鎌原観音堂(嬬恋村)
天明三年浅間やけ遺跡・鎌原観音堂
2016年08月29日
鎌原観音堂は、その名の通り観音菩薩を祀るお堂ですが、天明3(1783)年の浅間山の噴火を伝える遺跡です。
浅間山の噴火を伝える天明3(1783)年浅間山の噴火は、5月9日から始まったとされますが、8月3日からは一段と激しさを増し、ついに5日の午前にはクライマックスの状態に達しました。
午前10時30分頃、火口から噴き上げられた岩塊は、浅間山麓に落下し、付近の土石を巻き込んで雪崩のような状態で斜面を高速で流れ下りました。
鎌原村(現嬬恋村鎌原区)を中心とした浅間山麓の被害はこの時に発生しました。被害の中心となった鎌原村は、戸数百戸前後、人口570人ほどの浅間山麓の拠点的な集落でしたが、村は一瞬にして埋没し、被災死亡者は477人。火砕流に気づき、この観音堂にたどり着いた僅か93名のみが奇跡的に助かりました。
観音堂とその石段及び参道入り口に文化12(1815)年、被災者の菩提を弔うために建立された石碑は、この災害の実証的なものです。
観音堂の石段は昭和54(1979)年発掘調査され、その段数は全部で50段であり、そのうち35段が埋没し、その土石層の厚さは6メートル前後と判明しました。なお、その際2人の被災者が発見されました。
天明3(1783)年の浅間山の噴火は、群馬県内はもちろん全国的にも社会・経済・政治に大きな影響をもたらしましたが、本遺跡はその象徴的なものとして重要です。
昭和31(1956)年、天明三年浅間やけ遺跡として群馬県指定史跡に指定されています。
(現地説明板などより)
Photo Canon EOS M3
H28.8.6
住所: 群馬県吾妻郡嬬恋村鎌原492
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