広渡廃寺跡(小野市)
国史跡広渡廃寺跡歴史公園として保存整備されている広渡廃寺跡
2020年12月07日
広渡廃寺跡(こうどはいじあと)は、加古川左岸段丘上に位置する古代寺院跡です。
発掘調査により、主要な建物の基礎(基壇)が確認され、建物の配置(伽藍配置)が明らかになっています。本尊を安置する金堂を中央に配し、その前に東西両塔、後に講堂を置き、それらを廊下である回廊が取り囲んでいました。回廊の北には北門、南には中門があり回廊が囲む範囲は東西約60m、南北約90mとなっています。これらの配置は奈良の薬師寺と同じことから、薬師寺伽藍と呼ばれています。
ただし、回廊が講堂に取り付かない、また金堂の両脇に鐘楼や倉とみられる基壇があるなど、他の例と非常に異なった特徴をもっております。中門の前には、南大門があり、その東西には塀である築地がのび、南には通路としての階段が確認されています。各基壇は、土を突き固めていく版築とよばれる方法で盛られており、周囲には平たい栗石を積んで化粧(乱石積基壇)がなされていました。ただし金堂は、後に南へ3m拡張されており、その箇所のみ瓦積みの化粧となっています。当遺跡は、出土遺物などから、7世紀後半頃には建立され、平安時代末頃にと絶えたことがわかっています。なお、浄土寺薬師堂に本尊を移したとされる「広渡寺」が当遺跡と考えられています。
昭和55(1980)年12月5日、国の史跡に指定されています。平成12(2000)年5月23日に「国史跡広渡廃寺跡歴史公園」としてオープンしました。
(現地説明板などより)
Photo Canon EOS M6
R2.10.20
住所: 兵庫県小野市広渡町304−1
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