本編はシリーズものの3つ目です。
前回は
こちらからどうぞ。
さて、気が付いてみれば過去一番面倒くさい納車となったパジェロミニだが、ようやく我が家にやってきた。
7月のよく晴れた暑い日なのだが、本格的に走り始める前にしなければならない事がある。
そう。依頼するにはお金が足りなかった、自分でやるとした作業である。
まず手始めに行ったのが配線作業だ。
90年代の世の中でもパジェロミニに紙の地図を入れる場所が無いのは不便なポイントとして挙げられていた。
ましてや今の世の中、ナビなしで動くのはリスキーである。
スマホ持ってるじゃんという指摘はその通りだが、山中等の人の住まない僻地では電波が入らない。
そして市街地で場所探しの為にスマホをぐりぐりやっていて、ふと窓の外に気配を感じて見上げれば、白バイのお兄さんがにこやかに青い紙を持ってノックしている、なんてオチは全く冗談にならない。
車の運転とスマホは出来る限り遠い関係に置くべきである。
さりとて、24年後の技術を組み込むには場所探しが必要だ。
基本的にパジェロミニ君は全体的に狭い。ミニチュアのようである。
そんな室内に普通車としての機能をちゃんと詰めようとしているので、後付け出来る場所が本当にない。
うちの子はXR-ⅡというNA上級グレードだが、幸運な事にマルチメータがついてなかった。
マルチメータとは相対高度、方位、気温等を表示する機械で、本来はダッシュボード中央最上部にある。
うちの子のその場所は幅14cm、奥行き9cmくらいあるトレイになっている。
ただしトレイ自体が結構高めの位置にあるので、ナビを5インチに限定した。
現在地が分かり、最悪下手糞なルートでも自宅まで辿り着ければいい、という基準で選んだのは
ユピテルのYPL526というナビである。
お値段1.7万円くらい。7インチゴリラと比べるとずいぶん安い。
配線が電源のみというシンプルさと、昨年春時点のマップルナビを積んでるのが決め手だった。
ナビはとにかく地図が新鮮で正確なブランドの物を採用しているものが正義である。
ナビにおけるマップは、自作PCでいう電源ユニットのようなもの。これが粗悪だと何もかもダメになる。
ワンセグとかどうでもいい。ちゃんと現在地を示す事を求めているのだ。
次にドラレコだが、これもスイフトで学んだとおり、GPS記録機能付きの、夜間解像度があるものを買った。
こちらも電源配線のみのシンプルなもので、バックミラーの陰に隠れるフロントガラス上部などに配置。
これで夜でもモニターの光に眩しさを感じることもないし、バックミラーに怪しい物が写ってる気がするってオチもない。
ドラレコの電源線は天井部の内装と外板の間を経由して助手席側Aピラー上部でまとめ、ビニールテープで適宜押さえながら助手席Aピラー根元からダッシュ下部に引き込んだ。
ナビの電源線もフロントガラス最下部を通し、助手席Aピラー根元からダッシュ下部に引き込む。
助手席足元奥に出てきた配線を増設シガーソケットに差し、増設シガー自体は車にもともとついているシガーソケット裏側からギボシで分配して+を、ボディアースから-を取り出す。増設シガー自体を純正シガーに差すと、シフトレバー周りがごちゃごちゃ配線が這いずり回って見た目が悪い。
H56Aの純正シガーの裏配線はもともとギボシ接続なので、簡単に分岐できる。
間違っても悪名高きエレクトロタップは使わないし、ヒューズ分配もヒューズケースが閉まらなくなるので使わない。
増設シガーソケット自体も見えない所に両面テープで接着し、余った配線は束ねておく。
最初くらい見た目を大事にしたかったのだ。
次に行ったのはカーゴルームのボロ隠しである。
ジムニーやパジェロミニは後部座席を倒さないとスイフトより狭いカーゴスペースしかない。
しかもトノカバーという概念がない。
雑巾とか買い物袋を置いてたら外から丸見えで恥ずかしいのである。
他の人達はどうしてるのかと思ったら、
RVBOX等、丈夫な蓋つきプラケースを幾つか買い、そこに入れるらしい。
しかしRVBOX自体は見えてしまうし、H56Aはフロントも含めてUV通しまくりガラス。
普通のプラなんて簡単に油抜けを起こしてボロボロになってしまう。
対策その1はガラス窓へのフィルム貼りである。
最近はLEDヘッドライトのせいか、後続車も対向車もやたらヘッドライトが眩しい車が増えた。
(市街地で周囲に車が居るのにハイビームで走る目つぶし野郎は論外である)
その対策も兼ねて、少し濃いめのフィルムをリヤ3面に貼ってもらった。
出来る事ならフロント3面も透明なUVカットフィルム貼りたいよ。
次に用意したのが、自作のトノカバー。
といっても、カバー自体は生地屋で買った、ただのデニム布である。
生地がほつれてこないように周囲を縫い、紐を通す穴などを縫い、現物合わせしながら形を整えていく。
トノカバー自体の固定用に、内装6か所に金属製のコートフック(よくトイレで見かけるあれ)をネジ止めし、そこにトノカバーに通した紐をかける。さらに、内装壁面と数か所マジックテープで固定。マジックテープは壁面側はタッピングビス2か所で、カバー側は縫い付けた。
また、後部座席を倒して荷室として運用するつもりなので、荷物が運転席側に飛び出してこないようにトノカバー前側は垂れ下げても十分余裕がある寸法とし、畳んだリアシート背もたれと座面の間に挟み込んだ。無いよりはマシだろう。
