こんばんは、銀匙です。
私は現在、色々なオールドレンズをマウントアダプタ経由でNEX-6に付けて遊んでます。
オールドと言っても第2次世界大戦前から1980年代まで幅広いわけですが、全てMFである点は共通しています。
オールドの代表格であるM42やライカLを始め、PENTAX-K、ローライQBM、新・旧コンタックス、キャノンFD、コニカAR、ミノルタSRなどなど。
マウントアダプタに関しては実店舗のカメラ屋よりもamazonやヤフオク、そして通販で探すと結構あるものです。
たとえばローライQBMを直接Eマウントにするアダプタや、ニコンSマウントと旧CONTAXの内爪/外爪両対応でEマウントに直接付けられるアダプタなんてものも存在してます。
いずれもヤフオクで買えましたよ。
ライカLはamazonで安物を数点購入し、歪みの少ない個体を加工して使ってます。
お金のある方はKIPONとかの方がハズレは少ないでしょう。
あくまで「少ない」であってハズレる事はあるので油断出来ませんが。
さてさて。
「悪食」オールドレンズとは何ぞや、という事をまず説明します。
私が保有レンズを充実させられたのはヤフオクのおかげです。
ただし、その活用の仕方は悪食です。
私が買い求めたレンズの程度は、いずれも正直言って悪いです。
到着した時点ではレンズの墨が剥がれてたり、ヘリコイドが硬くて回らなかったり、使い込まれて鏡筒全体が傷だらけだったり、カビが生えてたり、工具でエグった跡をマジックで塗って誤魔化していたりという物ばかりだからです。
しかし、出品者説明にはそんな事は書いていませんでした。
むしろ「美品」「外観極上」「程度良好」といった文字が並んでたりしました。
何故そんなレンズが来るかというと、カメラ屋の店頭販売値どころか並品の買取額未満で競り落とせるものに絞って落札しているからです。
安く落とせた物はほぼ全部ダメでしたね。
こういう探し方をすると、1円入札開始で最落なしなのに、締切時間直前でも希望値段にならないと見るや「出品者都合でキャンセル」する事を頻繁に繰り返す出品者にもよく出会います。
ライカ/ツァイス/コンタックス系のカテゴリでその傾向が顕著であり、よく聞く噂の通りです。
しかし、これを逆手に取り、本来馬鹿みたいに高い相場のライカのズミクロンとかツァイスゾナーとかFDの17mm、果てはDマウントのズノーやケルンといったレンズを余り懐を痛めることなく招聘したわけです。
そんなもの落として使えるの?という問いに対しては、そのままではゴミ箱行きと答えます。
レンズが白く見えるくらいのカビが生えてれば、どんなに優秀なレンズだろうとトイレンズ以下の写りになりますから、普通は違約金として落札金額の5%とか払って返品するでしょう。
うがった見方をすれば、その違約金目当ての出品かもしれませんね。
しかし、私は返しません。
分解して程度を見て、軽度のカビやバルサム剥がれ、墨剥がれ、ヘリコイドトルクのムラ、フィルタ枠の歪み程度なら治してしまいます。
その為の特殊な工具や機材も揃えましたし、リサイクルショップで何本もジャンクレンズを買ってきては練習したので、自分で使う程度なら満足するレベルまで大概戻せるようになりましたし、治せるかどうかのアタリも分解する前に判断出来るようになりました。
とはいえ、オークションの出品写真は程度の悪さを隠すように上手く撮ってますから、写真から解るようってケースはほぼ皆無です。書かれているテキストや過去の「良い以外」の評価を見て、そういうレンズを売りそうだなというのは解りますが、解ってて買うわけです。
これが悪食といった理由です。
さすがに部品全体の変形や破損や欠品があるとどうしようもないですが、その場合はバクチが外れたと思ってパーツ取り用に分解しています。
極小のクリックボールとかイモネジとかスプリングとかは単体で入手しにくいですし、ロクでもないものを再流通させるのも悪いですからね。
