なんか最近いろんなところで、「いまさらねぇ」と感じることが多くて、かなりネガティブモードに陥っております。
たぶん、この後に続く文章は、そんなマイナーコードになっていくと思うので....
「与党税制改正大綱---ハイブリッド車の重量税など免除」
こんなタイトルのニュースが流れてましたが、与党の魂胆は新車販売台数を増やして景気対策としたいとの模様です。
なおかつ某自動車メーカーのエコ替え宣伝とも合致して具合がよろしい模様。
日本市場で新車が売れなくなってるのは、多少は景気のせいもあるかもしれないけど、今に始まったことでもないです。景気がよかったはずの数年前にも売れてませんでしたよね。
そんなころ言われていたのは、「欲しい車がない」っていうことだったです。
クルマの性能は確実に良くなっていたのに、です。
某欧州系資本に買収された、元民族資本自動車会社が
前時代的な「いまさらな」感じのクルマを開発したのがいつのことだったか忘れましたが(苦笑)、ああいう差別化を図った商品ですら今の日本では一部の消費者にしか関心を持ってもらえないんです。
それは日本市場におけるクルマという商品は所謂コモデティテイ化してしまったということですよね。なので数十万円の減税措置で需要が掘り起こせるようなものではないでしょう。やるなら、まだ景況感の良かった頃にやらないと。で。「いまさらねぇ」と思うわけです。
原油価格が暴落してしまったので、燃油代も下がることが誰でもわかってしまうこの時期にエコ替えっていうのも訴求力ないですし。
一方で、NISSAN GT-Rみたいな超高性能車が持てはやされるのは、新興国や産油国のこれから工業化をすすめようとしている地域だと思うのですが、こちらはさらに激しく景気後退している模様。さらにテロやらデフォルトやらで大変なことに。
本家自動車大国では燃油がすでに1ガロン2ドルを切っているそうで、1リットル50円しないようなので、エコ替えには向く圧力も下がるでしょうし、サブプライムローン以降自動車ローンが組めなくなってるのでさらに新車が売れない模様。
そんなこんなで、いろんなことがうまく噛み合っていないというか、悪い連鎖が始まってると言うか...
いくらなんでもうまく出来すぎというか、悪く逝き過ぎ感があります。
いろいろ考えてたんですが、誰かが仕掛けてるに違いない。
はじまりは金融市場の崩壊
→商品市場への流動性資金流入
→→原油価格・資源相場の暴騰
(二酸化炭素排出規制への世論形成に利用)
→→→実体経済の減速・不況
(新興国からの資金引き上げ)
→→→→資源相場の暴落
(産油国・資源国への資金流入減少)
→→→→→経済構造転換・省資源消費経済へ(産業構造転換)
→→→→→→余剰の流動性資金から二酸化炭素排出権取引市場の形成と資金流入?
陰謀論者ではないのですが、昨今のいろんな流れには何かの圧力を感じます。
この流れでシナリオがうまく出来てます。
リーマン破綻を救済しなかったことで、金融市場のマネーが商品市場に流れました。
結果原油等資源価格が暴騰して、経済減速。
市民生活にまで石油資源高騰が影響して、二酸化炭素排出の社会的コストと石油消費コストのバランス転換。こうなるといわゆるクリーンエネルギーのコストが相対的に安くなるわけで、エネルギー構造の転換を図るための障害がなくなるわけです。
このタイミングで二酸化炭素排出抑制を謳えばすんなり通るわけで、その布石が洞爺湖サミットだったと。
その二酸化炭素排出権取引が欧州主導で胡散臭い感じがしてます。
一律で何割削減とかって言われたら、どう考えたって既に省エネ化されてる日本社会には分が悪い。
公平に考えれば省エネ技術で先行してる日本の産業界は、その技術を売ることで儲かるはずなのに、海外で植林したり産業装置の改良コストを負担したりで、持ち出しになるわけです。
で、そもそも二酸化炭素排出量ってなんで削減しなきゃいけないないの?っていうことなんですが...
BBCで「地球温暖化詐欺」っていう番組が制作されてました。
関心のある方はYouTubeで配信されてますので検索してみてください。
きちんとした字幕がついてるので英語の不得手な方でも大丈夫です。
要点は二酸化炭素濃度上昇は地球温暖化の原因ではないので、これを削減しても今の地球温暖化は止まらないっていうことです。
番組では、二酸化炭素騒動を政治的な動きとしてまとめてました。
アフリカ諸国の取材をして新興国で石油消費をさせない意図があると。
欧州での制作なのでそこまでしか主張できないのかもしれませんが、制作配信してるだけでも立派なものです。
ここまでうだうだ書いてみて自分なりに想像を交えて考えをまとめて、石油消費を抑制することで利益があるのは誰かを考えると...
