こんばんは、銀匙です。
師走に入り、昨年はそれでも海原の日の出を求めて夜中から出ていたものですが、今年は平日が多忙なためすっかり週末は家にいる始末。
半月ほど前になりますが、たまたま暇つぶしに見ていたオークションのサイトで、500mmのミラーレンズを見つけました。
YASHICAのCONTAXマウント用のレンズです。
いわゆる廉価ラインのレンズで、ネットでの評判もあまり聞きません。
ただ、当時のタムロンやシグマのミラーよりは良さそうかな、という印象のようです。
ちょっと競ってしまったので希望額を超過しましたが、まぁ数千円の出費。
競り落とした後、amazonでY/Cマウントをm43マウントにするアダプタを発注しました。
届いたミラーレンズは正直だいぶカビてましたし、何となくミラーも曇っている。
清掃を一通り行ってからE-PL3につなげて撮影したのが、これ。
Web上で見てこんなもんですから、モニタの壁紙とかにすると惨憺たる有様です。
もやもやです。
※一応、レンズ内気流対策で外に30分放置しておいてこれです。
で、以前から保有しているNikonのコンデジであるB700を月モードにして撮影したのがこれ。
たった1/2.3型センサーとはいえ、258mmの最新鋭レンズで見るとこれくらい写せるわけです。
ミラーよりよほどマシ。
ただ、やはり1/2.3型センサーの限界は見えてまして、23インチモニタの壁紙に耐えるほどではありません。
同じセンサーサイズのP900とかP1000とか物凄くお高いカメラなのですが、あっちは写り良いのかしら?それが怖くてあれは手を出せません。
ふむ。
やはり月を壁紙で使える程度に撮るにはBORG沼とかVixenとかケンコーといった天体望遠鏡買わないとだめなのか、でもエントリークラスでも軽く5万行くし、置き場所がなあ・・
月の画像ダウンロードした方が安上がりで確実じゃないの?いやいやそれじゃ趣味として・・
とまぁ、そんな風に悶々としていたのですが、つい先日、新宿で見つけてしまったのですよ。
テレトキナー800mmF8
しかもお値段15000円。これはお手頃。
レンズの状態も良かったので早速譲っていただきまして。
このレンズ、カメラ用のレンズですから絞りとかピント合わせ用のメモリとかあるんですが、マウントがTマウントなんですね。
Tマウントというのは主に天体望遠鏡で使われている共通規格のマウントで、TマウントからNEXとか、Tマウントからm43といったアダプタを手に入れることで、カメラマウントが変わってもレンズは使い続けられるんです。
天体望遠鏡は簡単に数十万に達しますからそう簡単に買い換えられないですしね。
で。
おまけでついてきたのがTマウントからミノルタAマウントに変換するアダプタだったので、更にミノルタAマウントからEマウントに変換するアダプタをかませて、
レンズ-Tマウント-ミノルタAマウント-Eマウント-NEX5T
といった感じでテレトキナーとNEX5Tをつなげました。
それを上から見たのがこの写真です。
ラブリー・・・
三脚は足を延ばしていませんが、足元の500mmミラーを付けたE-PL3が実に可愛らしい。
三脚の隣にあるのがテレトキナー800mmF8とNEX-5Tです。
NEXは一番上にありますが、もはやレンズのおまけ扱いです。
全長76cm、対物レンズ口径は驚異の11.5cm。
では、ミラーレンズと並べてみましょう。
500mmミラーレンズよりでかいわけです。
まぁ800mmで同じ開放F値なんですから大きいのは当然なんですけどね。
とにかくデカい。
これくらい長さが違う。
ちなみにこの雲台はα7系に400mmAFレンズを付けて、多少ネジを緩めてても内蔵されたスプリングが働いてスムーズに動かせるのですが、このテレトキナーを乗せるときっちりネジを締め上げないと勝手に動いてしまいます。それくらい重い。
だから月を追いかけるのが超面倒くさい。
お前ここまで引っ張ったんだからこれでショボかったら解ってるだろうなと思ってるでしょう?
そうですよね。
ではテレトキナーとNEX5Tで撮影した月をご覧いただきましょう。
じゃん。
凄いです。
まるっきり次元が違います。
ちなみにミラー500㎜もB700も、掲載した写真はすべて同じ日、ほぼ同じ時間帯に撮ってます。
テレトキナー圧勝ですよね。
ただし。
テレトキナー800㎜はミラーではない、天体望遠鏡で言うと屈折式という、まぁカメラでおなじみの構成です。
ですが、カメラ用の300mmくらいの安い望遠レンズでも普通に起こりますが、この構成は超望遠になるほど酷い色収差が出るんですね。
テレトキナーも出ます。それも尋常じゃないくらい出ます。
昼間に使おうとは思わないくらい。そして月面撮影でもモノクロの方が良いかなと思うくらい。
対してミラーレンズは色収差が理論上は出ません。
ただ、レンズ内気流の乱れとか、基本的に暗いとか、良いミラーレンズは桁違いにデカくて高い=カメラ用の500mm程度で良い物は無いとか、こちらも欠点があります。
手にしてるミラーはかなり程度が悪いので、本当ならKENKOがOEMしてるSAMYANGの800mmミラーとかを新品かそれに近い中古で買わないと比較できないですけどね。
そう見ていくと、B700はちょっと拡大すると1/2.3型センサーの限界が見えてしまいますが、多少縮小する方向で小さめの画像として壁紙にするならアリだと思いますし、なによりお値段がシステムトータルで4万しませんし、撮影もその後もお手軽です。旅行に持ち出すのも可能です。
35mm換算すれば1440mmですが実際のレンズはたった258mmですし、EDとVRで武装してますから色収差もほとんどありません。
さすがに列車や飛行機の旅にテレトキナー抱えて行く気は起きませんが、B700は24-1440mmのズームレンズですから1台持っていけば事足りるわけです。まさにツアースペシャル。
そういうわけでB700とテレトキナーはそれぞれ住み分けるんじゃないかなと。
YASHICAのミラーはもうちょっと頑張って欲しかったなあ・・うーん