• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2009年02月05日

My fun lenses 03 - アダプトールのお気楽マクロ(52BB)

こんばんは、銀匙です。

マクロが続いておりますが、今回もタムロンのMFマクロレンズ、SP90mmF2.5(52BB)を紹介します。
前回の52Eと同じ52系マクロですので、52Eとの違いとアダプトールの話を中心にお話していきます。

タムロン90mmマクロの歴史はこちらをご覧くださいね。

まずは52BBと、PENTAX-KA用アダプトール(63C)の写真から。


ちなみにこの写真は昨日ご紹介した52EでF5.6で撮影しています。
KeiG師匠、こんなもんで如何でしょうか・・・


さて。
52系の2代目となる52BBは、初代の52Bと同じレンズ構成ながら、52Bの総金属製からプラスチック製の鏡筒へと変わり、幅の広いブロックパターンの刻まれたゴム製のピントリングが与えられました。
また、52Bでは等倍接写する際は2倍テレコンを使うしかなかったのですが、52BBではマクロエクステンダーという専用の部品も供給しました。
ただし、現在ではこのエクステンダーを見る事はほとんどありません。
別売りだった事もありますが、脱着にレンズを一旦外さねばならず、不便だったのでしょう。

プラ製レンズを見慣れた現在の目から見ると52Bの方が総金属製で新鮮に見えますが、当時はプラスチックの工作精度は発展途上だった為、最先端の技術でもありました。
そして、この52BBは市場で良く見かける事から、寿命という点でも良かったのだと思います。

ちなみに、金属製ですと氷点下の世界では指とレンズが貼り付く事がありますが、プラ製ではそのリスクが少ないというのも、当時は宣伝文句だったようです。
そんな酷寒の中の撮影なんて・・あ、私はあるか(汗)

ただし、個体によってコンディションのばらつきも値段のばらつきも大きいです。
ちょっと外見がスレてるからと8000円位の札を下げてる店もあれば、52系レンズだからといって大したコンディションでもないのに2万以上の札を下げてるところもあります。
1万ちょいでレンズの状態が良い物を買えると思ってください。
アダプトールは別途入手する必要がありますが。

さて、52Eも52BBもプラ鏡筒ですが、52BBはピントリングがめっちゃ太いので、いかにもマクロレンズといった風情です。
また、ファインダーで見た時、このレンズはピントの合った所とそうでない所の区別が異様にハッキリ解る為、私の持っているMFレンズの中ではピントの合わせやすさはトップクラスです。
つまり、MF専用ですがピンズレを起こす確率が異様に少ない、誠に良く出来たレンズなのです。

52Bのように神格化されていないので値段も52系で最も安く、接写主体の90mmハーフマクロならば、これは良い選択肢・・・と言いたいのですが、ここで注意点があります。
マウントの問題です。

タムロンではこの時期、アダプトールと呼ばれる、各社用の銀色のマウントリングをアダプタのようにレンズ後端に付ける事で各社向けの対応をしていました。
アダプトールはADAPT-ALLから来ているようです。
マウントが乱立した頃の対策だったのでしょう。
私が知っている限りですが、PENTAX-ES(自動絞り対応のM42マウント)、PENTAX-K、ミノルタMD、CANON-FD、CANON-EOS、α、ニコンAiS(爪有無それぞれ)、オリンパスOM用など、かなりの種類を出していました。

しかし。

αとM42とPENTAXの事情しか知らないので、その3つについて留意点を述べます。
まずα用ですが、これは55Bという500mmF8ミラーレンズ専用のアダプトールだったので、絞りを制御する事が出来ません。なぜならミラーレンズはF8しか選べないから、制御する必要がないのです。

ではM42用はどうかと言うと、α700で言えば使いにくいのです。
M42アダプトール(ES用)は外周に大きな出っ張りがある為、αボディにM42マウントアダプタを装着したままM42アダプトールをねじ込んでいくと、回している途中でファインダー部に当たってしまいます。
従って、他のM42と一緒に使おうとしても、M42アダプトールを使う時だけは一旦αボディからM42マウントアダプタを外し、M42アダプトールにM42マウントアダプタをねじ込んでから、αボディに入れ直さなくてはなりません。

これは至極不便です。

元々M42マウントのカメラ、例えばペンタックスSP(銀塩カメラ)であれば問題なく使えますが、ファインダー部が前にせり出しているAF世代のボディでは注意が必要です。

