もしも旅先でオーバーヒートしちゃったら 1(HA4型アクティ)
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
![](/images/icon_difficult_on.svg) 初級 |
作業時間 |
1時間以内 |
1
もしも旅先でオーバーヒートしちゃったらシリーズ、その1。
落札して福岡県で引き取った、HA4型アクティトラック。
(4WD、5速MT、エアコン付き)
なんとなんと、出発してすぐ、10分か15分後には水温計が上がり始めました。
福岡県から東京まで、約1千km。
隣の県どころか、隣の市までも行ってないのに……
2
まず最初に考えたのは、冷却水が減ってるんじゃないか、ということ。
落札して引き取ったばかりなので、ヒストリー(整備歴)不明。
長期間に渡って、ろくすっぽ冷却水の量もチェックされてこなかった個体なのかもしれないね、と。
念のために安全な場所に停めて、左側面、バッテリー横のリザーブタンクを見ると、MINラインまで来ていない。
空っぽです。
3
そこで、通りがかりのホームセンターに飛び込んだ。
緑色の冷却水、ポリジョッキ、それからDIYのオイル交換用の、青いジョウゴも買いました。
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冷却水なんかわざわざ買わなくても、道の駅とかサービスエリアで、水道水を入れればいいじゃん、とか。
コンビニでミネラルウォーターを買ってもいいじゃん、とか。
たまにそんなこと言う人いるけど、ダメだよ。
カー用品店とか売られているロングライフクーラント(略してLLC)は、ただの色水じゃない。
閉鎖された水路の中の清浄とか、防錆とか、ウォーターポンプの潤滑とか、いろいろな役割があるし。
100℃で沸騰しちゃわないよう、沸点も上げられている。
あと、もう1つ。
さすがに、海水を入れたら一発で錆びて、エンジンがお亡くなりになっちゃうのは、わかると思うんだけど。
ミネラルウォーターの「ミネラル分」も、それば同じだからね。
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よっぽど深刻なオーバーヒートで、本当にホームセンターもカー用品店も無ければ、水道水とか、沢の水とか、入れるしかないんだけど。
それでも、ほんのちょっとだけでも、冷却水(LLC)は入れたほうがいい。
規定濃度より薄くても、無いよりはいい。
水だけだと、内部で本当にすぐに錆び始めちゃうよ。
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ちなみに……
ラジエーターキャップが経年劣化でダメになってて、それでオーバーヒートしている可能性もある。
……けど、この仔に適合する品番は、在庫なし。
とりあえずは、リザーブタンクのMAXラインまで冷却水を補充しました。
4
次に見たのは、助手席のグローブボックスの下。
この白いフタの下に、ラジエーターキャップがあります。
5
ほらね。
だいぶ汚い……
もちろん、交換歴は不明です。
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水温が上がった以上は、何よりも先に、ヒストリー不明のラジエーターキャップを新品に交換したい。
だけど、通りがかりのホームセンターやカー用品店には在庫が無い。
むむむむむ……
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あと、こういうポリジョッキとか冷却水とかも、通りがかりのお店で買うと、けっこうお高いんですよね。
こういうポンコツ車を落札して遠方から自走で東京に帰るというのを今後もくり返すなら、ポリジョッキとか冷却水とか、それから適合するラジエーターキャップなんかは、現地に宅急便で(営業所留めで)送っておいたほうがいいのかも。
何も起きなかったら、そのまま積んで帰ってくればいいんだし。
6
とても基本的なことだけど……
エンジンが温まって熱くなった冷却水は、膨張しようとするんだけど、閉鎖された水路の中では逃げ場が無くて圧が上がる。
だから、冷却水が温まってる状態で無警戒にラジエーターキャップを開けると、100℃近い熱湯が勢いよく飛び出してきて、深刻な大火傷を負うよ。
こういうオーバーヒート状態では冷却水が減ってるから、高圧の水蒸気が大量に吹き出してきて、もっと大変なことになるよ。
くれぐれも慎重に。
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あと、大事なことがもう1つ。
冷却水が熱くなって圧が上がり続けると、やがてエンジンを壊してしまう。
だから、ある一定の圧まで上がった時点で、ラジエーターキャップのバネが負けて、リザーブタンクにあふれ出てきます。
そして、走り終わってエンジンを止めると、冷却水も冷えて縮むから、今度はエンジン内部の水路が負圧になって、リザーブタンク内の冷却水をエンジン内に吸い込む。
つまり……
エンジンが温まると、リザーブタンクの液面が上がる。
エンジンが冷えると、リザーブタンクの液面が下がる。
これを日常的にくり返しているわけです。
そう、ラジエーターキャップ(のバネ)が正常ならば、ね。
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新品に交換したいけど、旅先の通りがかりでは手に入らない。
むむむむむ……
7
さてさて。
時間が経って冷えてきたところで、ラジエーターキャップを開けてみた。
液面が見えないレベルまで減ってました。
だけど、ポリジョッキで入れてみたら、すぐにあふれた。
深刻なレベルで空っぽというわけではなく、ちょっと減っていたという感じです。
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あと、荷台のエンジンフードを開けた状態でしばらく放置してエンジンが冷えてきたら、リザーブタンクの液面が下がったのも確認できました。
吸い込みがOKということは、ラジエーターキャップ(のバネ)はまだ生きているらしい。
そして、リザーブタンクの冷却水を全部吸っても足りなくて、ラジエーターキャップを開けても液面が見えないぐらいまでしか入ってなかった、ということらしい。
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時間が経って、そこそこエンジンが冷えた状態で、リザーブタンクのMAXラインぴったりまで補充。
そして、ラジエーターキャップの取付口のところにもいっぱいに冷却水を入れて、でき上がり。
冷却水が減っていたのが原因なら、これで解決のはず。
再スタートします。
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HA4型オーバーヒート・アクティ
2023年2月23日(木)
・リザーブタンクとラジエーターに冷却水を補充
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