石油資源が有限であるのは自明なので、これが枯渇して一番困るのは先進諸国です。
それがないとやっていけない社会システムが出来上がってますから。
だから受益者は先進国。
次に二酸化炭素排出権では日本は割りをくってますから、受益者から日本は排除されてます。
逆に米国はブッシュ政権で既に宗旨替えしましたから、産業界はともかく政府としては受益者側の立場に向かってます。
そんなわけで欧州を中心にした誰かの意図が働いて昨今の金融危機から二酸化炭素排出権取引までの騒ぎが仕組まれてると考えられます。
で、これから向かう先はどこかを考えないといけません。
石油消費を抑制して、産油国の発言力を弱める。
地球温暖化を利用して、新興国の成長を抑えて、日本の技術力を収奪。
ようするに欧米の優位を保てるシステム構築を狙ってるということでしょうか。
ただ、これを維持していくには欧米においても産業構造を転換しないといけません。
自動車産業に代表されるような製造業は、先進国ではこれからは主役ではないんでしょう。
IBMがPC部門を中国企業に売却したのはみんな知ってます。
この流れからいけば、ビッグ3のうちいくつかは切り捨てられるか、大胆な整理があるでしょうね。
(ホンダが急にリストラしてるのも産業構造転換を予測してるんでしょう。)
経営学の先生は21世紀は情報とサービスの時代とのたまってます。
あらゆる工業製品はコモディティ化して新興国で安く製造できればいいのでしょう。
でも、この地球温暖化詐欺はいつまでも続きません。
だって、これから地球は小氷期に入ります。
BBCの番組でも太陽黒点と地球気温の相関に触れてましたが、黒点が少ないと地球気温が下がります。
(既に今年は9月に太陽黒点が消滅しています。)
温暖化傾向を数値としてひねり出すのは難しくなっていくでしょう。
みんなが詐欺に気がつく前に、たぶん5年~10年のうちに新しい経済システム確立しないと(欧州にとっては)まずいことになります。
日本は何をするべきなんでしょうか。
みんなが詐欺に気がつく頃には、今の日本の省エネ・ハイテクは二酸化炭素排出権取引を利用されて、海外に流出し優位を保てなくなるでしょう。
社会としては、二酸化炭素排出量削減に過剰なコストを掛けないこと。
二酸化炭素の地層への固定なんて全く無駄です。
その分を適正な投資にまわすべきでしょう。
適正な投資とは...
エネルギー安全保障という意味でも、無理のない範囲での発電施設の整備でしょうか。
原子力は好きじゃないけど火力だけでは当面の言い逃れができないからしょうがない
です。
東芝がWHを買収してくれたのは良かったかも。
資源価格が下がってるので、今ある火力発電施設を潰さないで大事にとっておいてください。
太陽電池パネルは、色素増感型も商品化されてきますし、もっと安くなるでしょうね。
工場は忙しくなるかもしれないけど、儲かるのでしょうか。
製造業は厳しくなるでしょうね。
コモディティ化した商品市場ではプレミアム分野でしか利益が期待できません。
製造の中心は海外へ移っていくので、労働力も余剰になります。
製造と開発を別の国でやれるとは思えないんですが、技術開発拠点くらいは国内に留めておかないと空洞化して廃れてしまいます。
余剰労働力を吸収する産業を創出する必要があります。
情報とサービス...
IBMがサーバー管理企業になったように、トヨタがレンタカー企業とかタクシー会社?既存のディーラーをカーシェアリング拠点にするのはどうでしょう。
どうせ新車は売れなくなりますから、それにこだわるより維持整備、運営で利益を上げることを考えては?
海外からコモディティ商品が入ってくるであろう日本市場で、耐久消費財のリサイクルやリユースのシステムを構築できるでしょうか。
簡単には真似できそうもなく、当面は流出の心配も少ない技術や分野って製造業であるんでしょうか?
ナノテクとか触媒技術とかは有望かもしれませんね。
ケミストリはより精密な方面でないと安いのは全部海外で出来るでしょうから。
食料安全保障(とバイオ燃料産業育成)のために国内の農林水産業への社会投資は必
要ですね。
温暖化はないかもしれないけど寒冷化がおこりそうなので、人口過剰とあわせて地球規模での食糧不足が心配されます。
対応できる農業技術開発と体制が必要です。
バイオ燃料が化石燃料に取って代われるわけではないけども、それで済ませられるも
のはそれで済ませられるようにしないと石油がいずれ無くなっちゃいますから。
減反政策は中止して有効耕地面積を増やしておかないといけません。
バイオ関連で言えば医療でしょうか。
新興国で人口過剰が進みますから、伝染病も大きな問題になってくるでしょう。
アフリカでコレラってニュースもあったような。
細菌テロなんてのも起こるかもしれない。
迅速なワクチン製造技術の確立は急務でしょう。
ダチョウの卵でワクチンをつくる技術に注目してます。
先進国では少子高齢化が進みますが、労働力が減るのは困るので年金生活者の方も元気ならなるべく働いていただきたい。
お年よりも元気でいられるような医療技術開発が必要ですね。
それでも高齢者がいつまでもピンピンしてるわけではないでしょうから、サービス業としての医療分野は重要になってきそうです。雇用機会も供給できるでしょうけども、贅沢になれた日本人に献身的なサービス業に従事できるんでしょうか。
ともかく医療を生活手段として成立するサービス業としての社会システムの構築は必要です。
今の医療関係者は一部の人たちを除いてボランティアのようなもので、生活が大変そうです。
なんだか、いまさなら感じの21世紀初頭予測になってしまいました。
これからの10年~20年くらいはこんな感じなんでしょうか。
産業構造転換にいたるのは既定路線のようです。
年配の方は炭鉱閉鎖の時代を思い出されるのでしょうか。
それよりも若い方には未曾有の時代かもしれません。
新しい時代に入ることで失うものもあるかもしれませんが、きっと得られるものもあることを期待してます。