柿田川公園〔柿田川湧水群〕(清水町)
富士山の地下水の湧き水が河川となる日本三大清流・柿田川公園
2022年02月06日

柿田川は清水町の中央部に位置し、国道1号の崖下を始点とし、狩野川までの長さ1200mの全国一短い1級河川で、川幅は30m~50m、流れている水も全て湧き間からの湧き水です。
この湧き水は40km先の富士山に降った雨水や雪解け水が地下水となって、この国道1号の崖下から突然湧き出したものです。
これは古富士泥流という水を透さない地層と三島溶岩という気泡に富んだ水を透し易い溶岩層の間を通って、三島溶岩の先端部である柿田川で噴出したものです。
富士山の年間平均降水量は、600万トン/日、その内150万トン/日が蒸発、残り450万トン/日が全て標高1700m~1000mの山腹で地中に滲み込み地下水となります。富士山の地下には、琵琶湖にも匹敵する膨大な量の地下水があるともいわれています。
柿田川には富士山の地下水の内、約4分の1、110万トン/日が湧き出しており、湧水量の規模から「日本一の湧き水」といわれています。この湧水量は、瞬きする間にドラム缶6本を満たし、年間を通して湧水量110万トン/日、25mプール2,000杯分、東京ドーム1杯分に相当し、静岡県民364万人の1日分の飲料水を賄うことができます。水温は一年を通じて15℃と一定、飲料水としてそのまま飲めるほど清浄です。
飲料水として約20万トン/日を静岡県東部3市2町(沼津市・三島市・熱海市・函南町・清水町)に供給しています。また、工業用水として約10万トン/日を供給し、残り約80万トン/日が柿田川流水となり狩野川へ流れ込んでいます。
清流のみに生えるミシマバイカモ、渓流の宝石といわれるカワセミが生息し、晩秋には鮎の大群が遡上する様子が眼下に見えます。
第二展望台の下にある大きな井戸は、繊維会社の取水口跡です。直径は4.5m、深さは3.5m以上あるようです。
井戸の底は碧く神秘的で、見ていると引き込まれそうになります。この色は、太陽の光の中の赤い光が水に吸収され、底に届いた青い光が反射され青く見えます。泳いでいる魚はアブラハヤなどです。
柿田川は日本最後の清流と言われる高知県の四万十川、岐阜県の長良川中流域と並び「日本3大清流」と言われています。
柿田川公園は柿田川湧水地の保全と町民憩いの場として昭和61年に整備、公園化されました。
昭和58(1983)年、「21世紀に残したい日本の自然百選」に選定、昭和60(1985)年、「日本名水百選」に選定されています。
平成23(2011)年、国指定天然記念物に選定されています。
(説明板より)
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R3.12.31
住所: 静岡県駿東郡清水町伏見
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