そこまで酷かったのは2~3本程度ですが、取った部品はしっかり再利用しましたよ。
そんなわけで、レンジファインダーや一眼レフの、古今東西入り乱れ、程度も悪い再生品が多く占めている私のレンズシステムですが、現在はNEX-6が一手にその母艦を担っています。
NEX-C3はさすがに音を上げましたが、6は偉いです。
ちゃんとレンズの特徴が解るように写しますもの。
Eマウントの純正レンズなんて滅多に付けないし、ソニーの技術者が一体どんだけ悪食させるんだと夜中にわら人形で釘打ち込まれても仕方ないくらいなのですが、とにかく6は懐が深いです。
α7が来ても残しとこうかな・・・・
では、話を本題に戻します。
ありがたい事に、α7/α7Rにまつわる情報が海外からやってくるようになりました。
アジア、ヨーロッパ、アメリカと色々発信源はありますが、特に欧米方面でオールドレンズの程度の悪いものや、UWHやビオゴンといったNEXや本家ライカでさえ色被り問題を起こした性悪レンズ達をα7/α7Rにつけて撮影したサンプルとかが載り始めてます。
そう。
こういう情報こそ待ちに待っていたのです。
だって、ピカピカ新品のFE35mmゾナーを付けてプロが撮ればそりゃα7Rに軍配が上がるに決まってますが、そんな情報は中古かジャンクしか買わないBCグルメ級のレンズしか持たないへっぴり腰のおじさんには参考にならんのです。
さて、トーシロが変なレンズや程度の悪いレンズを喰わせて良く見えるのはどっちだったか?
結論を先に書けば、α7です。
特にUWH(ウルトラワイドヘリアー)、SWH(スーパーワイドヘリアー)といった、焦点距離28mm以下の超広角レンジファインダーレンズを持ってる人はα7の一択です。
実写結果を見る限り、α7Rで上記レンズを使うと色被りが出ますが、α7では周辺光量落ちが見られる程度でケラレもなく充分使える状況でした。
Gビオゴンについてはマウントアダプタ次第で、例の接触問題が出るそうで、ジュピター12とかが使えないのも相変わらずです。
そういう訳で限定解除レベルではありますが、フルサイズでやっとUWHまで喰える母艦が出てきたって事です。
α99で実績値のあるCMOSに新エンジンをぶち込んで改良したα7の方が、悪食耐性は強かったというわけですね。
α99とα7はNEXでいうC3と6の関係に近いのかもしれません。
私は超広角は一眼のMFレンズで揃えたのでレンジファインダーレンズよりは色被り問題を回避出来ているハズですが、レンズの程度がアレなので、耐性が高いに越した事はありません。
尚、余談として某プロの方からα7とα7Rの差異について、よく解る説明を頂きました。
α7はISOやシャッターでフォローすれば、手持ちか三脚かの差は後で見ても解らないそうですし、今までのカメラと比べたらしっかり写ってるなあと感心するそうです。
一方で、α7Rは手持ちはおろか、三脚をしっかり固定しないと後で後悔するそうです。
なぜなら、しっかり固定してないとドット単位でブレが解ってしまい、解るがゆえに悔しいのだと。
もちろん解像度が高い証でもあるのですが、それゆえに、特にα7Rで風景を撮るなら、撮りたいポイントに行き、一休憩して、丈夫な三脚を構えて、しっかり狙って撮るという従来のフィルムカメラや中判カメラの作法が解っている人に向いてるだろう、との事。
というわけで、ジャンクレンズ遊びをしている私はα7で充分でございます・・・・
はい。
うちの関連日記・・よろしければこちらもどうぞ。
α7とα7R、オールドレンズ向きの母艦はどちら?
α7にお勧めオールドレンズ
α7を操作した第一印象
α7のレビュー編その1
α7のレビュー編その2
番外編:引き伸ばしレンズについて
α7とオールドレンズ(インダスター50とカールツァイスプラナー編)
α7とオールドレンズ(再びカールツァイスプラナーとXRリケノン28mm)
2014/4/20追加
α7とオールドレンズ(LEICA引き伸ばしレンズ、FOCOTAR)