では、アダプトールレンズはデジカメでは使えないのかというと、そんな事はありません。
私はPENTAXのデジカメで違和感なく使っています。
PENTAXのKマウント用のアダプトールは、マウント面がつるつるのK用と3つの電子端子が並んでいるKA用の2種類があります。
このKA用(型番63C)を使うと、例えば私の使っている*istDS2では、PENTAX純正のAレンズと同じ使い方が出来ます。
ファインダー内にはF値が表示され、ボディ側ダイヤルで絞りをコントロール出来、露出調整も指定した絞りに応じて行われ、ISO自動追従モードも作動しますし、フォーカスインジケータも作動します。
要するにMF専用と言う以外、今のレンズと違いがないのです。

ただし。
皆さん同じ結論になるようで、例えばAiS用のアダプトールは大量にみかけ、2000円も出せば買えます。CANON-FD用も同じ。
しかし、M42用はたまに見かけて5000円くらいします。
そしてPENTAX用はK用がたまに5000円程度で見かけますが、KA用は本当に少なく、出たら8000円~1万円と極めて足元を見られます。
なお、EOSやαは今まで現物を見た事がありません。

私は63C(KA用)を3本、1年かけて見つけ出しました。
1本は63C単体で8500円で購入し、1本はジャンクの55Bとセットで15000円で購入し、最後の1つは63C単体で懇意にしているカメラ屋さんから、動作未確認という条件付で2100円で買いました。

この、「動作未確認」て何?という点も説明します。
他のアダプトールと異なり、63C(KA用)アダプトールはボディ側に電子情報としてF値を伝える機構が備わっています。
この機構が非常に繊細で、また、ボディ側が接点位置を微妙に規格変更している影響で、接触不良を起こしている個体があるのです。

従って親切なカメラ屋さんでは63Cの場合はちゃんとKAマウントのカメラにつけてみてF値が正しく伝達される個体の場合だけ売り、それ以外は調整を試みて、ダメならジャンク扱いとします。
しかし、世の中は不親切(あるいは無知)なカメラ屋も多く、ネット上では接点不良や伝達不良品を高値でつかまされたと言う酷い話も聞きます。
従って、ネットオークションで買うのは極めてリスキーな品なのです。

また、63Cは生産総数がK用よりも少なかった事も災いし、母数が少ない上に故障個体もある、買った人は予備の意味で複数入手して手放さない、なのにデジイチ人気も手伝って欲しい人は増加しているという状況なので、63Cだけ異常な相場になっているのです。

なお、63Cの故障個体のうち、調整不良の場合と接点不良の場合は修理することが可能だそうで、その方法を公開している方も居られます。
ただ、それなりの器用さは求められるようですが。

そんなわけで、52BB自体は現代でも遜色なく使えるレンズです。
ただしPENTAXユーザーは、その価値はありますが、63Cアダプトールを根性で探す必要があります。
オリンパスOMだと今のフォーサーズでも使えるのかな?
OM用は少ないですが、M42用と同じような頻度で見かけますから、オリンパスやパナソニックユーザーには穴場の選択肢かもしれません。
でも、フォーサーズだと180mm相当になりますから、使う状況が限られてしまいますね。

もし良い状態の52BBとお手持ちのデジカメに合うアダプトールが手に入ったなら、たとえば菜の花や桜などを、そぞろ歩きしながらパチリパチリとやると楽しいこと請け合いです。

52Eでも書きましたが、この子も9枚の円形絞りを持っていますのでボケの質は良いですし、ピント合わせも楽しいです。

なお、アダプトール世代のレンズを複数のボディで使う場合、ボディ側にアダプトールを残したままレンズだけボディ間を行き来させるという手もあります。
これですと複数メーカーのカメラボディを持っていても、それ毎のレンズを持参しなくて良いので、携行重量を減らせるというメリットもあります。
アダプトールはアダプトール用のタムロンレンズならどれでも使えますので、たとえば70-210mmF3.5(19AH)と90mmマクロの2本を持ち、PENTAXとニコンのボディにアダプトールを付けていくという事が出来るのです。

最後になりましたが、重さは456gと52Eよりも50g程度重いです。
ちなみに52Bは金属製なのに420g。
この辺が、52BBがなぜ安いのかというひとつの理由かもしれません。

