ええと、ご無沙汰しています。銀匙です。
今回本当に100%文字だけです。
すいません。
さて。
ソニーが発表したα7C。
私のブログでも「NEX-6サイズでフルサイズってなかった」と書いたことがありましたけど、ついにそのレンジでフルサイズが出てしまいました。
実にコンパクトですよね。
RX1RM2がレンズ交換可能になったというか、α6600がフルサイズ化したというか。
内部の密集度も半端じゃないんだろうなと思います。
私個人的にはMF専用でも良かったくらいなのですが、露出補正ダイヤルとか、手振れ補正とか、割と他のα7シリーズと変わらないレベルを突っ込んできたあたりにソニーの技術者の執念を感じます。
このサイズ感だと、実にジャストミートなオールドレンズがあります。
そう。
ライカのL/Mレンズです。
Eマウント用マウントアダプタのうち、メジャーなマウントで唯一、フォーカルレデューサーが搭載できないマウント、それがライカL/Mでした。
理由はEマウントとライカL/Mマウントのフランジバックの差があまりにも短く、また、ライカL/Mマウント用のレンズには(特に広角で)後玉が飛び出している物が見受けられるため、物理的に装着する場所がなかったのです。
従って例えばα7とか、受光部が35mmフルサイズでなければ真価を発揮できない割に、元々ライカM3等をターゲットとしているレンズであるがゆえに、ボディに対して若干レンズが小さい感じがしたのです。
NEXやα4ケタ系のボディであればボディとレンズのサイズ感はジャストミートでしたが、こちらはAPSーC受光部。
なので中華系で、RX1のレンズを取り払い、ライカMマウントをはめ込むアフター改造の業者がいたくらいなのでした。
あれはあれでRX1の35mmF2って決して悪いレンズじゃないので勿体ないんですけどね。まぁそれだけボディとレンズのサイズ感を一致させたいニーズはあったわけです。
そして本家ライカは相変わらずM10Rとか余裕で100万オーバーのプライスタグをぶら下げているわけです。中古保証なしで75万とかなんやねんという。
そこへきてのα7C。
お値段20万ちょい。
もうライカボディ要らない(←暴論)
ライカレンズ以外でも、例えば小型で秀逸と言えばオリンパスOM系とか、各種パンケーキとか、まぁ色々出てきますよ。
FE系レンズは単焦点でもデカいですから、もっとスマートなサイズにしたければオールドレンズという選択肢も十分ありです。
あぁ、SEL2860は買ったらだめですよ。SELP1650の二の舞の匂いがプンプンします。焦点域も中途半端すぎます。
すげーなソニー、やったなソニー、分割払い覚悟で予約しようかしらとかウキウキしながら公式サイトの仕様表を見ていたら、「えっ?」となる項目が複数ある。そして1つの意図が見える。
いや、まさかという内容です。
もし公式情報が本当に本当で、今後書き換わらないとしたら、私はα7Cを見送らねばならないという内容です。
具体的に見ていきましょう。
例えばα7RⅡ、NEX-6、α7Cと仕様表を並べると、α7Cに幾つか空欄が見受けられます。
ソニーお得意の「同じ機能なのに微妙に書き順とか項目名を変える」といった部分は人力で埋めていったのですが、それでも以下の項目が見当たらない。
1.アンチダスト機能
2.画面表示切り替え
3.水準器搭載不明
4.MF支援機能搭載不明(ピーキング・マーカー・グリッドライン)
5.LA-EA5でのモータ無しレンズAF駆動可否不明
私にとっての致命傷は項目3と4です。
α6000が出た時にも書きましたが、撮影において今更電子水準器が無い環境なんてありえません。
また、フォーカスピーキング、マーカー、グリッドラインが表示できなければMFは無理です。
元々MFしかなかった頃の銀塩一眼でも、スプリットイメージなどで合焦が大きく解るようになっていましたし、ファインダ倍率も大きかった。
今の小さなファインダでは、画面のどこにピントが合っているかという事は、例えば画面左下に緑のランプが1つあるだけでは情報が不足しすぎている。
どちらも記載漏れだと思いたいのですが、言い切れいない理由があります。
それが5です。
LA-EA5。
