こんばんは、銀匙です。
さて。
タイトルにも書きましたが、以前から私はα7、α7Ⅱ、α7sと使ってきましたが、やはりフルサイズ用レンズは選択肢が少ない訳です。
特にFEレンズシリーズは値段に見合わないほど写りが悪いか、性能の割に重過ぎるか、そのどちらもか、いずれかしかありません。
最近でこそようやくこなれてきたFE28-70を買うくらいであれば、それこそミノルタのAF24-85mmの方がよほどまともな絵を出してきます。
そしてFE2870が中古でも3万弱に対し、AF24-85は1万円以下。
古いレンズとはいえ、値段は性能を現しません。
とはいえ、AF24-85はミノルタAマウントですので、SONYEマウントにはマウントアダプタ経由でつける必要があり、以下のいずれかの選択肢を取らねばなりません。
1つはSONY純正のマウントアダプタである、LA-EA3かLA-EA4を経由して装着する方法。
もう1つはサードパーティのマウントアダプタを使う方法です。
前者の場合、特にLA-EA4ではAFが使えますし、LA-EA3/4共に絞りはボディ側で制御出来ますし、何mmで撮影したかを含めた情報が写真に残ります。
後者の場合はフォーカスもMFですし、情報は残りません。ただし安価です。
ミノルタAレンズは最初からAFの事だけを念頭に置いて設計されたレンズであり、ピントリングはDMFという、AFで大まかにピントを合わせた後の調整用という位置付けであり、事実上脇役でした。
従ってピントリングは基本的に細く、僅かに動かすだけで大きくピントが変わる。
あまりMFがやりやすいわけではないんですね。
なので私もそうですが、結局はLA-EA4を買うわけですが、このLA-EA4がまた大変評判がよろしくない。
なぜかは装着して、横から見てみれば解ります。
じゃん。
向かって左がボディ、中央がLA-EA4です。
レンズはともかくとして、ボディまで浮いてるでしょ?
向こう見えてますよね?
そうなんです。
基本的にEマウントカメラはマウント下端からボディ下端までが非常に短いんです。
なのにLA-EA4はアダプタ下部に大変大きな出っぱりがある。
SONYがなんでこんなところに三脚穴なんかつけたのか知りませんが、三脚穴なんか付けるくらいならこの出っ張り短くしろよと強く思うわけです。
この出っ張りのせいで大変持ちにくくなり、床に置けばこうなります。
案の定ネット上ではお前ふざけんなよというコメントが溢れてるわけですが、SONYがこれを改善したLA-EA5以降をラインナップすると言うニュースはトンと聞こえてこない。
そりゃまぁこれが便利になればFEレンズなどという高いだけでどうしようもないレンズが売れなくなるのは間違いありませんから意欲が無いのでしょう。
しかしユーザーはそれじゃ困るわけです。
そして一応、SONYは
縦位置グリップなんて物も売ってますが、これもこれで重い高いシャッターボタンの位置が変という3重苦仕様。
お前ふざけんなよx2というわけです。
一方、SONYは
α7系のボディカバーも売ってます。
α7系はちょっとグリップが薄くて高さが短いので、私のように指が太い人は小さくて難儀するので、グリップを太くする為に使えるんですね。
しかしこれ、まずボディ側のカバーで言うと、大まかにボディに嵌めた後、三脚穴にネジ止めするわけですが、装着するとそのネジが出っ張って床に置けません。
おま・・
次にカバーを付けた状態ですと、USBやHDMI等のコネクタはおろか、SDメモリもバッテリーも取り出せないので、それらを使う時はいちいちカバーを外さないといけません。
ふざ・・
そしてカバーの大きな方ですが、こちらはFE24-70専用の形状となっているのでほかのレンズだとカバーの中で遊ぶか入りません。
そしてお値段1万5千円。
お前ふざけんなよ(言っちゃった)
というわけで、縦位置グリップにしてもキャリングケースにしてもこんな不便になるものにこんな大金を払いたくありません。
無いなら作るしかないじゃないか・・・
というわけで、LA-EA4を使いやすくし、α7系が持ちやすくなり、操作を出来るだけ邪魔しないグリップを自作する事にしたわけです。
製作工程はさくっと省略して、完成品をそれっぽく紹介してみます。
●プロダクションディティール
・α7シリーズの特長であるライトウェイトを損ねぬよう配慮。
モノコック一体型で総重量51gを達成。
・α7ボディとの接合は三脚穴にグリップ本体を直接回してねじ込んでいくシンプルな方式を採用。
・関東郊外の農協系ホームセンターにて無償で譲り受けた名前も解らぬ木の端材をコアに採用。
・三脚穴用のネジは秋葉原の専門店で仕入れた日本製SUSステンレス専用ネジを使用し、木材コア全体を貫通させ、なおかつ高級ブランドであるコニシ製エポキシ接着剤で接着してある為、コアと分離する事無く大変頑丈な仕上がり。
・グリップ全体を覆うパンチングレザーは厚さ1mmもある肉厚な天然カーフを採用。浅草橋の皮問屋で叩き売りされていた品をハンドルカバーに使用した余りを贅沢に使用。
・コア材と皮は、かの有名な100円ショップであるセリアで仕入れたクッション材入り両面テープを使用して密着。さらに皮縫製専用糸であるレザードを使用し、縫製方式はステアリングカバーにも用いられるクロスステッチを採用。
・これらをクラフトマンシップなどかけらも知らない日本人の素人がぶっつけ本番のハンドメイドで縫い上げている。
・底面はコンクリート等との接触を考慮し、切れにくいとされるレザードをさらに2重に使用。コア材に三脚穴用のSUSステンレス材を使用した日本製六角ナットを埋め込み、さらに底面の皮は適当にカッターで穴を開け、よく解らないなりに周囲をレザードで縫製。(だいぶ説明が苦しくなってきたぞ?)
