スターバックスコーヒー神戸北野異人館店として活用・北野物語館
2019年12月03日
北野物語館は明治40(1907)年に建築された木造2階建ての住宅です。屋根は寄棟造で桟瓦葺き、外壁は下見板張りにオイルペイント塗装で、コロニアルスタイルの典型的なものです。
窓は木製ガラス戸によろい戸が付き、1階にはベイウインドー、2階にはオーリエルウインドーと呼ばれる出窓がそれぞれ設けられています。コロニアルスタイルの特徴であるバルコニーは東南角の玄関上部に設けられています。
平成7(1995)年の阪神・淡路大震災まで北野1丁目(この地より北東300m)に建っていたもので、家屋台帳によると建築当初の所有者は米国人M.J.シェー氏です。その後、所有権が何回か移っていますが、最後の所有者こそが昭和52(1977)年放映のNHK朝の連続テレビ小説「風見鶏」の主人公であるドイツ人パン職人、ハインリッヒ・ブルクマイヤーのモデルとなった人物の二世です。
このドラマが現在の北野の異人館ブームの火付け役になったことを考えあわせると、北野のなかで物語性のある非常に貴重な建物です。
残念ながら、震災で被害が大きく、解体されることになったのを機に神戸市が建物の寄付を受け部材を保管していましたが、平成13(2001)年、この地に移築・復元されました。
土地の形状にあわせて、当初の建物の向きを変えていますが、解体中に判明した建築当初の造りに戻すなど忠実な復元がなされています。
また、現行の耐震基準に適合させるために、従来の軸組に新材や金物で補強が行われており、室内には、この軸組の補強を見ることができる小窓が設けられています。元々カフェ「ブルクマイヤー」があった場所ですが、平成21(2009)年からスターバックス北野異人館店として営業しています。
営業時間 8:00~22:00
定休日 不定休
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R1.11.17
住所: 兵庫県神戸市中央区北野町3-1-31