那須家住宅〔鶴富屋敷〕（椎葉村）

那須家住宅（鶴富屋敷）は、平安時代、平家の落人が隠れ住んだという伝説をもつ椎葉の伝統的民家です。
文治元（1191）年、鎌倉幕府は、壇ノ浦の戦いに敗れ、椎葉山に逃れた平家残党の追討を那須大八郎宗久に命じました。
しかし、衰微した平家残党は謀反の気配なく宗久は3年住し、椎葉山を治めました。この間、宗久は平清盛の末裔と言われる鶴富姫と恋仲となり懐妊しましたが、鎌倉幕府より帰還命令が下り、椎葉山を後に鎌倉に出立しました。やがて、鶴富姫は女児を産み婿を迎えて那須下野守と名乗り椎葉を支配したと伝えられています。
これが那須家の発祥と言われ、以後31代を数えます。
椎葉村の民家はすべて同じ形式の民家として知られていますが、この家はその代表的なものです。
間取りは部屋を一列に横に並べた形式で向かって左より、こざ、でい、つぼね、うちねの四室がならび、その右に、とじ（土間）があります。　
各室は前面をしたはら（広縁）内部をおはらといい、背面にはすべて戸棚を造り付けにしています。
民家としては規模が大きく、しかも太い材料を用いた本格的な構造を持ち、民家特有の美しさをよくあらわしています。
小屋組はさすを組み合わせ、屋根は寄棟造りで茅葺でしたが、昭和38（1963）年に銅版に葺き替えられました。
鶴富屋敷ともいい、平家落人の伝説と共に古い歴史をもつと伝えられています。
日本の民家としては極めて重要なものとして昭和31（1956）年6月28日、重要文化財に指定されました。
（現地説明板などより）
営業時間 9:00～17:00
入場料金 大人200円、中学生以下100円
※椎葉民俗芸能博物館との共通券　大人430円、高校生330円、小中学生200円


Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
H30.2.1

住所: 宮崎県東臼杵郡椎葉村下福良１８１８