防府天満宮・芳松庵(防府市)
菅原道真公はお茶に関する故実を調査、研究され世間に喫茶の習慣を広められ茶聖菅公と称せられました。
茶室芳松庵は、菅公とお茶の深い関わりを後世に伝えるため、防府天満宮の境内に平成3(1991)年に建立されました。設計は日本建築の第一人者 大江 宏氏です
庭内の一角には勤皇の志士達が密議を交わした史跡暁天楼も建っています
もとは天満宮門前宮市にあった宿「藤村屋」の離れだったもので、藤村屋の廃業にあたり天満宮に寄贈され、のち老朽化に伴い解体されましたが、昭和59(1984)年に藤村屋の子孫の11代当主、横浜市在住の藤村浩作氏が願主となり現在の場所に絵図面にしたがって復元されました。
藤村屋は天保12(1841)年当時、天満宮周辺にあった22軒の宿屋のうちのひとつです。。当主は勤皇の志が篤く、坂本龍馬、高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文ら、維新の志士たちもしばしば利用したそうです。
建物の1階は漬物小屋として使われていたため土間で、2階(通常は閉鎖)は6畳間が2間あり、板張りの広縁が2間を囲む形で2方向に巡らされています。この2階に上がる階段は実は隠し階段になっており、維新の志士たちが、いざという場合には息をひそめて隠れていることのできるこの場所で密談をしたといわれています。
復元前の2階の床柱には刀傷がついていたそうですし、戸袋には墨で勢いよく書かれた落書きがあり、これは坂本龍馬の手によると言われています。また、「暁天楼」の名前は、旧来「適義楼」と呼ばれていたものを、訪れた山県有朋らが改めたといいます。
H15.9.12
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R5.12.29 (写真差し替え)
住所: 山口県防府市松崎町14-1
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