ATF交換1年計画(AL4 1回目 そして考察)
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
3時間以内 |
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車の慣らしと暖気とオイルは宗教の世界…と言われます。さまざまな噂が交錯し、色々な宗派がそれぞれの教えを布教します。理論的なもの、不安を煽るもの、時には科学を超越した教祖様も現れたり。今日はその中の一つ、オートマチックトランスミッションオイル交換のお話です。
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私の車のATFは前回交換時期が不明でした。特に不具合があるわけではないのですが、極まれに大きめのシフトショックが起こります。少なくとも前オーナーから今まで3万kmは交換してないはず。しかし整備記録が残っていません。もしかしたら今まで無交換で約11万km走行という事もありえます。ATF交換で故障という話は良く聞きますが、このような車は少しずつ新しいATFを入れていき徐々に交換するのが良いらしいです。
これってホットケーキやお好み焼きの粉を水で溶く時に、一度に水をたくさん入れると粉が玉になってしまうようなものか??
AL4のオイル総量は6Lほどらしく、ドレンからオイルを抜くと約3L出てくるそうです。今回はその3Lぶんの交換とし、何ヶ月かごとにATFの交換を行って1年ほどかけてATFの交換をすることにしました。一度に何回もATFを入れ替えて、いま入れたばっかりの高価なATFをポイ捨てするのはもったいないですしね。
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ディーラーではATFを7L使っての2回交換で2万5000円(うち工賃9500円)だそうな。まあ、いつものように軽~く却下、私にとっては工賃高すぎです。民間の修理屋でも同じような値段。ABやYHなどの大手チェーンならもっと安いのでしょうか?でもやっぱり工賃払うのはもったいないので自分でやる事に。今後1年ほどで3~4回の交換を予定しているので、その度に工賃が掛かるとイヤラシイですから。
オイルは評判のいいASHに決定。高級なFSかベーシックなVFSかで迷いましたが、どちらも粘度は一緒です。峠を攻めたり街中で飛ばすのはもう卒業しているのでベーシックなVFSをチョイス。さっそくヤフオクで1L缶を3本購入しました。ちなみにディーラーではWAKO'sのATFH-S、ハイパーSを使うそうな。
A.S.H ATF VFS 1L×3本 6174円
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今回は工具を一つ買いました。ATFを入れる所を開けるのに8ミリ四角の工具がいるのです。主にフランス車に使われている工具なのですが、アストロプロダクツで350円と安く売っていたので助かりました。
それともう一つ、ATFを入れるのにジョウゴとホースをホームセンターで入手。ホースは40cmあれば十分で、太さは13~14mm位のものが注入口にピッタリでした。(写真8)
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ATF交換はゴミ、ホコリ厳禁なのでパーツクリーナーでボルトやその周囲を洗浄しながら作業をします。
今回の作業手順ですが、やっぱりトラブル発生です。
1 シフトコントロールケーブルを外し、作業スペースを作る (写真2)
2 オイル交換の鉄則で、先にオイルの注入口を緩める (写真3)
3 AL4の19mmのドレンプラグを外す…予定が固着して回らず。オイルを規定量まで入れるのにこれは外したい…がムリだった。諦めて次へ。
4 27mmのドレンプラグを外してオイルを抜く(写真6)
5 外した19mmと27mmのプラグを分解しようとしたがどうにも回らず(写真7)
6 本来なら27mmのドレンプラグだけ取り付けて油量を確認するが、それは不可能
7 仕方なくドレンプラグを取り付けてATFを注入。抜いた量と同量を入れた。(写真8)
8 注入口を閉め、配線類を元に戻す
9 エンジンをかけ、ATのセレクトレバーを動かし、オイルを回す。
10 試運転。ちゃんと動けば終了。動かなければAL4が終了~w
…とりあえずATF交換自体は無事に終了したみたいで、AL4はきちんと作動しています。次回のATF交換の時はドレンプラグの新品を用意しなきゃ。
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今回の作業で総量6LほどのATFの半分が新油になった計算になります。さっそく走ってみましたがシフトショックが半減した感じ。元々そんなに不満は無かったのですが、替えてみると確かに変化を感じます。これなら今後1年ほど掛けて数度のATF交換が終わった時はどれ位スムーズに動くのでしょうか。
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考察 その1
作業に関しては、注入口の8mmスクエアを外す時、AL4のシフトコントロールケーブルを外しましたが、シフトポジションを「D」に入れると外さなくても作業できるという話をどこかのHPで見ました。
今回外すことの出来なかった19mmのドレンは逆ネジかもしれません。逆にも回してみましたが外れませんでした。しかしあまり無理には回さなかったのでどなたか情報をお持ちでしたら御教授いただけないでしょうか??
追記 プジョーディーラーの整備の人に聞いたところ、19㎜のドレンは正方向に回す普通のネジだそうです。もし固着していた時は暖めて回すか、新品のドレンに換えるかするそうです。ただ、オイルが劣化するので暖める(バーナーで炙る)のはあんましオススメしないと言っていました。
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考察 その2
ありえない話の秘密
AL4のATFを交換したらギヤ比が上がった…時々こんな書き込みが見られます。車のギヤ比は固有のもののはずですが、今回気付いた事がありました。それはオイル交換に伴うフリクションの低減によって、低速域での発進、加速の際にAL4のシフトパターンが「高負荷モード」に入りにくくなったという事です。私の通勤ルートに交差点を曲がって弱い上り坂になる場所があります。ATF交換後、今までより早いタイミング(低い回転数)でシフトアップされるようになりました。さらに登り坂で今までより一つ高いギアに入るようになった場所もあります。人によっては今まで2速2500rpmで走っていた所を3速1800rpmで走る事により、ギヤ比が変わったと思う人がいても不思議ではありません。
さらにATF交換後に燃費が変わったという話は良く聞きます。それが1~2割も変わったと言う人も多いです。私はそんな記事を読みながら「悪名高きAL4とはいえそんなに内部ロスがあるわけない」と思っていました。たまたま長距離走ったために燃費が延びたんだろうと。しかし内部ロスが減りAL4が低負荷と判断してシフトアップが早くなるのなら、さらに発進~停止とシフトチェンジの繰り返しである日本の道路状況を考えると現実にありえるかなと思ってきました。
ATFの交換をする事によりAT内部のフリクションが減って車が低負荷と判断、高回転まで回さなくなる…これがギヤ比が変わり燃費が良くなる理由のようです。
★
プジョー306に搭載されている2Lエンジン+AL4の平地でゆっくり加速した場合、低負荷のシフトパターンはこんな感じです。これよりシフトアップが遅い場合はATFの劣化も考えられるかもしれません。あなたのクルマはどうですか?
1速→2速 17km/h
ロックアップ 34km/h
2速→3速 44km/h
3速→4速 64km/h
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ATF交換1年計画 2回目に続く。
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