こんにちは、銀匙です。
さて、うちにはNEX-5RやNEX-6といった普通に使えるカメラもありますが、それ以外のいわゆる「尖った」カメラというのもございます。
この尖った系を、サンプル写真と共にご紹介してみようかなと。
では早速1台目。

ええ。
リコーのGRDigital、その最終版であるGRD4でございます。
※何度も言いますがGRはGRDigitalの後継とは認めません。GRDigital is Dead.
GRDシリーズは最初から、とにかく弄り倒せるカメラでした。
それでいてプログラムオートが異様なまでに秀逸であり、我が家ではとにかく苛烈な条件で使用する機会が大変多いカメラです。
たとえばこの写真。
GRD4は簡単に写してくれますけど、ドのつく逆光と超のつく輝度差、とんでもなく微細なコントラストや彩度など、およそカメラにしてみれば、
「イジメか?」
と言いたくなる条件です。実際、これを撮れない一眼やレンズは山ほどあります。
緑の多重円ゴーストべったりでコントラストカッピカピで下半分真っ黒、そんな写真を量産するカメラやレンズの方が圧倒的多数です。
ですから私はこういう時にGRD4を取り出します。
他のカメラなら高確率で失敗するけれど失敗したくないからです。
私が現場で、カメラの外で出来る事なんてシャッター押す事と露出補正をかける事くらいです。
それだけでGRD4は見たままにjpgファイルで収めてくれます。
それが当たり前です。
だから私は家に帰ってきてPCで見て
「うん、いいね」
で終わりです。
ひょいと出して、写す。

それだけです。
徹底的に苛烈な条件でも絶対に結果を出すカメラ。
それがGRDigitalⅣです。
もちろん苛烈じゃなくても普通に写りますよ。

ね。
また、先程、弄り倒せるとも書きました。
露出やボタンのカスタム化のほか、エフェクト類も美味しいものがあります。
その1つがブリーチバイパス。映画用語で言う「銀残し」です。
幾つか置いておきます。
私はGRD4は雲の描写も秀逸だと思います。
最近では雲だけは次に紹介するカメラの方が良いかなとも思いますが、GRD4はGRD4。
あらゆる意味で秀逸な、寡黙な天才です。
では、2台目です。
SIGMAのDPシリーズと私は随分長い事買っては売ってきました。
それはGRDが2でも4でもあまりにも秀逸過ぎたので、それが高級コンデジの常識なんだという目でDPを見ていたからです。
しかしそれは違った。
今手元にあるDP1Xもjpgで出せば実力の半分くらいしか出せません。
現地で状況を見ながら丁寧にパラメータを設定してRAWで撮影しなければなりません。
出来れば撮影する瞬間は人間が触れないほうが良い。
なので必然的にこうなります。

