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安藤二七美の"丸目 HA2" [ホンダ アクティトラック]

整備手帳

作業日:2023年6月21日

イグニッションコイルを新品に(HA2型 丸目アクティトラック)

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目的 修理・故障・メンテナンス
作業 DIY
難易度

初級

作業時間 1時間以内
1
「たまにエンジンがかからなくなる」と言われて、東京まで乗って帰ってきた、丸目HA2型アクティトラック。
私が乗ると、まったく何の問題もなく絶好調なんだけどなぁ……
エンジンキーをひねってセルを回してる時に、もしかして、アクセルを踏んじゃってるんじゃないのかなぁ?
……とか思いつつ。
たまたま、そんなタイミングで、モノタロウの全品10%OFFの通知が来た。
アクティ用のイグニッションコイル(略してIgコイル)を10個まとめ買いしたので、交換してみることにしました。
===
イグニッションコイルは、荷台からのぞき込むとデスビの奥。
運転席の後ろあたりの荷台の下に取り付けられているので、右後輪を持ち上げます。
2
これは、車体後部から前方(運転席のほう)を見ているところ。
画像の左側、バッテリーの+端子に取り付けた太い黄色いケーブルは、セルのB端子に直結。
そうじゃなくて、3気筒のプラグコードいずれも画像の右側の黒い丸いところにつながっている。
その黒い丸いのがデスビ。
デスビの下の奥に、イグニッションコイルがあります。
デスビに取り付けられているイグニッションコイルは4本。
3気筒からの3本と、もう1本。
その「もう1本」をたどっていくと、イグニッションコイルから来ています。
電気の流れでいうと逆だけど。
===
デスビを知らないダイレクトコイル世代が多いと思うので、念のために。
バッテリーの12Vを、2万Vに上げるのがイグニッションコイル。
2万Vの電気は、今たどっていった短いイグニッションコイルで、黒い丸いデスビへ。
このデスビで、3気筒それぞれに適切なタイミングで分岐されて、3気筒それぞれの点火プラグで火花を飛ばす。
イグニッションコイルで十分な電圧まで上がらなくなると、3気筒いずれも火花が飛ばなくなる、つまりエンジンがかからなくなる。
おそらく、新車から30年以上、一度も交換されてないはず。
新品が手に入る今のうちに、新品に交換しておけば、あと30年ぐらいは大丈夫だよね?と考えたわけです。
3
まずはエンジンをかけて、現状をチェック。
毎度おなじみ、Snap-Onのイグニッションアナライザー GTCTA505Jで簡単に。
4
3気筒それぞれの「Before」です。
1番だけ、2次電圧が5000Vしか来てないし、点火燃焼時間もだいぶ短く写っちゃってるけど、大丈夫なのかな?
ちょっとした当てかたの違いでも、このぐらいは簡単に数値が変わるんだけど。
(それ以前に、こんな便利なツールが誰でも簡単に買える時代ではなかったから、整備マニュアルを見ても正常値とか基準値が載ってない)
ま、とりあえず、作業前はこうでしたよ、ということで。
5
ここで準備したのが、エアツール。
荷台の鉄板に、下からボルト2本で取り付けられています。
そこで、エキステンション(延長バー)をつないで、先端に10mmのソケットを。
床下にもぐって、真下からボルト2本をダダダダッで瞬殺でした。
(新車の製造ラインで取り付けられて以来30年経って初めてゆるめられたのかも)
===
ちなみに、3/8インチ(通称サンブ)の太いエアホースを使わなくても大丈夫。
頭が10mmぐらいの小さくて細いボルトなら、1/4インチ(通称ニブ)とかの、格安のエアホースでも大丈夫……なことが多いはず。
画像のエアーインパクト「MG725」は最大1千Nm級で、そのパワーをフルに発揮させるためには「3/8"以上の太いエアホースを」と取扱説明書で指定されているので、いつもセットで使っている、というだけの話です。
===
ちなみにちなみに……
3/8インチ(通称サンブ)の内径、つまり直径は8.5mmぐらい。
1/4インチ(通称ニブ)の内径は、6mmぐらい。
ほとんど同じじゃん!と思うでしょ?
ところがところが、全然ちがうのですよ。
円の面積は、半径の2乗。
つまり、半径が(直径)が1.4倍になると、流量は2倍になる。
値段の安さで内径6mmのホースに飛びつくと、値段の高い内径8.5mmのホースの半分しか空気が流れない。
もっと高価な内径11mmのホースの、ざっと4分の1しか流れない。
ハイパワー系のエアツールだと、それでは困ることもあるわけです。
(BBQの炭の火起こしでエアを送り続けるぐらいなら、内径6mmでも太すぎるぐらいだけど)
===
以上、エアーツールついでの余談でした。
プロの整備士さんの修理工場では、そんなところにも注目してみると学びがあるはず。
これからデビューする人は、エアーホースは内径の太さが大事だって、覚えておくといいよ。
6
というわけで、インパクトを使うと、ダダダダダッが2回で瞬殺。
これが取り外した30年もののイグニッションコイル。
普通にエンジンはかかる(ことが多い)から、まだ大丈夫だとは思うけど。
7
ひっくり返してみました。
8
