内海大橋(福山市〔旧沼隈町・旧内海町〕)
直線ではなく「くの字」にカーブしているのが特徴・直線ではなく「くの字」にカーブしているのが特徴
2022年09月13日
内海大橋は、沼隈半島の先端・沼隈町常石と内海町の田島を結ぶ橋で、全長は832m、直線ではなく「くの字」にカーブしているのが特徴です。
内海町は,広島県の南東部、沼隈半島の南西約0.5kmの海上に東西に横たわる田島・横島の二つの島からなっており,気候は温暖で風光明媚な自然環境に恵まれたところです。
しかし、離島であることから人口の流出と高齢化、地場産業の伸び悩みなど大きな課題をかかえており、島外への移動はすべて海上交通に依存せざるを得ず,制約が多い状況でした。
こうした中,地元では昭和44(1969)年11月に,島民福祉の向上と民生の安定,地域産業の育成による島民定住化の達成を目的とした架橋運動「沼隈内海架橋促進期成同盟会」が始まり,広島県では昭和45(1970)年より調査を開始,昭和54(1989)年度には橋梁整備事業として採択され,待望の「内海大橋」架橋が実現することとなりました。
架橋位置となる海峡幅は,直線距離で550mほどですがが,海峡中央部の「マナイタゾワイ」と呼ばれる岩礁により,航行水域が二分されていたことから,架橋による橋脚の増加で航行水域に制約を与えることが困難であったため、岩礁を利用し橋脚を設置し,線形を独特の「く」の字型として航行水域への影響を最小限に抑えるルートが浮上しました。
通常,橋長が長くなれば工事費が増大するため,最短距離を検討するのが一般的ですが,岩礁が橋脚を設置するための十分な地盤条件を備えていたことや,取付道路の線形を無理なく計画できることなどから,直線橋に比較して経済性でも優位性が認められ、橋梁形式は,航行水域となる岩礁の左右の主橋梁をニールセンローゼ橋とし,さらに横方向の剛性を高めるためアーチ面を内側に傾斜させた「バスケットハンドル型」を採用しました。
曲線とアーチが織り成すペールスカイの内海大橋は,瀬戸内海の光景に絶妙のアクセントを与えるデザイン性に優れた橋梁となり、昭和56(1981)年、取付道路工事着手、昭和57(1982)年7月下部工起工式、昭和61(1986)年3月上部工工事着手を経て、平成元(1989)年10月、完成・供用開始となりました。
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R4.9.3
住所: 広島県福山市内海町・沼隈町常石
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