久々のアップですが、ふとリコール情報を追いかけていると、近年でR2の物がありました。
よくよく内容を見てみると同一問題の再リコールで、当初のリコールの内容に疑義があって、私自身がメーカならびに国土交通省に申告したにもかかわらず、「問題無し」とほぼ門前払いになった件で、この再リコールを見るに、当時の対応に絡みメーカと国土交通省、特に国土交通省のあり方に非常に大きな問題があると思われること、ならびに昨今発生して話題となっている「愛知・伊勢湾岸道事故」で車両が停止してしまった原因が数年前から申告のあった「スロットル関連部品」の不具合が放置されていた懸念があることとも極めて類似していることもあり、少々陳腐化した感があるものの、敢えて整理・解説したブログとして残すこととします。
なお、本件の不具合が発生すると、最悪はジワジワ進まないでは無く、高速走行中であれば、突然のもの凄い異音とともに、エンジンが停止して車両が走行不能になってしまう可能性があり、奇しくも「愛知・伊勢湾岸道事故」と同様の結果を招く可能性があります。
最初のリコールAは、平成20年(2008年)7月17日。
https://www.subaru.co.jp/recall/archives/data/08-07-17.html
二度目のリコールBは、平成23年(2011年)3月17日。
https://www.subaru.co.jp/recall/archives/data/11-03-17.html
1. 『不具合の部位(部品名)』
ABとも「原動機(クランクプーリ)」
2. 『基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因』
A 「エンジンの防振ゴム付クランクプーリの防振ゴムの接着面が剥離するものがある。そのため、当該クランクプーリのリング(外輪)が脱落し、発電機が作動しなくなり、エンジンが停止するおそれがある。」
B 「エンジンの防振ゴム付クランクプーリにおいて、当該防振ゴムの接着面が製造工程不良等のため、使用過程において剥離するものがある。そのため、当該クランクプーリの外輪が空転し、発電機が作動しなくなり、エンジンが停止するおそれがある。」
<コメント>
基本的に同じであり、リコールAの対策にて
問題があって再リコールになったことが明言されていません。
(リコールB末尾の(備考)にて関連として記されてはいる)
あたかも、まず発電をしなくなり、(バッテリの充電が為されないことにより、しばらくしてバッテリが容量不足になって)エンジンが停止するかの様な説明ですが、最悪は
前触れ無くプーリにかかっているベルトが外れて食い付くために、もの凄い異音とともにエンジンがほぼ瞬時に停止して走行不能になり、レッカー移動しなければならない状況になる様です。
(5.で言及している過去の掲示板の情報による)
3. 『改善措置の内容』
A 「全車両、当該クランクプーリの防振ゴムの接着面を点検し、剥離しているものは対策品のプーリと交換する。
剥離していないものはクランクプーリ側面に外輪脱落防止用のプレートを装着する。」
B 「全車両、クランクプーリと
外輪脱落防止用プレートを取り外し、クランクプーリを対策品に交換する。また、当該作業時に
クランクプーリと外輪脱落防止用プレートが接触している場合、又は、補機駆動ベルトの損傷が認められる場合は、補機駆動ベルトを新品に交換する。」
<コメント>(リコールAの問題点)
リコールAで脱落するであろうクランクプーリを交換せず、外輪脱落防止用のプレートを装着した物では、クランクプーリが脱落の根本を防止できないのはもちろん、外れかかったクランクプーリが外輪脱落防止用のプレートによって支持され、外れて作動不良になることが阻止されてしまうため、クランクプーリの剥離面の摩擦が長期間継続することにより異常発熱する可能性さえも加わるなど、より深刻な問題を起こす可能性があり、外輪脱落防止用のプレートを装着することは、まさに「焼け石に水」の不適切なリコールであることは、少々科学的センスのある方なら容易に思いが及びます。
(リコールBの文言からも伺えます)
4. 『不具合件数』
A 「112件」
B 「555件」
<コメント>
リコールしてなお不具合件数が大幅に増加していると言うのは、
(リコールAの問題点)に説明する通り、リコールAが不適切であったに他なりません。
Bの件数がAの112件を含んでいるとするならば、443件の追加発生で根本的な問題部品を交換しなかったことにより、
