M42症候群を発病した方、潜伏期の方こんばんは。
銀匙です。
先日のドライブはブリザードに阻まれて散々な目に遭いましたが、気が付いた事が1つあります。
それは風景でも、意外と85mmクラスが使えるという事。
以前は広大な景色を撮るには、全体を入れるのが当たり前と思って24mmとか37mmといった広角を使っていたのですが、たまたま夕日を撮る時に400mmを使ったら太陽が大写しになって面白かったので、山並みを85mmで撮ってみたら思っていた程使いづらくなかったのです。
広角だと遠近が強調されるので、撮りたい物が物凄く小さく写ったりするんですが、標準や中望遠なら自然な遠近感になるのがポイントのようです。
無論、全部の景色は到底入らないので、何を撮りたいかによって使い分ける必要があるのですが。
また最近、何故か中望遠(70mm~90mm)に縁があるのです。
昨年の秋にJupiter9(85mmF2)を見つけ、先月PENTAXのSMC85mmF1.8の良い出物とめぐり合い、そして昨日、M42用アダプトールを見つけました。
タムロンのMFレンズはアダプトールマウントといって、レンズの最後部、ボディとのマウント部がカパッと外れる構造になっており、レンズ最後部であるマウント部分だけが各社用に用意されています。
つまり自分のボディの分だけアダプトールを各種用意しておけば、1つのレンズを複数のメーカーのボディで使いまわしできるのです。
で、M42アダプトールをつけたタムロンMFレンズは他のM42レンズ同様に使う事が出来ます。
本来、*istDS2で普通使うならKマウント用のアダプトールを買えば良いのですが、*istDS2は現在M42専用としている事とPENTAX-SPでも使いたかったので、あえてM42用アダプトールを買いました。
なお、EOS用とα用アダプトールは幻の一品であり、あっても非常に高価です。
M42用アダプトールとEOS-M42またはα-M42アダプタを組み合わせる方がまだ探しやすいとの事でした。
また、その同じ店で、タムロンのMFレンズも見つけました。
90mmF2.5の2代目、52BBです。
お値段はM42用アダプトールが5000円、52BBが7000円の計12000円。
52BBはそこそこ綺麗なランクだったので、計12000円は許容範囲でしょうか。
というわけで、M42の中で中望遠として名の通ったレンズが3つ揃ってしまいました。
52BBは通称ポートレートマクロ。
ポートレートを主眼にしつつ、1/2倍マクロも出来るレンズです。
タムロンの90mmというと花撮り愛好家に人気のSPAF90mmF2.8等倍マクロが余りにも有名ですが、その1つ前のF2.5世代は名ポートレーターだったのです。
といってもポートレート撮る予定無いんですけどね(涙)
実際、撮ってみると現代のレンズに決して劣らぬ描写力を持っています。
52BBでマフラーを撮ってみました。
毛並み、白黒混じった糸の再現性、ボケの柔らかさ。
十分現代で通じるレベルかと思います。
α用アダプトールが欲しいなあ・・・・
さて、この3本の特徴を列挙してみます。
いずれも良質の個体が見つけにくく、店によっては程度の悪い物でさえとんでもなく高いプライスタグをつけている、という共通の問題があるのですが・・
Jupiter9は柔らかな描写、真円絞りゆえに点光源でも美しくボケる事、フィルタ径が49mmと汎用性が高い事、カールツァイスレンズを安価に楽しめる事が利点ですが、個体の当たり外れが凄い事、逆光に極端に弱いという欠点があります。
購入目安はMC世代で、並で7000円、良品でも9000円程度でしょう。
smc85mmF1.8はピントがスパスパ合う楽しさと、開けて上品絞ってキリリという2度美味しいレンズですが、フィルタ径が58mmと汎用性に欠ける事、多角形絞りである事、値段が高い事が欠点です。
購入目安は並で3万、良品で4万前後でしょう。
ちなみにsmcでない85mm(こちらはF1.9)もありますが、smcの威力は絶大なのでsmc世代を薦めます。
52BBは再現性がぬきんでて高く、絞りは円形絞りといって良いですし、52B(初代90mmF2.5)よりは良い出物が多いです。
52Bと52BBは一般的に、鏡胴のリニューアルでレンズ構成は同じと言われていますが、真相は解りません。
ただ、今となっては52BBでも質の良い出物は少なく、アダプトールゆえに絞りリングの操作感覚が今ひとつであることが欠点です。
購入目安は自分のボディで使えるアダプトール付きで、並で1万、良品で1.5万という所でしょう。M42用ならプラス3千円という所。
それ以上出すならSPAF90mmF2.5の相場が並1.5万程度であるという事を考えて判断した方が良いかと思います。
SPAF90mmF2.8だと4万程度しますけど。
さて、この後はM42とは関係ない話なのですが、同じ中望遠という事で。
