こんばんは、銀匙です。
前回のブログでC-HRで北海道走ってきたよと書きましたが、まぁそんな長距離をただ運転してきたわけではありません。
本来の目的は撮影旅行でございます。
背中に背負ったリュックはカメラと用品類がほとんどを占めてるわけです。
ラインナップもほとんど最終整理が進み、ほぼ固定化しています。
防湿庫がだいぶスカスカになってきました。
使わないものは市場に返さないといけません。
カビとか生えたら可哀想ですからね。
ちなみに、この旅行の為にケースロジック社製のリュックも買ったんですけども・・あまりに色々ダメな子でしたので、このリュックについては型番も伏せて無かった事にします。
ケースロジックの製品は結構好きなんですけどね・・リュックは難しいなあ。
おとなしくドンケのF-2買っとけば良かったかなあ。
で。
上記とは別に、常に身に着ける形で旅行直前に買ったRX100M3を持参しました。
キャッシュバックキャンペーンがあるGW直前に買ったわけですが、今でも予備バッテリとか保護フィルムとかの付属品も買えば7万はするカメラでございます。
以前持っていたRX100無印とどう違うのか、M3はどこまで対応できるのか、一眼とかとどう違うのか。
そんな辺りを今回は話したいと思います。
まず総評ですが、「やっぱり便利目的のカメラ」となります。
や、まぁ、スマホとか、2万そこらのコンデジに比べれば悪くはないですよ。
例えばこういうのは向いてます。
おかみさんが走り回る混雑した店内で、大将が手を止めてこちらを向いてにっこにこしてる前で、よっこいしょとデカいカメラ取り出して、長い最短撮影距離の為に椅子から立ち上がって、MFで延々ピント合わせた挙句にバッシャバッシャとシャッター音立てて撮ったら帰れ言われますよ。
M3ならそんなマナー違反をしなくてすみます。
シャッター音も無音です。寄れます。広角で軽いですからスマートに撮れます。
M3の暗い場所でも綺麗に撮れるといううたい文句は上の写真を見る限り嘘じゃないなと思いますしね。
また、旅先のスナップ的にも使えます。
こんなんですね。
「ここ行ったでー、レンタカーでこれ借りたんや」
「へー」
みたいな会話の為のメモ的には十分です。
後はこうしたきっちりとした晴天や、
こうした明暗差の激しい所でのHDRも(過去の一眼レフ達に比べたら)使い物になります。
ボケも悪い物じゃありませんし、やっぱり24mm始まりという広さ、ステップズームを使えば24mm、28mm、35mm(それ以上もありますが)が全部手のひらに収まるというのは便利です。
じゃあ悪くないじゃん。
ん、まぁ、そうですね。もともと私は28mmはスナップとして使うシーンが多いので満足してますよ。
ただ、私、言ってない状況があるんですよ。
例えば、朝。
下の2枚は10秒も間隔を開けずに撮ったんです。
露出どころか色味まで大暴れです。
そしてこういう状況下で結構AFが迷う。
そして迷って間違ったとこにフォーカスしたままOKとしてしまうことがある。
これはいけません。
「・・・あ、AEは良いのにAFがすっぽぬけた・・わ、バカ、あ、あーあ・・・」
こんな感じです。
まぁ、NEX-6でもAEが暴れるオールドレンズとの組み合わせはあります。
ただ、そういう組み合わせはそういう状況下で使わなければいいんです。
M3はレンズ外せませんから強行するしかない。
そしてオールドレンズはMFオンリーですからフォーカスは暴れません。
なので露出調整に集中できるとも言えます。
実際、同じ時間帯、NEX-6にJupiter3の組み合わせで撮影すると、
まぁこれぐらいはザクザク撮れるわけです。
「うむうむ、今朝は大収穫だねぇ」
なーんてニヤニヤしながら機嫌よく軽機関砲のごとくシャッターを切っていけるんです。
この差は大きいですよ。
また、スナップ以上をM3に求めだすと途端に底の浅さが出てきます。
例えば先程見せたこの写真。
M3ではこんな感じでしたが、じゃあdp0で同じ場所、同じ時間に撮ったものの結果はというと、
違いますよね?