三脚立ててインターバルタイマー撮影ですよ?
GRD4どころか一眼レフより面倒くさいです。
もちろんそれで終わりません。
帰ってきてからこれまた丁寧にSIGMAPhotoPro(SPP)で現像してやらねばなりません。
銀塩時代なら現像は写真屋さんにお任せでしたが、そこまでユーザーに強要します。
GRD4の対極的存在。究極に手間のかかる子です。
ですが手間をかけると応える子でもあります。
すぐにオーバーしてしまうので太陽は入れられませんが、たとえば。
私がDP1Xに見出した1つの長所は究極の「そこにある感」でした。
写真ではなく、そこにある物のように。
もう1つが先程も書いた「雲」に対する特性です。
よくもまぁここまで描けるねというくらい描くんですね。
こういう雲があれば逆光も何とかなります。
普通のカメラなら盛大にパープルフリンジが出るような環境でも、雲だから。
そう、雲だから、描く。
それがDP1Xにとっての当たり前なのでしょう。
マイクロ中判カメラ、という表現はまさにぴったりです。
3台目。
懐かしいと思われた方は今何人くらいいらっしゃるでしょうか。
SONYが最後に出した、色々な意味で唯一のカメラ。
α330でございます。
SONYが今売っているAマウント機は、もともとミノルタ製でした。
ミノルタはコニカと合併しつつ、CCD受光部を持つデジタル一眼であるα7Digitalを作り、そしてαSweetDigitalを作りましたが、行き詰ってしまいます。
それらをSONYが引き受けてくれた訳です。
SONYはα100、α200,α300,α350と作り、最後のCCD機としてα330を世に放ちました。
私はα330を横目で見てましたが、当時はM42レンズ集めとレンズ修理方法習得の真っ最中で、とてもボディまで手を出す予算がありませんでした。
なのでこれを買ったのは極めて最近の事です。
なぜわざわざというか、今更買ったのか。
まずはCCD機だからです。
CCDは先日IXY160でも書いた通り、低感度限定であればCMOSをうっちゃる実力がある。
私は上の写真で写ってる28-105を含め、Aマウントレンズを幾つか持ってますし、現時点でまだ辛うじて互換バッテリーが手に入ります。
メモリーカードも今の主流であるSDメモリが使えます。これはAマウントCCD機としてはα330が唯一の選択肢です(他はコンパクトフラッシュカードです)。
当時16GBまで対応表がありましたが、1020万画素CCDですからjpg運用なら4GBもあれば十分です。
だから普通に運用出来る唯一のAマウントCCD機なんですね。
えー?
今更1020万画素でしかもCCDぃ?
しょぼいんじゃないの?
しかも28-105なんて古臭ぇズームじゃーん。
・・・と、思うでしょう?
28-105はAマウントのミノルタレンズの中でも逆光時のゴーストが操作しやすいレンズだというのは以前書いた通り。
日が昇り、画面上に太陽がなければ後はCCDの独壇場です。
当時、ミノルタのCCD機はこう言われてました。
「こってりした色乗り」
ですがそれは標準設定での話です。
幾らでも、淡くしたければ思うがままに設定を弄れば良い。
CCDの懐は深いです。
光、影、濃さ、淡さ。
色の再現性が高いのもCCDの特徴です。
淡いのが得意なら、ハッキリした物など簡単です。
もちろん遠景だけではありません。
もう1度言います。
α330はSDメモリが使え、新品バッテリが手に入る、最後のCCD機です。
今日では見かける事も少なくなりましたが、あれば1万5千円くらいでしょう。
ちなみにα330はファインダーはOVFですが、背面液晶でライブビューも使えます。
ウルトラローアングル等はライブビューがある方が便利です。
Aマウントレンズをお持ちの方で、もうCMOS機しかないという方は騙されたと思って買ってみてください。
CCDにはCCDの良い所があるとお分かり頂けると思います。
あぁ、自然の風景だけではなく、都市やモノクロももちろんいけますよ。
CCD機の唯一の注意点はISO400以下で運用しなければならない、という事です。
出来れば推奨最低感度(ISO100か200)で。
それだけは絶対に守らねばなりませんが、逆を言えばそれくらいなんですね。
トリを飾るのは、これです。
あれ、お前ずっと前から語ってきたじゃん。
α7だろ、これ。
・・・あれ、α7Ⅱにしたって言わなかったっけ?
違うんです。
α7兄弟の末っ子のド変態、α7S。
オールドレンズ母艦としては最初にα7を買い、それを下取りに出して手振れ補正付のα7Ⅱを買ったのはだいたい半年くらい前。
α7Ⅱに不満はありませんでした。
ただ、NEX-5RやNEX-6といったAPS-C仕様のEマウント機の方が小さくて運用しやすい。SEL1018の使い方も解ってきたので広角も任せられるようになった。
28mm系は上に紹介した2台の
変態カメラがある。
すると、
「・・・あれ、α7Ⅱの出番なかったね」
ということが良くあったわけです。
確かにOMの300mmF4.5をビッタリ止めて撮影出来る手振れ補正能力は素晴らしかった。
でも超望遠ならNEX-6でファインダー睨みながら高速連射して当たりの1枚探し出せば良い訳です。
翻ってα7Sは、ド変態といわれる感度番長。
α330の真逆みたいな存在です。
ただ、あまりにも高かった。ていうか今も高い。
売り出し当時は25万近かったし、全然値下がりしなかった。
今、α7sⅡが出たにも拘らず、まだ値下がりしない。
それでもα7Ⅱを死蔵するよりα7sにしてしまえ。
そういうわけでα7sがやってきたわけです。
α7Ⅱを下取りに出してなお高額な追い金が要りましたけどね。
もうα7sⅡが出てるのに(しつこい)
で。
じゃあどうだったのさと言われたら。
まずは期待外れでガッカリしたよ・・と書きます。
値段相応にα7より良い物なんだろうと目一杯期待した私が馬鹿でした。
巷じゃISO40万だのなんだの言いますけどね、その遥か手前の感度からザラザラ過ぎて見るに耐えません。
てっきりORION15(28mmF6)のようなコンパクトだけど暗~いレンズが真夜中でもバリバリ使えると思って買ったのに、全然そんな事ありません。
ISOを上げていけばノイズや偽色が乗ってざらざらになっていくんです。
しかもやたら受光部の端の方がレンズに対してシビアです。
具体的にはすぐ縁が暗くなり、周辺がピントが来てる筈なのにボケてくれます。
よくα7sはオールドレンズに~とか言ってますがね、絶対α7Ⅱの方が良いです。
特にライカLとか、レンズが受光部に近い奴を使いたいならα7Ⅱを買うべき。
※あの物書きは本当に詐欺師です。
じゃあ単なるゴミか?
微妙です。
1200万画素CMOSですが、別にα7Ⅱよりオールドレンズに優しい訳でもありませんし、解像度では明らかにα7Ⅱどころかα7にも負けます。
一応、フルサイズですからMF一眼レンズとかは普通に行けます。
CMOSとしては普通の色再現性ですし
レンズが問題無ければ逆光でも使えますし
ボケを邪魔することはありません。
日中の屋外なら普通のカメラです。
強いてα7より良くなったとすれば、UltraWideHeliarがマゼンタ被りを起こさず、ごく普通のレンズとして使えるようになったと言うことでしょうか。
魚眼でもないのに35mm換算12mmという変態レンズを遠慮なく振り回せるのは唯一かもしれません。類は友を呼ぶ?
へ?
夜・・ですか?
ISOAUTOの高感度側を抑えて使えばそこそこですよ。
こんなのが手持ちで撮れる位です。
上限を抑えるってどれくらいですって?
私は常用はISO12800まで、ですかね。
ISO25600はちょっとザラついてきますので非常用です。
え?NEX-6はいつもISO何で使ってるかって?
ISO100固定ですよ。
400でも状況によってはザラついてきますからね。
ただ、ガッカリしたのは星の撮影には向いてないみたいなんですよね。
バルブ撮影するとカメラの仕様上汚くなるそうなんです。
まぁ私は低速シャッターは30秒までしか使いませんし、コンポジットとかダーク演算とかやる人ではないんで関係ないですけども。
そんなわけで、α7sはすっごい写りを引き出せるカメラじゃありません。
ただ、昼夜問わず、撮りたいと思ったら手持ちで撮れる。
真夜中だろうとピントを合わせられる明るいEVFと、-4EVまで対応するAF機能を持ってますからね。
ええ、それだけですよ?