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10月下旬、ちょっとだけニュース報道された旭化成エレクトロニクスの工場火災。公式発表によるとアナログ・デジタル混載 LSIの工場が燃えたそうです。

アナログ・デジタル混載LSIとは、音響のDAコンバータとか、電波信号をデジタルデータに変換するようなLSIですね。

旭化成の音響用LSIは音が良いということでAKMブランドとして音響機器に広く使われています。今回はこの工場が火災でストップしたということでAKMのチップが在庫限りらしく、この部品を使用するオーディオ機器の製造も止まりつつあるようです。車関係ではAKMは車載向けに対振動や耐熱対応したオーディオチップも製造しているため、使用しているカーナビやカーオーディオ の入手が難しくなっているようです。

さらに、AKMはETC用のチップも作っています。ここらへんも影響があるようで、チラッとアマゾンを見たらETC車載器はどれも入荷1ヶ月以上待ちですね。

先月下旬の火災でチップ製造がストップした後、今月は在庫分の部品でなんとかやりくりしていたが、そろそろ部品の入手が難しくなってきて、今頃じわじわと影響が広がっていると思われます。


近年の電子機器はLSIメーカーがパッケージしたチップを上手く利用して設計することでコストを抑えています。今更DACを１から回路を組んだらいくらお金がかかるのか分かりませんからね。それよりも高性能なDACのLSIのパッケージを使用した方が良いというわけです。もちろんDAC以降のアナログアンプ回路はオーディオメーカーの技術の差が出ますが。

そんなことで重要部品となるLSIの製造停止の影響が今回きているようです。
LSIは簡単に製造ラインを組めるものではないので、工場を修理するにも他の工場に生産を移すにも数ヶ月かかるでしょう。また、製品メーカーはAKM以外の同様な部品に変更するという方法もありますが、全く同じ機能や性能の他社LSIというのはなかなか無いですし、DACを変更すると音の味が変わってしまうので部品を変えたら設計からやり直しでこれも数ヶ月以上要すると思います。

これからボーナス商戦なのに商品在庫が無いという状況なので、買う方も売る方も厳しい状況ですね。