可部屋集成館・櫻井家住宅・庭園(奥出雲町〔旧仁多町〕)
日曜劇場「VIVANT」にも登場した可部屋集成館・櫻井家住宅・庭園
2024年12月10日

櫻井家は戦国の武将塙団右衛門の末裔家です。
大坂夏の陣で始祖討死の後、嫡男直胤は母方の姓「櫻井」を名乗り広島の福島正則に仕えましたが、同家改易の時広島の郊外「可部郷」に住み鉄山業を営みました。
正保元(1644)年、3代直重は出雲領上阿井の地に移り、屋号を「可部屋」と呼び ”菊一印” の銘鉄を創り出しました。
また、「菊一」は、日本最高の鉄砲鍛冶集団である「国友」の年寄脇国友一貫斎藤兵衛が最も良い鉄砲地鉄として認め、松江藩より「御鉄砲地鉄鍛方」も命ぜられていました。
その業績は松江藩に認められ、やがて5代利吉は「鉄師頭取」の要職を拝命し広く地域内の鉄山業を総取り仕切りました。
櫻井家住宅と櫻井氏庭園は、江戸時代より製鉄業を営み、松江藩の鉄師頭取を動めた櫻井家の歴史を伝える重要な文化道産です。
屋敷地は、南の内谷川と、北の山林に挟まれた谷にあり、敷地内には、松江藩主が着在した設産販を持つ主屋を中心に、別棟や土蔵など、江戸時代から昭和前期にかけての建造物が多数建ち並びます。最も古い建造物は享保20(1735)年建築の「古蔵」です。
庭園は、御成座敷に附属し、松江藩主松平治郷(不昧)によって命名された、「岩浪」と呼ばれる瀑布が特色です。池泉の傍らには明治11(1878)年絵師田能村直入にようて建てられた茶亭「掬掃亭」があるほか、庭園南には松江藩主をお迎えした御成門を設けた板塀が巡らされています。
江戸時代の、たたら製鉄の中心地である奥出雲にあって、鉄師頭取の屋敷構え全体を伝えるこれらの優れた建造物群は、四季折々の美しさを見せる周囲の自然と一体となって、固有の景観を形成しています。
本宅に隣接した可部屋集成館は鉄筋平屋建和風の入母屋造りで、面積460平方メートルです。タタラ関係資料、不昧(松平治郷)直筆の掛軸、古文書をはじめ、当家で常用された調度品、武具、あるいは同家を訪れた文人墨客の美術工芸品約4,500点を収蔵し公開しています。
平成9(1997)年12月26日、島根県指定有形文化財に平成15(2003)年5月30日、国指定重要文化財 、平成26(2014)年3月18日国選定重要文化的景観、平成29(2017)年10月13日国指定名勝に選定されています。
令和5(2023)年夏、TBS系テレビドラマ日曜劇場「VIVANT」に、櫻井家をモデルとする名家が登場し、住宅がロケ地となりました。
営業時間
3月下旬〜12月上旬 9:00〜16:30
休業日
月曜、12月中旬~3月中旬 祝日の場合は翌日休
入場料
可部屋集成館・庭園共通券
大人1,000円 高校生・大学生650円 小中学生450円
可部屋集成館
大人700円 高校生・大学生400円 小中学生300円
庭園
大人400円 高校生・大学生300円 小中学生200円
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R6.11.23
住所: 島根県仁多郡奥出雲町上阿井1655
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