私は昨年からずっと、AFの中望遠は何を買おうかと迷っていました。
候補は2つに絞っていました。
PENTAX-FA77mmF1.8リミテッドとミノルタ85mmF1.4です。
最初はタムロンのSPAF90mmF2.8かSPAF90mmF2.5も候補だったのですが、52BBの方が欲しくなったので外しました。
FA77も85mmF1.4も、この為にPENTAXやαボディを買う人が居るほどの名玉です。
FA77は最新鋭の設計が生んだ、新品でも買える名玉です。
ポートレート、風景、夜景、なんでもござれ。しかも軽くて小さい。
作りも良い意味で現代のレンズらしくなく、金属製でシッカリしています。
中古相場は6万円弱であり、コストパフォーマンスも最高だと思います。
ただ、私は*istDS2はPENTAX-SPとレンズを共有する為、M42アダプタを付けっ放しにしています。設定もM42快適仕様になっています。
今となってはそのM42で、上の3名玉も手にしているし、これでFA77も揃えるとちょっとPENTAXに偏りすぎる気もしました。
とはいえ、同じPENTAXの★85mmF1.4の半額で買える最新鋭の名玉を1度は使ってみたい気がしていました。
一方、αレンズで明るい物は50mmF1.4しか持っておらず、中望遠近辺は24-85mmか100-300APOのいずれかしかありません。
しかし、ミノルタの85mmは高いのです。
STF135mmよりは安いですが・・・
で、よく調べてみると85mmF1.4には5種類ある事が解りました。
・85mmF1.4(I)という初代のレンズ
・85mmF1.4GというGレンズに仲間入りした2代目
・85mmF1.4G(D)という3代目
・85mmF1.4G(D)Limitedという、特殊な限定レンズ。
・プラナー85mmF1.4という、現行レンズ。
このうち、Limitedはレンズ構成自体も異なり、また限定生産だった為物凄く高いのですが、絞り開放に全てを賭けたレンズであり、大変重いです。
現行のプラナー85mmF1.4は高額であり、また、プラナーレンズ(一説には85mmF1.4G(D)のコーティングを変更しただけという話もありますが)ですから除外しました。
初代から2代目になった時はピントリングがプラスチックからゴムに変わり、フォーカスホールドボタンがつき、Gレンズ共通の鏡胴塗装になったそうです。
2代目から3代目になった時は2代目よりも更に幅が広く凸凹のあるピントリングになり、レンズコーティングが変更になりました。
つまり、初代から3代目は全て同じレンズ&絞り構成なので、ピントリングの違いで操作性の優劣はあるものの、評価はいずれも良いのです。
市場価格は順当に、初代が一番安く、ついで2代目、3代目となります。
ちなみにフジヤカメラで聞いたら初代で7万弱、2代目で8.5万、3代目で12万強、Limitedは20万だとか(汗)
私は50mmF2.8マクロレンズもI型、つまり初代を使っていますが、別にピント合わせに難儀するほどピントリングが気になる訳ではありません。
元々ミノルタボディはDMF(ダイレクトマニュアルフォーカスの略で、シャッター半押しすると一旦AFが動き、AF合焦時点で自動的にMFモードになり、最終調整をマニュアルで行ってから撮影出来る機能)がありますので、それを使えば微調整だけで済みます。
というわけで、私は85mmF1.4の初代とFA77mmF1.8リミテッドの2つで、良い出物があった方を買う事にしました。
で、結局買ったのは・・・
はい。ミノルタの85mmF1.4(I)です。
フィルタ径が72mmもある巨大なレンズであり、Limited程ではありませんが、重いです。
ガラスの塊という感じがします。
新宿のアルプス堂さんで、並程度の品を半年保証つきで6.5万で購入。
相場としては日本一安価と言われるフジヤカメラでも良品で6.8万程度と聞いていたので、保証付きの並で6.5万ならこれ以上安い物も少ないと思います。
FA77の中古も並品5.8万くらいですし・・・
でも、私の持つレンズの中でぶっちぎりに高いです。
次点が過去所有していたフォクトレンダーアポランサー90mmF3.5SLの39800円ですし、現所有の次点ではタムロン200-400F5.6LDの2.1万円です。
手持ちのM42レンズなら全て買えるんじゃないか?(汗)
大体αSweetDigital自体が6.5万なのですから、ボディより高い訳で・・・
元取れる自信無いですね(涙)
というわけで、中望遠単焦点が4本揃ってしまいました。
追加と訂正:
その1:
ミノルタ85mmF1.4初期型のピントリングは金属製でした。
筐体はプラスチックです。
その2:
85mmF1.4GからG(D)、つまり2代目から3代目に変わる際、ADI調光に対応のCPUに変わり、フォーカスリングのオートクラッチが入ったそうです。
誤りと不足をお詫びします。