旧石黒（恵）家（仙北市・旧角館町）

この建物は、昭和10（1935）年に設計・建築されており、武家屋敷「石黒家」の分家にあたります。
その内容は、近世角館武家住宅の形式から完全に脱却し、当時の都会住宅が持ち込まれています。
すなわち、角館武家住宅に見られる玄関を持つ四間取りに類した接客空間と、それに接続する内玄関を持つ家族空間に対して、この住宅は両者を融合し、当時の時代背景のもとに計画され普及した住宅内容を持っています。それは明治後半から台頭し大正時代に主唱した新しい都市住宅で、洋風を加味した和風住宅ですが、在来の和風住宅に西洋間を加え玄関を教室にして連続させています。それに客間や居間さらに家族用の茶の間、それに主婦室や子供室を独立させ、廊下によって連絡するなどは当時の角館における、いわゆる文化住宅の先駆を示しています。

Photo Canon EOS 5D MarkⅡ
H24.7.13
住所: 秋田県仙北市角館町表町上丁１