MK63キャリパー
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
中古で入手したMK63、ニスモのベンチディスク仕様
これのO/H、分解清掃とシールキットの交換をします。
入手した時はシルバーで塗装されていましたが、
元の状態を知りたかったので、全部洗い落としました。
多少の錆びはありますが、上物だと思います。
所で全くの余談ですが、以前のキャリパーはこの様に濃緑色で着色されていました、今、新車に取り付けられているのは銀色になっていますね。
これは単に塗装色が変わっただけではないのです。
日本自動車工業会では、環境負荷物質削減の自主取り組みを進めており、その一環として、2008年1月以降の新型車より、有害な六価クロムを使用禁止としました。
これを受けて、メーカーでは先行して2006年5月頃より、順次無害な三価クロムへ切り替える対応をとってきました。
この時に外装色も濃緑色から銀色へ変更されたのです。
つまり、このMK63は昔の有害Ver.てことですね(笑
2
キャリパーの分解で手こずるのが、ピストンの抜き取りです。固着等していない状態でも、手で引っこ抜くのはまず無理でしょう。錆びて固着してたらなおさらです。
工場等で圧縮エアがあるなら、それで抜けますが、そのままやって抜けるのはシングルピストンまで。
2ピストンや4ピストンだと”抜けやすい所”だけが抜けてしまって、その後手詰まりになります。
こういった場合、キャリパーを車両から外す前に、パッドを取り除いて、ダストブーツを先に外して、錆びているなら油を差しておいて、5mm程度の板切れをパッドの代わりに挟んで、ブレーキペダルを繰り返し踏み込んで、ピストンをいっぱいまで飛び出させておきます。
ブレーキキャリパーはパッドを全部使い切って、地金だけの状態になっても、ピストンがピストンシールより外に出ないようにできてます。
パッドの地金の厚さが大体5mm位ですから、そうして全部のピストンをピストンシールギリギリの所まで出しておけば、あとは少し頑張れば抜き取れます。
3
ピストンも外して、内側もきれいにしたら、塗装します。
素材の味を生かすために無塗装で、とも思いましたが、これ以上錆びさせるのもアレなので、2液ウレタンクリアーで塗ってみました。
他人に見せたら、湯呑みみたいって言われましたが(笑
確かに色合いといい、つや具合といい、瀬戸物っぽい
4
シリンダー、ピストン、ピストンシールにしこたまカップグリスを塗りたくって組み付けます。
組み付け時にダストブーツの組み付けで手こずる場合があります。
古い設計のキャリパー程、簡単です。世代が新しくなるにつれ難しくなります。
MK63はとてもシンプルな形のダストブーツで、取り付けも特に悩む事はなく、ピストンのブーツ溝にはめておいて、ピストンと一緒に押し込んで、最後にキャリパー側のブーツ溝にはめればおしまい。
この作りの単純さゆえ、パッドの摩耗が進んでピストンの突き出し量が増えてくると、ダストブーツが外れてしまったり、外れてなくても内部に水分が侵入して、錆び付いてしまったりしますので、定期的なメンテナンスは必要です。
それを嫌って、ダストブーツの形状が複雑化していき、外れ防止やシール性向上のため、ダストブーツにリング状の押えスプリングが取り付けられたりで、後の世代ほど組み付けにコツが必要になってきます。
5
こういった対向ピストン型のキャリパーは、インナー側とアウター側がボルトで締結されていて、分解できるようになっています。
が、基本的に分解しない。が作法です。
インナーとアウターの間にあるOリングはブリッジシールと呼びますが、これはシールキットには入ってきませんし、純正の補修用部品としても流通してません。
メーカーさんに言わすと、精度維持のため分解しないでください。だそうですよ。
それでもオイル漏れ等してれば、交換の必要が出てきますけどね。その場合、合うサイズの汎用のOリングを調達して使うようになりますが、
よくあるニトリルゴム(NBR)はブレーキ液には使用できませんので注意。
昔ならスチレンゴム(SBR)、今はエチレンプロピレンゴム(EPDM)が主流だそうです。
6
パッドはH250用のノーマル品
シムが付いてきます。
ハードウェアキットは生産廃止なので、パッドの押えスプリングは入手不能です。
7
右側がMK63のブリーダーです、
左はその他、ハコスカのノーマルもこのタイプ。
MK63のは、この小さい玉がワンウェイバルブとして働くので、ワンマンブリーダー等なくても、エア抜きが容易になってます。
整備時はこの玉が、勝手に転がってどこかに行っちゃうので注意。
8
瀬戸物風キャリパー完成
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