確かにdp0は癖がありまくるカメラです。
撮影自体は「慣れれば」手持ちでもできますが、現像工程はうんうん頭を悩ませます。
現像液の臭いと廃液処理の手間がない事は非常によいのですが、まぁ、要するに自家現像と比べるクラスの面倒くささです。
より正確に言えば、dp0をjpg撮って出しで運用するほど無意味な行為はありません。
dp0はRAWで撮影し、それなりのスペックを持つPCでしっかり現像処理してこそ、素人でもそれなりに本来の性能を引き出せるのです。
でも、手間をかければ良い写真になる能力を持つカメラと、最初から引き出しようがないカメラの間には、大きな隔たりがあるのです。
なので、RX100M3は、普通の撮影状況をカバーする使い方、常時所持しておく為のカメラとして優秀ですが、じゃあ特殊状況でも大丈夫か、一眼を食うか、dpクアトロがいらんかと言われたら笑顔でNOと言い切ります。
ただ、一眼でもヘボいレンズなら食われるでしょう。
18-200とかの高倍率系は軒並みM3以下でしょう。
逆光や斜光で盛大に緑のゴーストが出る重いだけのレンズとかも要りませんね。
あと、気になるRX100無印との比較ですが、RX100無印は上記でM3はこういう所で使えますよと書いたほとんどの状況で不合格と感じ、早々に手放しました。
簡単に言えば、RX100無印を買うなら1~2万のコンデジで良いです。
それらと明確な差異なんて見ても解りません。
レンズはボケが悪く、寄れません。
受光部というかプロセッサは世代が古いので絵作りはパッキパキ、ボケはガジガジ。
夜景への強さを除いて、1インチを積んだ意味がないです。
GRDigital4のように気の利いた1枚を描くような面白いサブデジではありませんけれど、一眼は取り出しにくい、でもどうせ被写体に向けるならそこそこ後で見られる画質で撮っておきなさいよというリクエストに、特殊条件を除けばほぼほぼ及第点を出せるカメラ。
それがRX100M3です。
M4やM5は動画とか連写とかを強化したものですし、私はその辺り要りません。
M2は・・もう私がコメントしなくても良いと思います。
以前から私はカメラシステムではなくレンズシステムだと言ってきたわけですが、RX100でも28-100より24-70の方が良いレンズだった、という事になるんだと思います。
もちろんCMOSと裏面反射型CMOS、無印のBIONZとM3のBIONZ-Xといった影響もコンデジである以上大きいと思いますがね。
あと、M3を1000枚ほど撮影しての感想ですが、撮影モードはお任せモード(緑)かプレミアムお任せモード(金)か、たまにPモードがあれば十分です。
フロントリングは何モードでもステップズームで決まり。
AとかMでこちょこちょやる意味はないです。
やはり1インチ素子ですから、35mm版やAPS-C版の感覚で設定しても思い通りにならんのです。
具体的に言えばボケにくく、被写界深度を浅くする撮り方は苦手です。
どうしてもボカしたければフォーカスしたいものとボカしたいものをできるだけ離し、フォーカスしたいものに出来るだけ寄る、ですかね。
最初の寿司の写真がそんな撮り方です。
これなら別に苦労してAで撮らなくてもPでカメラ寄せれば良いわけで。
個人的には、これらを解ったうえで買うなら5万くらいで満足だと思います。
つまり現在は2万ほど割高じゃないかなって思うという事です。
でも中古でさえも、まともなものは5万円台後半なんですよね。
絶対支払額、新品と中古の差額、そしてリスクを踏まえると中古の方が割高に感じます。
最後にRX100シリーズを中古で買うときの注意事項です。
NEXにもありましたけど、液晶表面の保護膜が剥がれてる個体が物凄く多いです。
使ってると絶対気になるのでちょっと安くても店員が何といっても絶対買っちゃだめです。
これ、無印からM5まで全然変わってません。
あと、M3以降のモデルは正面右肩の「SONY」と書かれた部分、そしてそのすぐ右側のストラップを通す部分辺りまでに、へこみが無いかよーく注意してください。
この部分はファインダーが上下する通路になってますが、大変薄く、ちょっとした衝撃で簡単にへこみます。
軽いへこみでもファインダーが上下するたびに接触するようになり、ファインダー外側に擦り傷がついてきます。
もちろん大きなへこみならファインダーが出てこなくなります。
前面部分はフロントリングまでセットでの交換となりますから、2万近くかかります。
なので数千円程度安かろうと買っちゃだめです。
RX100系を中古で買うときの留意事項はこの2点ですかね。
なお、鏡筒が出てくるときに引っかかるとか、エラーが出てるなんてのは粗大ゴミですから買ってはいけません。
今のカメラは電子精密機器です。
素人がドライバーと半田ごて持ってどうにかなるようなものじゃないのです。
たまにヤフオクでみかけますけど、割と最後までよく読まないと見落とすようなところに動作不良とか書いてるんですよね。
もっとダメな手合いがバッテリーが無いから動作確認してませんてやつ。
バッテリーなしでアンタどうしてたんだよ盗んできたのかって言いたいです。
絶対故障で動かないの解っててバッテリーが無いから確認してませんでしたーって誤魔化す算段が見え見えです。
そういうのに限って別IDでバッテリーだけ別売してそうだし。
本当にバッテリーなくしたならAmazonで互換電池でも買って、動作確認してその旨書けばよろしいのです。
引っかかる方より、引っかけようという悪意がある方が悪い。
あいつらは質の悪い詐欺というか、もう犯罪と言っていいと思います。
そう。
ここに、RX100シリーズを中古で買う特有のリスクがあります。
RX100シリーズは丈夫じゃない、ということです。
少なくともIXYとかCOOLPIXとかLUMIXとかの方がタフですし、それらの代替で購入して同じように運用したら割と早く壊れると思います。
だから欲しいなら新品で、扱いは丁寧に。
裸のままジーンズの尻ポケットにねじ込むとかナシです。
下手するとNEXより丁寧さが求められるかもしれません。
RX100M3は、確かにミラーレスやdp0の完全代替にはなりません。
でも、こういう言葉があります。
「どんなに優れたカメラでも、持ってなければ写せない」
「駄カメラは後で見る気が失せるから持っていても撮る気にならない」
ミラーレスに単焦点すら持っていくのが億劫な状況でも手に取る気になるサイズにこの画質水準を収めたということこそが、RX100シリーズの価値だと私は思います。