外輪脱落防止用のプレートの副作用により約4倍もの不具合が発生したとも考えられます。
ちなみに、リコールB対象台数からリコールAからのリコールB対策完了率を読むと12.8%(型式個別には11~15%)で、それほど問題が発生したか?、やはり納得が行かないとプーリ交換に踏み切ったユーザやディーラが多かったのか?といったところです。
5. 『発見の動機』
ABとも「国土交通省からの指摘および市場からの情報による。」
<コメント>
マニュアル記述だと思いますが、まずリコールAは過去あったここの掲示板でも議論があって私も参加し、
外輪脱落防止用のプレートの装着では納得が行かないというコメントを残し、それに賛同された数名の方は外輪脱落防止用のプレートの装着では無い対策品のプーリへの交換になさったという経緯があります。
(当時の掲示板のやり取りによれば、それがディーラに拒絶されることはなかった様です)
そして、私の関連車両(愛車登録では無い物)も点検の知らない間に外輪脱落防止用のプレートの装着が為されたため、対策品のプーリへの交換に変更してもらいました。
その一方、当時他のお客様にも関係する重大なことであると考えて、このことはスバルのお客様センターならびに国土交通省へリコール内容に対する異議の申告をしました。
しかしながら、厳密な記憶はありませんが、上記
(リコールAの問題点)に関して電話にて延々長時間にわたって説明して内容を(現在で言うリコールBへ)見直す様に申告しましたが、スバルならびに国土交通省は全く理解を示しませんでした。
記憶する限り、国土交通省が最後に言い放ったことは、
「メーカが大丈夫と言うのだから大丈夫であって、それを国土交通省が審査してどうこう言う物でも無く、一度出されたリコールが翻ることは無い!」でした。
(当時の業務日報等の対応記録があれば、隠蔽しない限り残っているはずです)
唖然とする様なこういった対応がメーカと国土交通省の運用の実態で、
重要なリコールの届出に対して国土交通省は「右から左」へのスルーであって、何らチェック機能を果たしていないばかりか、いかに民からの有益な指摘があっても何ら受け入れられないという明確な問題事実があるということです。
関連で、国土交通省には不具合情報が検索できるデータベースもありますが、実際に問題に遭遇したりとか、同一車種を所有していることで重要そうな問題の関連を窓口に尋ねてみたところで、それに対するアクション的な情報はリコールなどで開示されている以外は微塵も無く、データの信憑性を考慮してさらなる調査で真偽を確認するとか、これを元に積極的にアクションを取っているということは全く無い様です。
すなわち、毒にも薬にもならない単なる
「情報の羅列」であり、
単に「取り組んでいると言う振りをしているのみ」以外の何物でもありませんので、血税の無駄遣いになっているのが実態であり、こういったことが後を絶たないリコールの元にもなっているのではないかと思います。
(試しに保有車の関連とかをピックアップして電話なされば容易にわかると思います)
ドラマチックに描写するなら、リコールの届出は、おおよそメーカが手土産を持って国土交通省に出向くか、あるいは接待で以って国土交通省の役人を迎え入れるかで、談笑しながら進むといった感じではないでしょうか。
(そうなれば、民間からの申告に対して上記の様な対応になってしかりです)
政治でもある意味「事業仕分け」ブームになりましたが、本質を考えるとまさにその対象にしても良いのではないかと言えるほどで、メディアとか関係のコメンテータがこういった運用の実態を問題にしないことの方が異様な気もします。
皮肉的に言うなら、たとえ天下りであっても、こういった問題にメスを入れ、きちんと中身のある運用をしていただけるのであれば、そういった業務の委託先に天下りしていただいた方がよほどか国民のためになって結構な話だと思います。
いずれにしても、国土交通省の無能・怠慢・愚策の結果、「もっともらしく出されたリコールが安全を保証するとは限らない可能性が極めて高い」ということですから、こういったケースに対応した
ユーザサイドの異議等の申告に対して、同一件申告者に対して共有可能な回答を義務付けるなど、厳格に内容を有効に見直す制度が必須と言えるのではないかと思います。
Posted at 2013/08/03 02:49:11 | |
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