紐で吊ってマジックテープで止めたのは車検や緊急時にはカバーを外して、背もたれを起こせるようにである。
リアシートそのものを取り払うと車検時に乗車定員変更とか、そもそも外したシートの保管場所に困る。
こうして装着したトノカバーはまぁ納得のレベルである。
視界も妨げないし、軽い物なら上にちょっと置いておくこともできる。
あとはペダルの高さ調節である。
と言ってもやったのはクラッチだけで、市販のカバーを貼っただけだ。
ドラポジをクラッチ以外で調整するとしっくりくるのだが、クラッチだけあと少し奥まで踏み込まないと完全に切れない。
シートの前後でいう2ノッチくらいなのだが、クラッチに合わせると窮屈感が出る。
なのでシートを1ノッチ前に、適宜腰をシートから浮かせて・・などとやっていた。
ただでさえ下手なクラッチ操作がますます下手になる。
本来はアクセル、ブレーキ用のカバーも同梱されているので揃えて貼るのが綺麗だが、見た目より実用である。
このカバーは簡単に取り付けられるし、鉄板を曲げて固定するので剝がれにくいだろう。
効果に期待。
他には室内では温湿度計を貼ったり、ティッシュを置いたり傘入れを用意したりと、記すほどの事ではないので割愛。
備考として書いておくと、ステレオ下部から引き出して使う純正のドリンクホルダーが600ccのペットボトルも入る優れものだった。
ただし助手席側に入れるとステレオのボリュームつまみと接触して入れられないので、ここでもお一人様仕様なのと、24年ものなので折れるかもしれない・・
ドリンクホルダーをドアに取り付けるとドアの開閉時に暴れるので好きではないのである。
次に外装に関してだが、こっちこそ素人が触れるものは少ない。
せいぜいこんなシールを貼っただけである。
これも時代だなあと思う。
いまや2ペダルMTも含め、クラッチの無い車がほぼ100%だろう。
クラッチ付きMT車なんて、運転どころか同乗した経験すら無い人が多いのではないだろうか。
クラッチ付きMT車のみの現象が、坂道発進で下がってくることである。
さらに言えば下がりからのエンストまである。
え?え?ブレーキ踏んでるのにうちの車進んでる!?なんてパニックを起こされないよう、うちがMT車で下がる事がありますよ、ごめんなさいねというせめてもの謝罪である。
さらに残念ながらオオカミ少年ではない。
実際に下がるし、平地ですらエンストしたし、ガックンガックン前後に揺れながら加速するのはいつものこと。
ふとバックミラーを見ると、ものすごく車間を取ってくれたり、発進を超遅らせたりしてくれている気がする。
ごめん、ほんとうにごめんなさい。
ご協力に大変感謝します。
ありがとうございます。
もちろん、ガンガンピッタリ後ろにつけて煽ってくる車もいる。
軽自動車、特に配達系1BOX、後はプロボックスに多いけど、後が詰まってるんだろうなあ。
ぶつからない事を祈る。お互い事故になると無駄な時間食っちゃうでしょう?
証拠として撮影はしてるから、言うべき事は言うけどね。録画中のシールも貼ってるし。
そして最後のDIYがご存じアルミテープチューンである。
1台目のスイフトをアルミテープチューン貼付直後に全損させて以来トラウマだったのだが、24年前の車には効くんじゃないかと思い、やってみる事にした。
買ったアルミテープは
こんなものである。
厚さ0.1mmなのでアルミ箔というよりアルミ板である。粘着剤も導電性で20mで千円以下というのもよい。
これをまず張り付けたのはリアゲート内張の裏側である。
スイフトの静音対策で最も効果を上げたのはリアハッチ内側に鉛テープを張った事だった。
しっかり体感できるほどに静かになった経験から、パジェロミニのリアゲートを見ると、合板が取り付けられている。
この合板のさらに内部にはドアと同じくブチルゴムで接着された雨除けのビニールシートとワイパー機構がある。
合板部は樹脂より帯電性は少ないだろうが、ビニールシートやブチルゴムはもろに帯電する。
なので、合板の裏側、ビニールと触れるところにアルミテープを貼る。
後は定番のステアリングカバー下部にペタリ。
これで内装は終わりである。
本当ならBCピラー内側、リアガラス上部などにも貼るのが定番だけど、そこに貼った直後にスイフトで事故ったので勇気が出なかった。
次に外装なのだけど、これはエンジンルーム内のみとした。
理由は外装がほとんど鉄板という事もあるのだが、樹脂パーツを固定しているボルトが真っ赤っかに錆びていて、電動ドリルでもウンともスンとも回らない。手動式インパクトドライバは持ってるが、折れると締められなくなるので止めたのである。
ああ24年の歳月よ。
エンジンルームでは基本的に吸気側に貼っていく。
インテーク吸気口周辺、吸気ラインで急激に進路が変わるところ、エアフィルタのケース、ECIMULTI周辺、それとバッテリーケース外側に、リレーケース内部である。
この車の正解かどうかは解らないが、一応貼付箇所はトヨタの特許情報などを参考にした。
私がエンジンルームで貼ったのはこんなところである。
ちなみに、振動が生じて落ちることが心配される部分にはテープ外側からタイラップで締め付けた。
なお、この作業が終わってふと見ると、乗っかっているだけと言われた部品がもう一つ旅立ったのに気が付いた。
小さい部品だから探すのも不可能である。
まったく次から次にぽろぽろと・・
お前はHAASのF1マシンかいな・・・