんが、いやはや、すばらしい技能ですね。

部品を熱で壊さないか心配で、まともにハンダ付けができない者にとっては羨望の技です。

電装系で不具合が出たら、ぜひお願いします。
といっても、どの電装品が不具合の元なのかもわからないかもしれませんが…

本年もよろしくお願いいたします。
コメントへの返答
2017年4月14日 3:30
お返事が大変遅くなり恐縮です。
休み無しで働いておりまして、あっというまに春になってしまいました...。

部品を熱破壊させないハンダ付けのコツは、30~40Wのハンダごてに、適度に太い(熱容量がある)こて先を付けて作業することです。
部品が精密だからといって低出力のハンダごてに細いこて先の組み合わせを用いるとハンダがなかなか溶けず、ハンダは溶け広がる前に酸化していき、電子部品も長時間加熱されてダメージを受けてしまいます。

私のお気に入りは、HAKKO REDの40WにgootのR-48BCというこて先の組み合わせです。
私はこの組み合わせを仕事に使っており、何万円もする温度調節タイプのこてなど使いません。
貧乏なだけですが(笑)

こちらこそ宜しくお願い致します。
何かお困り事がございましたらぜひご相談ください!
2017年1月6日 21:05
凄いなぁ~
いろんな仕事があるんだね(^^)v

素晴らしいお仕事だと思います。
これからもスキルアップして、腕を磨いて下さいね~


いざという時頼りにしてます(^^♪
コメントへの返答
2017年4月14日 3:33
お返事が大変遅くなり恐縮です。

いろんなくるまが~あるんだな~
いろんなおしごと~あるん~だ~な~!
って感じですね(≧ω≦)

応援ありがとうございます。
下請けとして継続的に数をこなすのは辞めてしまいましたが、
これで晴れて落ち着いて仕事に取り組めます。

何かお困り事がございましたらぜひご相談ください!

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機械・電子回路の設計製作や修理、金属・樹脂素材の加工などが得意で、そのような趣味を仕事にして生きることに成功しつつあります。 園部機械電子技術研究所 h...
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