岡崎信用金庫資料館(岡崎市)
旧岡崎銀行本店として建造された岡崎信用金庫資料館
2021年07月28日

岡崎信用金庫資料館は、昭和57(1982)年に開館しました。
赤レンガと地元産御影石(花崗岩)を組み合わせた特色ある建物は、本格的なルネッサンス様式を取り入れた建築で、大正6(1917)年に旧岡崎銀行本店として建造されました。
建築家辰野金吾氏を師と仰ぐ日本近代建築の重鎮、鈴木禎次氏の設計によるもので、全国でも有数の貴重な建物です。
戦後、戦災で建物を焼失した岡崎商工会議所が、廃墟同然となっていた旧岡崎銀行本店の建物を買い取り、補修して岡崎商工会議所会館として使用することになりました。昭和25(1950)年4月に起工し、同年10月に竣工しました。それ以来、昭和51(1976)年まで地元岡崎の経済拠点として使用しました。
岡崎商工会議所会館が手狭となり、老朽化も進んだことから、岡崎商工会議所は新所舎を建設し、移転することになりました。旧岡崎銀行本店ビルは取り壊しの運命にありましたが、地域のみなさまから保存の声が高まり、当時、岡崎商工会議所会頭で岡崎信用金庫会長の服部敏郎氏が、「この建物は、旧岡崎銀行の本店として誕生し、当地における金融・経済の歴史そのものである。解体するには忍びない。」と、昭和52(1977)年に岡崎商工会議所からこの土地・建物を購入しました。外観を残しながらも、建物内部を改造して岡崎信用金庫資料館として開館するため旧岡崎銀行本店の建築当時の姿に復元し、景観を損なわずに建物の維持保存を進めました。外壁保護のために内側から鉄筋コンクリートで固めて補強するとともに、戦災で無くなった角型の尖塔屋根、ルネッサンス式の箱型屋根、煙突等を当時の姿に復元しました。
昭和57(1982)年11月に、社団法人日本建築学会より「姿形がよい」、「すぐれた建築家の設計による」、「地域の歴史をたどるうえで大切である」とのことから、明治・大正・昭和(戦前)の全国13,000棟のなかから建築学的に貴重であると思われる2,000棟の一つに選ばれました。また、平成2〔1990〕年3月に岡崎市から「歴史的建築物として魅力ある岡崎の街並みに大きな役割を果たしている」として、「岡崎市都市景観環境賞」を受賞しました。平成20(2008)年3月岡崎市内では、合資会社八丁味噌(屋号カクキュー)の本社事務所と蔵、本光寺に次いで3番目に国の有形文化財に登録されました。平成31(2019)年2月より約2年にわたり免震化工事が施されました。
2階展示室では、世界各国の貨幣の展示など、「お金」にまつわるさまざまな展示コーナーが設けられ、1階ギャラリーでは、絵画や書、写真などの美術・工芸に関する展示を年間を通して定期的に開催しています。
開館時間 10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)、1月1日~1月3日、12月31日
入館料 無料
(現地説明板などより)
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R3.7.10
住所: 愛知県岡崎市伝馬通1-58
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