要するに不格好極まりなかったLA-EA4のモーター機構をスマートに押し込みましたよというマウントアダプタです。
モーター無しのミノルタ28mmF2を持っている私はあぁやっと出たかと小躍りしながらポチリかけたのですが、
モーター無しレンズのAFはα7RⅣかα6600のみ対応
なんだその注釈・・・どんな意地悪ですか・・・
これまで何台もα7系もNEX系も買ってきたユーザーに今更システム総入れ替えを強制するのか、ニコンキャノンと同じ穴の狢になるのかと、一気に萎えたものです。
そしてα7Cが発表された後も、LA-EA5自体にも、α7Cの仕様表でも、α7CがLA-EA5で対応するとどこにも書かれていない。
そもそもα7ⅢがLA-EA5未対応なんてありえないと思うのですが、α7Cの性能はα7Ⅲベース(やや劣化)ですから、未だにα7ⅢはLA-EA5のモーター無しレンズAF対応が不明(公式見解では未対応)という以上、α7Cも可能性は濃厚です。
個人的にはα7無印から対応して欲しいのですけどね。せめてα7Ⅱとかα7RⅡとか、Ⅱ世代位は含めて欲しい。
α77とかα99Ⅱとかを最後に、Aマウント系ボディを全く開発していないのだから、せめてマウントアダプタ位ちゃんと開発してくださいよ・・
とと、話が逸れました。
LA-EA5がα7Cを見捨てるということは、ソニーはAマウントを切り離す意思があるという事になります。となれば、元々他社の、それもAマウントレンズより古い(物が多い)MF専用のオールドレンズなんて切り離すつもりと言われても仕方がない。
ただ、唯一の希望はメニューに「レンズ無しレリーズの許可」が残っていることです。これは天体望遠鏡とかにα7ボディを付ける時にも必要だから残っているとも考えられますが、このメニューさえなくなったらオールドレンズ母艦を降りる明確な意思があるという事でしょう。
FE純正レンズは往年の京セラコンタックスレンズを上回る高価格帯のわりに性能は並以下ですから、そんなことをしたらあっという間に売れなくなると思いますけど。
MFを切り捨てる意思が見え隠れするのは、他にもあるのです。
それはファインダーです。
α7Cが発表されて以来、話題となっている事の1つにファインダーの劣化があります。α7Cはドット数こそ今までと同じ2,359,296 ドットですが、それ以外の性能は以下のようになっています。
1.0cm (0.39型)電子式ビューファインダー (XGA OLED)
約0.59倍 (50mmレンズ、無限遠、視度-1m-1)
これが、例えばα7RⅡは
1.3cm(0.5型)電子式ビューファインダー
約0.78倍(50mmレンズ、無限遠、視度-1m-1)
であり、私がオールドレンズ母艦として最適と言い続けてきたNEX-6は
1.3cm(0.5型)電子式ビューファインダー
約1.09倍(50mmレンズ、無限遠、視度-1m-1)
なのです。
この2行目冒頭の「倍率」こそ重要で、ファインダを見た時に対象物がどれくらいの大きさで見えるかという事なのです。
簡単に言えば、例えば30インチのテレビを何メートル離れてみるかという事に似ています。
1倍を例えば1m離れた所から見ていると考えれば、1.09倍なら95cm位から見ていることになります。逆に0.78倍であれば1.5m位の所から、0.59倍であれば約2mの所から見ていることになります。
TV自体は同じ大きさで同じ性能でも、遠くから見るほど細かい字が読めなかったりしますよね。ファインダーでも同じことが起きるのです。
故にNEX6はオールドレンズを扱う上では大変見やすかったのです。
簡単に言えばNEX-6の1/4サイズの画面で確認しろという事です。
更に言えば、α7RⅡとNEX-6は0.5型ですが、α7Cは0.39型。
この0.39型というのはRX100M3以降搭載されているRX100系のファインダーと同じです。あれ、明らかに小さいんですよね・・
これは以前もありました。
ミノルタがそれまでのSRマウント(MC/MDレンズ)からAマウント(α7000)に切り替えた時に、ファインダーを「精密なピント合わせの道具」から「全体をぼうっと見渡す」仕様に変えたのです。
