ジャーナリスト・山本美香さんの訃報を聞いて

今日、ニュースで、ジャーナリストの山本美香さんの訃報を知った。

撃たれて自身の命の灯が消えようとしているとき、山本さんは最後に何を思ったのだろうか…。

山本さんの訃報を聞いて、２つの言葉を思い出した。

１つは、マンガ「人間交差点」。
２７巻(最終巻)の最終話「朽ちかけた斜塔」から。

片田刑事とジャーナリストの山口氏とのやり取り。

片田「あの…あなたは、もしかしたら、誰も読まないような、そして記事になるかどうかわからないようなネタの為に、何故そんな危険な取材をなさるんですか。」

山口「キザな言い方をしますが、片田刑事が法治国家の公僕としての誇りを持ってお仕事をなさっているように……私達ジャーナリストも、民主国家の下僕(しもべ)としての誇りを持って仕事をしています。ジャーナリストは、それが誰に不利であろうと、どんなに世間の空気に逆行しようとも真実を暴きます……。真実のみが民衆を自由にすると信ずるからです。」

もう１つは、マンガ「パイナップル・アーミー」。
５巻の「泣く男」から。

主人公のジェド・豪士のセリフ。
豪士は元傭兵で、世界各地の戦場での経験が多数にある。

豪士「十年前、俺には、どうしても言えなかった。彼が何年かぶりに、感情を露(あらわ)にして泣いた時……戦場でおびえたことを、恥じることは決してないと……。……恥ずべきは、人間の尊厳を根こそぎ奪い取る、戦争や社会体制なのだ……ということを。」

改めて、山本美香さんのご冥福をお祈りします。
それと同時に、シリアの内戦が１日も早く終わって、シリアの人々が安心して暮らせるようになることを祈って。