●ファンクション&アクセシビリティ:
・底面密着型のシンプルなモノコック形状を採用したことで極めて良好な状態を確保。
・USB,HDMI,ヘッドホンやマイク端子には装着したままダイレクトアクセスが可能。
・SDメモリも装着したまま容易に着脱が可能。
・さらに、グリップ全体をボディ前方方向にオフセット設定。右手小指ならびに手のひらを十分に活用してα7シリーズのボディをホールドする事が出来る。
・オフセットした事で液晶底面を遮らない形となり、指がかりが良く、チルトアップ操作のテンポさえも損なわない。
・バッテリーアクセスに関しても心配無用。グリップ全体を僅かに緩める方向に回転させることでワンタッチでバッテリーアクセスが可能となっている。
・なお、行き当たりばったりの製作によりLA-EA4の突き出しよりさらに肉厚となり、装着したレンズによっては前傾姿勢となるが、これはLA-EA4側の三脚穴に短いネジを入れて「これは石突です」と言い張る事で解消。
装着全景はこちら。
・・・冗談はここまでにして。
まぁ、あれですよ。
私が構想&設計で5分、製作5時間ちょっと、しかも家に転がってた物で全部タダで何とかしようとしたわけですから、LA-EA4より分厚くなっちゃったとか、あちゃーな所も多々あるグリップです。縫い目も不揃いだし。
ただ、指がかりが良くて、軽くて、液晶や各種コネクタやSDへのアクセスを邪魔しなくて、そのまま地面にも置けて、三脚にもそのまま付けられるグリップって、世の中に無いんです。
無いなら自分で作るしかない。
探してるような市販品が無いというのは1つの区切りです。
α7sみたいに20万オーバーのカメラにDIYのグリップなんてふさわしくないとか色々思われるかもしれません。
それはそれぞれの意見ですから否定しませんが肯定もしません。
ただ、私は私が気に入らない事を、私が何とか出来るなら自分で何とかする。
問題が立ち塞がるなら気に入る未来になるよう自分で切り拓く。
これが仕事だと、ボスの意向だの予算だの大人の都合だので出来ない事が多々あります。
でも、自分の趣味なら最悪自分が痛い目見るのを覚悟すればGoサインを出せる。
それが趣味の醍醐味だと思うのです。
そもそもα7にしろNEXにしろ、FEレンズとEレンズしか選択肢に入れなければ正直言ってニコンやキャノンのシステムよりツマンナイし無駄な金が沢山かかります。
でも自分でマウントアダプタ買ってくれば巨大な扉が開きます。
純正マウントアダプタを付ければミノルタAFレンズが、数多あるサードパーティ製マウントアダプタまで手を出せばMFレンズやレンジファインダーレンズまで付く。
付いたら付いたでマゼンタ被ったとか、周辺が真っ暗だとか、周辺がぼやけるとか痛い目も見る訳です。
大枚はたいて失敗したって、そこには何の保証もありません。
ヒーコラ言いながら、なんだかんだ痛い目見ながら自分で自分の気に入るシステムを積み上げていく。
するとFEやEレンズでは到底辿り着けない、自分の行きたい世界に辿り着ける。
35mm換算12mmの広角写真を撮ったり、600gを余裕で切るフルサイズお散歩カメラや、ドの付く斜光でゴーストレスの写真なんてのをFEやEレンズだけでは組めません。
でも、自分が腹を括れば出来るんです。
それこそが(SONYは思ってもいませんが)Eマウントシステム最大の長所です。
だからこそ、そんな世界を見せてくれたSONYには感謝しています。
自分で1から組み上げたレンズシステムは絶対にお仕着せのカメラシステムより満足出来ます。
だって自分が使うんですよ?
自分が納得したシステムこそ最高じゃないですか。
私は、そう思います。