上の黒い丸いところに短いイグニッションコイルを挿して、デスビに行く。
下の丸い2ヶ所に2極ずつ、ここが大事。
9
HA1型とHA2型(550cc)の整備マニュアル(サービスマニュアル シャシ整備編 88-5)によると、A端子とD端子の間(1次コイル)の抵抗値は「1.35±0.135Ω」となっています。
つまり【1.215〜1.485Ω】ということ。
この数値は、HA3型とHA4型(660cc)の整備マニュアル(サービスマニュアル シャシ整備編 90-3)でも同じです。
ところが、取り外した個体は「4.1Ω」でした。
この機会に取り外してみて、新品を用意して、正解でした。
===
ちなみに、1次コイルは単位が「Ω」で、2次コイルは「kΩ」になってることが多いはず。
1次コイルが1Ωぐらいで、2次コイルが10kΩとか、20kΩとか。
HA1型とHA2型(550cc)の整備マニュアル(サービスマニュアル シャシ整備編 88-5)によると、2次コイルの抵抗値は「11.3±2.26kΩ」となっています。
つまり【9.04〜13.56kΩ】ということ。
この数値も、HA3型とHA4型(660cc)の整備マニュアル(サービスマニュアル シャシ整備編 90-3)でも同じです。
原理を考えればわかると思うけど「抵抗はあるけど、導通はしている」というのは大前提。
===
さて、ここで問題です。
バッテリー電圧12Vで、1次コイルが1.3Ωで、2次コイルが13kΩだった場合、2次電圧は何Vになるでしょう?
(机上の理論値は12万Vだけど、実際にはそこまでは)
では、バッテリー電圧12Vで、古くなった1次コイルが4Ωまで上がってて、2次コイルは13kΩのままだった場合、2次電圧は何Vになるでしょう?
(机上の理論値は3万9千V)
===
「数学は苦手で……」と思ったかもだけど、算数だよ?
iPhoneの電卓アプリで簡単に出るよ?
===
と、いうわけで。
1次コイルの抵抗値が上がると、2次電圧はものすごく低くなる。
1次コイルの抵抗値が2倍になると、2次電圧は2分の1になる。
1次コイルの抵抗値が4倍になると、2次電圧は4分の1になる。
そこんとこ4649。
10
1次コイルが4Ωまで上がってしまってたら、そりゃあ2次電圧は低くなるよね。
基準値を1.3Ωとすれば、2次電圧は3分の1になるということ。
そりゃあ、ちょっと湿度が高かったり、寒くてバッテリー電圧が低かったりすれば、火花が飛びにくくなるでしょ。
取り外してみてよかったよかった。
2023年6月現在、まだ新品が買えました。
よかったよかった。
他にも何台かあるので、モノタロウの全品10%引きを待ちかまえて10個も買っちゃいました。
(イグニッションコイルより、イグナイターを買っておけよ!と思ったあなたは常識人)
===
【部品番号】30500-PE0-006
550cc(HA1、HA2)
660cc(HA3、HA4)
共通です。
11
ところが!
念のために、新品も測ってみたら、2.6Ω。
あれ?
あれれ?
基準値の2倍あるんですけど。
基準値1.3Ωちょうどとすれば、2次電圧は半分になっちゃうんですけど。
ホンダで取り寄せてもらったのではなく、モノタロウで買ったもの。
もしかして、倉庫で長期間のデッドストック品が来ちゃったのかも?
もしかしてもしかして、ホンダで取り寄せてもらっても、こんなもんなのかも?
(受注生産じゃないからね)
===
でも、まぁ、いいや。
今までの4Ωを思えば、それでも2次電圧は1.5倍ぐらいは高くなる計算。
古い4Ωを使い続けるよりはいいでしょ。
……と、そこは割り切った。
12
あとは、また床下にもぐって、荷台の鉄板に下から取り付けるだけ。
取り付けボルトの先端部には、念のためにスレッドコンパウンドを。
そう遠くない将来、もっと程度の良いイグニッションコイルを入手して、再交換するかもだし。
ただのリチウムグリスで十分な気もするけど、それでもエンジンルームなので。
13
あと、接点復活剤もほんのちょっとだけ。
内部に浸透していくと、溶剤が悪さをして壊れちゃうことも多いらしいので、接点の金属部だけにほんのちょっとだけ。
(イグニッションコイルに限らず、電装品みんな、大量には吹きつけないほうがいいみたいだよ)
14
そして、エンジンをかけて、またイグニッションアナライザー。
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3気筒みんな測ってみたけど……
1番シリンダーの5120Vが7540Vに上がってはいるけど……
7300V前後のまま、変わってない、という印象。
===
1次コイル、4Ωから2.6Ωへ。
2次電圧は1.5倍に上がってるはずなんだけどなぁ。
(1番シリンダーの5120V→7540Vは、確かに1.5倍)
===
まぁ、イグニッションコイルは新品に交換した。
条件が悪いところでは、これのおかげで失火しにくくなった、というケースもあるはず。
次にいきましょ。
16
丸目HA2型アクティトラック
2023年6月21日(水)5万6563km時
・イグニッションコイルを新品に交換
(1次コイル 4Ω→2.6Ω)
基準値【1.215〜1.485Ω】

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