もうMFはしない(要らない)とでもいうかのような物で、レンズのフォーカスリングが極端に狭くなったり、合焦が小さな緑ランプに変わったのもこの時でしたが、結局ふざけるなと言う猛クレームで、Aマウントの第2世代(NEWと付く)レンズではフォーカスリング幅が広がり、今も続くDMF(ダイレクトマニュアルフォーカス、AF後にMFで微調整できる機能)が出来たりしました。
こうしたことからミノルタの頃から知っているおっさん(じいさま)ユーザー達からすると、「またやるつもりか」という風に見えるのです。
ファインダに関してはこれも賛否ありますが、接眼用のゴムパッドがない事も気になります。
MFユーザーは両手で操作する以上、目またはメガネとカメラボディをファインダーゴムパッドを通じて支える事で、少しでもカメラの安定を狙うのです。
まぁこれはアフターマーケットで両面テープとかネジ固定式のパッドが出てきそうですが。
後は液晶モニタですね。
解像度がNEX-6並の921,600ドットに下がったのはともかくとして、モニタの支持方式が頂けない。
この方法はα55とかでもやってましたし、B700等の他メーカーカメラでもやってるのですが、左側に飛び出てチルト、というのは大変撮影しにくい仕様です。
何故かというと、たとえば自動車で左のAピラーを見ながらまっすぐ前に運転するのは難しいと思います。左右の操作感覚と視線(首)の角度が異なるからです。
NEX系や他のα7系は液晶位置がレンズの真後ろの位置のまま、上下に向きました。これは地表近くに置いたり、高く掲げて撮影する時に、レンズの方向に首の回転方向が揃う利点があるのです。
微妙に左を向きながら、パタパタフリップさせながらのMF操作・・微妙です。
あとは項目1や2(アンチダスト・画面表示切替)が無いというのは考えられないです。ボディ内手振れ補正があるのでアンチダストは出来るでしょうし、画面表示切替の無いデジイチなんて聞いた事も無いですからね。
本当にそうならそこまでして電子水準器を葬りたいのかと呆れかえりますがね。
というわけで、かつてα7無印が発表された時は即座にカメラ屋に予約取り置きを電話した私ですが、今度のα7Cは何かキナ臭い匂いを感じるので、まだ様子を見ている状況です。
今年はfpとかで酷い目にあってるので、なんかα7Cも爆弾抱えてるんじゃないかと疑心暗鬼になってるのは否めませんけどね・・
実際にお手に取った方とかで、上記は杞憂だよと言う明確な情報をお持ちの方がいたら、ぜひ教えてください。
私はあくまでも2020年9月18日現在で公開されている仕様表を基に話をしているだけなので・・・
2020/9/19AM追加:
項目4については以下の説明が特長の下記ページにあったので、恐らく仕様書の記載漏れと思います。いや、思いたい。
ピントが合った部分がひと目でわかるピーキング機能
ピントが合った部分の輪郭を指定した色で強調する、ピーキング機能の
検出精度が向上。厳密なピント合わせを行うマクロ撮影やポートレート
撮影などで、ピントの山がつかみやすくなりました。
また、ピーキング色(赤、黄、白)に青色を追加。
暖色系の被写体に対して、寒色系の青色ピーキング色を選択する
ことにより、さまざまな被写体で厳密なピント合わせが行えます。
https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-7C/feature_3.html#L2_480
2020/10/05AM追加:
海外でも微妙な評価のようです。
私もせめてEVFは0.5型の0.8倍前後にならないと手を出せないなあ・・
https://digicame-info.com/2020/09/7c-7.html
2020/10/11PM追記:
ソニーストアで触ってきた方の撮影画像を見ると電子水準器もあるようです。
試用機とはいえ、ここにあればあるだろうとは思うのですが、仕様表や特長等に一切書かれてない点が気になります。
あと、やはりファインダーはRX100と同じ見え方というコメントが多いです。
同じ0.39型ですものね・・
RX100M3にもついてましたけど、あれは使えない。
多少ボディ上部に出っ張りが出ても0.5型の、出来れば1倍ファインダを採用して頂きたい。
10万未満のRX100M3でも不満なのに、20万越えのカメラでそれは・・・