正暦寺(奈良市)

正暦寺は、山号は菩提山、院号は龍華寿院、菩提山真言宗の大本山(単立)で、本尊は薬師如来です。
正暦3(992)年、一条天皇の勅命で兼俊僧正(藤原兼家の子)によって創建されました。
当初は堂塔伽藍を中心に86坊の塔頭が菩提仙川の渓流をはさんで立ち並び、勅願寺としての威容壮麗さを誇っていました。
しかし、平家による焼き打ちやたび重なる兵火、また、幕府の厳しい経済制圧によって、寺内経営は窮地に追いやられました。江戸時代中期以降は急激に衰退し殆どの堂塔は失われ、現在は江戸時代建立の福寿院客殿・護摩堂と大正時代再建の本堂・鐘堂など、僅かな建物を残すのみとなっています。
正暦寺は古来より、「悟りの山」を意味する「菩提山寺」と呼ばれてきました。
福寿院客殿は、延宝9(1681)年建立の数奇屋風建築です。屋根はこけら葺で京狩野3代目の狩野永納の描いた欄間・襖の絵を今に伝えています。客殿の自然風景式庭園は、四季折々に移り変わる景色を見事に演出してくれます。国の重要文化財になっています。
薬師如来倚像は、白鳳時代の作で踏み割り蓮華の上に足を置き、台座に腰を掛ける倚像形式の金銅仏で国の重要文化財になっています。
また、境内には「日本清酒発祥之地」の石碑があります。地元の蔵元などでつくる「奈良県菩提酛による清酒製造研究会」が平成12(2000)年10月に建立したものです。
14世紀中頃、ここ菩提山で日本初の清酒が造られたと言われています。その名も「菩提泉」。生酛系酒母の元祖といわれる菩提酛造りを産み出し、諸白、段仕込み、火入れ殺菌など、現代の酒造りにつながるさまざまな技術を活用した酒造りをおこなってきました。平成8(1996)年に奈良県内の当時の若手蔵元の有志が集まり、「奈良県菩提酛による清酒製造研究会」(菩提研)を設立。菩提酛の造り方や資料の研究から始まり、菩提山正暦寺と奈良県工業技術センター(現・奈良県産業振興総合センター)とともに菩提酛のお寺での酒造りの再現復活を主導しました。平成10(1998)年12月11日についに酒母製造免許が下り、寺院醸造を復活させました。毎年共同で「菩提酛」を造り続けています。
また、11月になると3000本の楓が順番に色づいて紅葉していきます。木々の緑と黄色や赤の紅葉が織り交ざって、山内をあでやかに染める様は錦の色に見えます。このことから、正暦寺は古来より「錦の里」と呼ばれてきました。
また、秋から冬にかけては1000株以上の南天が赤い実をつけて参道を染めます。
拝観時間 9:00~17:00(受付終了16:30)
拝観料 大人500円 小学生200円
特別拝観時(春・秋、12/22の冬至祭)大人800円 小学生300円
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R3.10.9
住所: 奈良県奈良市菩提山町157
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