江戸後期から活躍した北前船主・廻船問屋馬場家〔旧馬場家住宅〕
2022年08月10日
馬場家は、江戸後期から活躍した北前船主・廻船問屋の家です。屋号は「道正屋(どうしょうや)」で、道正村(現・富山市道正)より移り住んだことに由来します。当家は19世紀前半、7代当主久兵衛のころより、北前船交易を活発に行い、隆盛の礎を築きました。明治中期、8代当主道久のとき、北前船から汽船経営に舵を切り、明治36年(1903)には馬場合資会社を設立、近代的な海運業者へと成長しました。また、他分野においても、銀行の設立など富山の産業振興に貢献しました。また、馬場家9代当主道久の妻はるは、旧制富山高等学校設立のために多額の寄附をしたことでも知られています。
当家は「岩瀬五大家」の筆頭に挙げられ、北陸の「五大北前船主」のひとつにも数えられています。当住宅は、明治6(1873)年の大火の後、以前の部材を用いて建てられたと考えられています。東岩瀬町の中でも最大規模の住宅です。敷地内には主屋のほかに三階建ての前蔵・壱番蔵・弐番蔵、二千石の広大な米蔵、西門及び西塀が現存し、廻船業が盛んであった当時の面影が残っています。平成28(2016)年8月に国の登録有形文化財となりました。当住宅は令和3(2021)年1月より一般公開され、一部貸室も行っています。
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
休業日 年末年始(12月28日~1月4日)、その他臨時休館あり
入館料 大人100円 高校生以下無料
(旧馬場家住宅との共通観覧料 大人180円 高校生以下は無料)
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R4.7.17
住所: 富山県富山市東岩瀬町107-2