参考情報(タムロンのサイトです):
52BBのページ
過去、私が撮ったサンプル写真(桜)
ブログ一覧 | My fun lenses | 日記
Posted at 2009/02/05 23:57:10

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

今日のサラメシ2025 No.15
Red Bull Dogさん

ホンマかいな⁉️🤭😅
うらあきさん

🍳100均グッズ セリア ふわふ ...
ババロンさん

皆さん、こんばんは〜🙋🏻今日は ...
PHEV好きさん

晴れ(朝は爽快・・・)
らんさまさん

にゃんこdiary 7
べるぐそんさん

この記事へのコメント

2009年2月6日 10:34
ん~絞りからいくと結構光源が弱い気が・・・
あと~光の質自体はまだまだ硬いですよ。
バウンスしてみては・・・(^^)
コメントへの返答
2009年2月7日 21:07
すみません。お返事遅くなりました。

さすが師匠、お見通しですね。
実はスタンドライトはクリプトン球の小さな玉で直接当てています。
うちの部屋で動かせるスタンドがそれしかなくて・・・

ヒカル小町Di使ってみようかな。
A4白紙を筒状に巻いてみるとか、色々やってみます~
2016年4月21日 15:52
初めまして、爆音太郎と申します。

タムロンで検索しましたら

あなた様のページにたどり着きました


教えていただきたい事がありまして、メッセージを送らさせていただいました。


最近タムロンSP500を購入しました

カメラはニコンです

アダプトール2を装着すると

F8固定のレンズなのに

「4」になります

これはアダプトールが故障してるという事でしょうか❓

撮影には問題無いようです。

よろしくご教授お願いします(*^^*)
コメントへの返答
2016年4月21日 20:59
こんばんは。

まず、私は既にアダプトールのレンズが手元に無いので記憶の範囲で答えます。

4になる、というのはどこの事かが解らないのですが、カメラ内のF値の話であれば、カップリングキーとマッチングスロットがきちんと合わさっていないという事です。

アダプトールの公式な説明書はWeb上で探しきれなかったのですが、こちらのサイトを参考にしてみてください。

http://teslabar.blogspot.jp/2013/09/tamron-adaptall-2-for-canon-fd-mount.html

FDマウントを例にしていますが、ニコンマウントでも同じです。

SP500はF8固定ですからアダプトール側のカップリングキーをF8にセットしてからはめればマッチングスロットに入れやすいでしょう。
普通はレンズ側もアダプトール側も絞り開放にしてからはめて、少しだけカップリングキーを動かしてマッチングスロットに嵌めればいいんですけどね。

他は私もちょっと心当たりがないので、これで解決するといいのですが。

では。
2016年4月21日 21:19
ご丁寧なお返事ありがとうございます。(*^^*)

参考になりました。


どうやら故障している感じです💦
コメントへの返答
2016年4月21日 21:31
そうですか・・それは残念でしたね。

63Cとかだと本当に探すのが大変ですが、ニコン用のアダプトールは良く見かけますから、アダプトール側の故障なら買い替えるのも良いかもしれませんね。

プロフィール

「SEL16F28の再評価と、ALC-SH113を付ける為の改造方法 http://cvw.jp/b/161516/48426658/
何シテル?   05/12 15:17
BMW318、ギャラン、ボルボS80、アベンシス、BMW525、そして現在のスイフトと乗ってきました。 セダン好きと言い切っていたのですが、スイフトの性能と使...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

掲示板

<< 2025/5 >>

    123
45678910
11 121314151617
18192021222324
25262728293031

愛車一覧

スズキ スイフト スズキ スイフト
現在の所有車です。 前回のXSは1型(初期型)、今回のRSは3型(最終型)になります。 ...
三菱 パジェロミニ 三菱 パジェロミニ
24年落ち、12万5千キロ走行した中古車として購入。 もはやクラシックカーの域である。 ...
スズキ スイフト スズキ スイフト
2016年10月まで約5年所有しました。 素の性能が良いので、細かい所だけ手を入れてまし ...
BMW 5シリーズ セダン BMW 5シリーズ セダン
5シリーズです。 E39の最終型(03年式)で、当然中古車です。 Mもハイラインもない本 ...

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2008年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2007年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2006年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2005年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation