こんにちは、銀匙です。
さて、先日からα7をポチるかα7Rをポチるか悩みに悩んでいたわけですが、結局α7をポチる事に致しました。
前回のブログでも既に大変な様子だったわけで、ポチったカメラがいつ入荷するのか解りませんが、まあ待ってみようと思います。
どうしてα7か。
世間的にはα7Rが圧倒的に人気のようなのですが、私が使う用途はオールドレンズ。
それも状態は低ランクから数えたほうが早い奴が多いのです。
ジャンクレンズを買ってきて自分で直して使うケースも多いですからね。
画素数的にも2400万でさえ使いませんし、ローパスレスだとレンズの内面反射やコーティングの傷みによる乱反射にもシビアであると思われます。
なので、私はチューニングカーと評されるα7Rより市販スポーツカーであるα7の方が相性が良いだろうと思ったわけです。
で。
折角様々なマウントが使えるEマウントなのですから、手持ちのレンズとαのカメラ数台、NEXでは3、C3、そして6で今まで行った経験を元に、状況別でα7を目一杯活用出来るレンズシステムを考えてみましょうという訳です。
被写体には街並み、山々、草花、朝焼け日没、星空、人物、乗り物と色々なジャンルがあります。
それらをそれほど高くなく、用途にあったオールドレンズを求めるとしたらどのあたりか。
レンズに求める基準や個人的な好みは勿論人それぞれあると思いますし、私も今まで触ったことのあるレンズを中心にして私の主観で書いていきますので、1人の意見として参考にしてもらえれば幸いです。
それでは始めましょう。
まず街並みですが、撮る時立ち位置が選べない、人混みだと大振りのレンズは目立つ、被写体がその場全体など広範囲になりがちである事などを考えますと、焦点距離レンジは28mmから50mm程度までの小型レンズが主役でしょう。
身も蓋もない事を言ってしまうと、街角スナップならQにDマウントシネレンズをつけるか、GRデジタル2か4とかを買ったほうが良いです。ヤツラはこういう時使いやす過ぎるといっても良いので。
で、α7に付けるレンズという事で考えるならば、まず上がるのは焦点距離と取り回しのバランスから言って
・PENTAX35mmF3.5等のM42系準広角レンズ
・コニカAR40mmF1.8等の標準域パンケーキ
このあたりでしょう。
もう少し予算があるなら、レンジファインダー系のレンズで、
・ライカのズマロン35mmF3.5
・キャノンのセレナー35mmF3.5
といった35mmレンズが良いでしょう。物凄くコンパクトなレンズですし、モノクロで撮ると特に面白いと思います。
変り種としては同じくレンジファインダー系のレンズで、
・ゾナーのコピーであるロシア製ジュピター8(50mmF2)
・ライカのエルマー50mmF3.5
という選択も面白いです。
同じく50mm系なら
・M42のPENTAX55mmF1.8
・M42のヤシノンDS50mmF1.9
・ローライQBMマウントのプラナー50mmF1.8HFT
・ライカRマウントのズミクロン50mmF2
・PENTAX-KマウントのXRリケノン50mmF2
このあたりも操作性が良く、写りもそれぞれ上質な個性があって良いと思います。
都会の街並みに限れば
・M42-ペンタコンオート50mmF1.8
も合うと思います。物凄く硬い描写をしますから金属やコンクリに向きます。これはE16mmF2.8+ワイコンも同じです。
次に、山々や草原など。
この場合は空の描写もセットで考える必要があり、対象のスケールが一層大きくなりますので、街並みよりも一回り広い広角レンズ、焦点距離は24mmから35mmあたりでしょう。
ここでもGRデジタル2か4は強さを発揮します。ほんとに一眼キラーなんですよね、GRデジタルは・・・・
で、α7の場合ですが、探しやすさから言うと
・キャノンFD、newFDマウントの28mmか35mmレンズ
・M42マウントのPENTAX28mmか35mmF3.5レンズ
とかのレンズがコスパも良いと思います。他にはちょっと見つけにくいかもしれませんが、
・ミノルタ(αAではなくSRレンズ)の24mmF2.8
あたりでしょうか。
このレンズはライカのエルマリートR24mmF2.8の元になったレンズであり、夕日などの繊細な色描写に優れています。
同じくミノルタSR系ならば28mmF2.5や35mmF3.5も良いと思います。
ミノルタのレンズ世代は後々のメンテナンスを考えればMC世代が良いでしょうけど、MD世代は比較的安価ですし、コーティングも強くなってますから、状態が良ければ買いでしょう。
ただし、MCもMDもタマ数がキャノンFD系に比べると少ないです。
超広角という事であれば、FDには17mmF4というレンズがあります。ただ、オールドレンズ全般そうですが、28mmより広角のレンズはタマ数が少なく、面白みが減り、高くなります。
次は草花です。ただし、紅葉や桜並木などの遠景は上の「山々や草原」と同じで良いと思います。
ここで私は引き伸ばしレンズをイチオシしたいです。
前回、引き伸ばしレンズのご紹介をしましたが、引き伸ばしレンズを上手く使うと75mmクラスでも5円玉を目一杯大写しに出来るくらい寄れます。
別に植物図鑑を作りたいわけじゃないと思われるかもしれませんが、草花において「寄れるか否か」というのは画角以上に必要となります。
多少望遠域の画角でも寄れるレンズの方がはっきり周囲をボカせるので良いのです。
タムロンの90mmF2.5(52Bか52BB)や、ロシア製のジュピター9(85mmF2)といった中望遠レンズでも良いですし、ボケ具合が良いローライQBMのHFTプラナー50mmF1.8やキャノンFL50mmF1.8等の標準域でもいいです。
ただ、M42のペンタコンオート50mmF1.8は33cmまで寄れるのですが、描写が硬いので図鑑っぽくなるかもしれません。
次は朝焼け日没です。ダイヤモンド富士もここに含みます。
太陽を大きく撮ると言う事であれば、100mmクラスの中望遠を使うと良いでしょう。
・ロシア製のジュピター9(85mmF2)
・ミノルタSRマウントの100mmF2.5
・タムロンの90mmF2.5(52B,52BB)
・キャノンの100mmF2.8かF4マクロ
この辺りですね。出来れば奇数の絞り羽か円形絞りを進めます。
135mmだとちょっと長いので、ケースを選ぶと思います。
風景全体を撮るのであれば、「山々や草原」で紹介したレンズが良いと思います。
さて、
頭を悩ませていた星空です。
以前、ここでSONYのE16F2.8にワイコンをつけて・・と書きましたが、あれはダメでした。
なぜなら、E16mmF2.8はピントリングに距離目盛が無く、対象物が暗くて見えない夜において、MFでもAFでも無限遠を出す事が出来ないのです。
従って、例えばDMFでシャッター半押しにしても無限で止まってくれず、どこにもピントがあってない所で止まってしまうと、そのままシャッターが切れてボケた写真になってしまいます。
これは非常に痛い。対象が見えなければ無限位置で止まってくれれば問題なかったのですが、盲点でした。
というわけで、星空は距離目盛があってMFで無限設定が出来るレンズでなくてはなりません。
・キャノンFD17mmF4か20mmF2.8
・PENTAX16mmフィッシュアイ
あたりですかね。見つからなかったら
・ミノルタ24mmF2.8
・キャノンFD24mmF2.8
位の焦点距離も良いかもしれません。28mm以上だとさすがに狭いです。
私はカビ有りですがFD17mmF4SSCを安く買えたので、自力でカビを取ったうえで使う事にしました。
次は人物です。
出来れば人物は動くのでパンフォーカスか高速AFがあるほうが良いんですよね。
高速AFは純正Eレンズしかなく、オールドレンズではないのでここでは書きません。
オールドレンズという事であれば、パンフォーカスで歪みが少ないか、前後ボケの綺麗なレンズが候補になります。
パンフォーカスで歪みが比較的少ないとなると
・ミノルタSR28mmF2.5
・キャノン28mmF2
あたりでしょうか。
ボケの綺麗なレンズとなると以下がオススメです。
ただし、焦点距離が伸びるほどMFを確実に行う必要がでてきます。
・M42PENTAX50mmF1.4(8枚玉model1)
・M42ヤシノンDS50mmF1.9
・ローライQBM50mmF1.8HFT
・リコーリケノン50mmF2
・ロシア製ジュピター9(85mmF2)
・タムロン90mmF2.5(52Bか52BB)
・ミノルタSR100mmF2.5
最後に乗り物です。
例えば飛行場でジャンボジェットの離着陸を撮る場合は最低でも250mmは必要です。
例えばサクラメインで飛行機も、というならともかく、135mmや200mmでは明らかに「もっと寄りたい!」となります。
この場合は
・キャノンFD300mmF4
等の超望遠単焦点を買いましょう。
ただ、超望遠ならPENTAX-QにM42の150mm程度のレンズをつけるほうが軽くて便利です。
車(レース)の場合は流し撮りがしやすい200mm程度でF5.6未満のレンズを買うといいでしょう。Qに50mmレンズをくっつけてもいいと思います。
ただ、M42PENTAXの200mmF4は薦めません。あれなら150mmF4で頑張るほうが結果は良いと思います。
なお、止まっている車両で、近くから撮れる場合は
・M42のペンタコンオート50mmF1.8
もカッチリとした良い描写をします。
如何でしたでしょうか。
色々ジャンルがある中で、これとこれは自分も撮るぞというジャンルがありましたら、そこに共通するレンズがあれば検討されても良いかと思います。
上で書いたレンズは現在、あるいは過去持っていたものですから、実際に撮影した経験があります。
ただ、今まではAPS-Cでしたがα7はフルサイズですので、焦点距離係数の変動を含めて再考しています。
また、ライカの数本のレンズを含めて、1本4万以上で買ったレンズは紹介していません。
特にFDレンズは並み程度の状態でも数千円から大概手に入ります。
ミノルタSRレンズも入手しにくいですが、値段はこなれています。
なお、オリンパス、ニコン、Y/Cのコンタックス、そしてレンジファインダーのズミクロンといった有名どころが出てこないのはコスパの問題です。
既にお持ちなら使えば良いと思いますが、これらのオールドレンズは値段が下がってないのでオススメできません。
値段が下がらないのは人気があるという事ですから、良いレンズも沢山あるとは思います。
更に、レンジファインダーレンズやコンタックスG等の広角レンズでは色々問題もありますからネットで情報を集めてから買いましょう。
知られているのはNEX-7で強い色被り問題を起こしたコンタックスGのビオゴン21mmや、後玉が飛び出しすぎていてNEX系Eマウントには装着出来なかったが、α7(R)系のフルサイズEマウントには装着出来るJUPITER-12などですね。
末筆ですが、旧コンタックスマウントのツアイスオプトンゾナー50mmF2と、そのコピーであるジュピター8を撮り比べると、ジュピター8の方が順光でも逆光でも芯のある良い写りをしたり、レンジファインダー系でそれなりに知名度があって、それなりの値段で買ったレンズも「なんだこりゃ」というような物もあったりして、実際触ってみるとネットで飛び交う情報や通説が必ずしも自分の好みに合う訳じゃないんだなという事を痛感しました。
オールドレンズは最新レンズグルメと異なり、財政傾けてまでムキになる程の事はないというユルさが良いと思うので、安くて良い物を紹介出来ればと思って書いてみました。
お役に立てば何よりです。
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2014/4/20追加
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