
骨材に廃タイヤを使用した、コンクリートの新製法が開発される
たもり - 22 分前
従来よりもエコ・安価・軽量。
「従来の粗骨材の代替品として再生タイヤのゴム粒子を使ったコンクリートミクシング」
© Photo: Mohammad Islam, RMIT
コンクリートはその強度と耐久性から、世界中で広く使われている建材です。オーストラリアにあるロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)のエンジニアたちは、コンクリートの骨材に廃タイヤのみを使っても品質の良いコンクリートを製造できる手法を見つけ出しました。
コンクリートを作る方法は至ってシンプルで、大抵はポルトランドセメントと呼ばれる結合剤を、水と骨材(砂、石、砂利を組み合わせたもの)と混ぜ合わせます。個々の原料の配合を調整すれば、必要に応じて強度を上げたり軽量化したりとコンクリートの特性を変えることも可能です。
ですが、原料の中でも大きめな石や砂利のような骨材は、いくつかの地域では供給が不安定なため価格が値上がりすることがあります。
このコンクリート製造のコストを軽減するのに役立つ手法の1つに、骨材を、すり潰して小さな粒子になった廃ゴムタイヤなど他の素材に替えるというものがあります。
このアイデアは、車から外された毎年数万本に及ぶ使い古されたゴムタイヤをリサイクルする賢い方法でもあるので、一石二鳥と言えます。
しかし今まで、100%ゴムの骨材では、必要な強度基準を満たすコンクリートを製造できていませんでした。
発表されたばかりの論文の中でRMITのエンジニアたちが立てた仮説によると、問題は骨材にゴムタイヤのみを使用したコンクリートだとたくさんの細孔ができてしまうことにあった模様。
最初の混ぜ合わせる過程で、水がゴム粒子の細孔に入り込むものの、やがて乾燥すると水は蒸発し、ゴムとその周りのセメントの間には無数の隙間や穴が残ってしまいます。
そのため、コンクリートの結合が弱まり強度と質が下がってしまったのです。
そこでエンジニアたちはゴムの細孔を除去するため、生コンクリートを鋼製の型に入れて圧力で押し固めるという製法を考案。
乾燥後、出来上がったコンクリートは固まったセメントとゴム粒子との強い結合を示し、従来の手法で製造された骨材が廃タイヤのコンクリートと比べ、圧縮強度は97%、引張強度は20%も上がっていました。
大きく改良されましたが、ゴムタイヤコンクリートが信頼性のある構造部材として使われるには十分ではないので、研究者たちはさらに補強・強化する方法を研究中です。
この新アプローチで製造コストは増えるかもしれませんが、長期的に見れば、従来のコンクリートよりも費用対効果の高い手法だと証明されるはず。
というのも、安い原料を使っていることに加え、製造されるのは軽量の素材なので輸送もより容易かつ安価になるからです。
以前、廃タイヤのチューブを使ったカバンを購入したことがありますが、リサイクル技術は進歩しているのですね。
Posted at 2022/08/23 20:59:23 | |
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