こんばんは、銀匙です。
先日、絞り以外は直したQBMマウントのカールツァイス・プラナー50mmF1.8ですが、
あれから引き続き、絞りの修理に取り組んでおりました。
すると、本当に出るわ出るわ。問題が幾つも重なっておりました。
・絞り開閉を制御するレバーが鏡筒内部部品ときつく干渉してスムーズに動けない(設計?)
・複数個所のネジ穴の極僅かな隙間を調整しないと絞り動作のどこかに異常が出る(設計?)
・絞り開放用バネ2本のうち1本の全長が短く、内部部品と当り、動作を阻害(部品精度?)
・レンズマウント部品が歪んでいる為、マウントに取り付けると変形し絞り駆動用ピンが動かない
(前オーナーの扱いが荒すぎ?)
まぁほんとに、こんなんじゃ故障頻発しますわな。
最後の原因を除けば我々ユーザーは関係ないですからね。
というわけで、やっとこさ先程、プラナー50mmF1.8は絞りまで直りましたよ。
とりあえず室内でテスト撮影デス。
ピントの剃刀具合といい、まぁ良いんじゃないでしょうか。
ここまで分解して組み立ててを繰り返すと、ちょっと情が移ってきますよほんとに。
でも、もうQBMマウントの故障品は買わないぞ。
・・・というか戦後から1970年代位のメードインジャパンの故障品を除けば、故障品なんて買わない方が良いのデス。
M42でもドイツ製は調整が多くて泣いた気がするし、バルナックライカも変なトコで地味な調整が要りますし、年代が新しくなってくるとレンズをユニット単位で接着してて分解すら出来なかったりしますしね。
特にドイツ物は熟練職人が作るのが当たり前だったのか、効率化というか単純化の考えが無いのかもしれません。
ティーガー(タイガー)戦車も繊細ゆえ毎日整備し続けないとダメだったらしいですし、2003年製のBMW-E39でも似たような事がありました。
例えば重いヘッドライトの上下位置をプラスチック製の細いピン1つに任せてるんですね。
それは光軸を調整する為らしいのですが、ピンが折れたら光軸が調整出来なくなり車検に通らないわヘッドライトユニットごと交換せにゃならんと言われ大出費になるわで困りました。
スイフトにも電動の光軸調整機構はありますが、そんな構造にはなってませんし4年くらいじゃ壊れませんよと笑われました。
日本製バンザイです。
さて、2つ目の話題は、その日本製のカメラなんですが・・・・例外というのはありまして。
私はサブカメラとして、リコーのGRデジタル4を持ってます。
GRデジタル2よりは2世代後という事もあり、今のところ機械として信用出来そうな駆動音をしてるのですが、他社機種に比べるとやっぱりトラブルの報告が多い事、既に生産終了し、後継のGRがかなり高い製品になってしまっている状況です。
GRデジタル4の描写が、GRデジタル4の故障と共に味わえなくなるのは切ないわけです。
じゃあどうしようという事なのですが、リコーはライカLマウントでGRレンズを3000本限定で売りました。
Lマウントレンズは100%メカニカルのレンズですからそう簡単には壊れません。
まぁ最短撮影距離が1mになるのは仕方ないですが、まんまGRレンズです。これは良いじゃないかと探し始めました。
しかし、同じ事を考えてる人が多いのか、ライカファンは金持ちが多いからなのか、このレンズ、普通の店では13万前後、ヤフオクでも8~10万くらいの値段で取引されてます。
ミノルタのTC-1に使われていたレンズと同構成のライカLマウント用G-ROKKORも16万くらいしますから、まぁ稀少レンズの定めなのかもしれません。
当然そんなの手が出ませんから他の策を探す事にしました。
次に見つけたのはリコーのGXRというカメラにも28mmの良いレンズが載っているという情報でしたが、こちらも生産終了しており、リコーの電子制御メカに頼るという意味でGRデジタルと同じなわけで、これも除外しました。
参った、もう策は無いのかと思っていたら、ひょんな所に解決策がありました。
リコー製 XR RIKENON 28mmF2.8
という一眼レフ用レンズです。
このレンズはMFで、しかも電子制御部品が一切ありません。
そしてPENTAXのKマウントを採用しているので、PK-NEXアダプタをつければα7で使えます。
なかなかヤフオクでも出てこないので難儀しましたが、つい先日やっと並品を手に入れました。
ちなみに、KマウントのリケノンにはPラインとXRラインの2シリーズがあります。
Pリケノンは一番新しく、カメラのプログラム(P)モードに対応したレンズなのですが、これをPENTAXカメラに取り付けると
レンズが外れなくなる
という恐ろしいケースがあるようで、「魔のトラップレンズ」として知られています。
α7など、マウントアダプタ経由で使うなら最悪アダプタとレンズが外れなくなるだけですから良いのですが、まぁそういう情報もありますという事で。
次にXRラインですが、これはマニュアル撮影か絞り優先撮影のみ対応のレンズでしたが、リコーの独自設計です。一部サイトでは富岡光学設計との情報もありましたが・・・
そして、XRリケノン50mmF2はライカのズミクロン50mmと争うほどの描写として知られ、「和製ズミクロン」の異名を持っている程の銘レンズ。
リコーにとって28mmは勝負をかけてきたレンズですから、そのXRラインとなれば期待出来るのではないかという訳ですね。
(XRリケノンでも最後に小文字のcが付くレンズはコシナ製で設計から違います。要注意。)
では、XRリケノン28mmF2.8と、GRデジタル4で写りはどうだったか。
同じ場所、同じ時刻の空を撮ってみました。
XRリケノン28mmF2.8(PK-NEXマウントでα7に付けて撮影)
GRデジタル4
露出や撮影位置がずれてますが、サイズ以外無加工で出したかったのでご容赦を。
私としては、この位の違いなら、最悪XRが生き残ってくれれば良いかなと思います。
GRD4は持ち歩きやすいですし、レンズ前1cmまで寄れますし、GRD4にしか出来ない事ってのは確実にあります。
ただ、最悪GRD4が壊れて使えなくなっても、XRリケノンがあるから・・というのは心強いです。
ちなみにこのXRリケノン28mmF2.8、一時期は40ドル前後で買えたようで、めっちゃ安いのに素晴らしいレンズだと海外では高い評価を得ています。
一部の国内プロカメラマンにもそれは認識されていたようで、耳打ちでこっそり教えてもらえる銘レンズだったようです。だからタマが出てこないのかな・・・
私は日本円にして7500円位で手に入れましたが、この値段でも充分満足出来ます。
ヤシカのML28mmF2.8やミノルタの28mmF2.5といった、ちょっと高い28mmレンズと同レベルの表現能力はあると思います。
もし28mmスキーな方がいらっしゃいましたら、検討されてみては如何でしょうか?
ちょっと探すのに骨が折れるかもしれませんが、7~8000円の費用以上のパフォーマンスはあると思いますよ。
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