銀匙のブログ一覧

こんばんは。
今日は良いお天気だったので、本州最後の紅葉の地へ出かけました。

一人旅だったので久しぶりの重装備。
景色撮影だったのでマンフロット三脚、マミヤ一脚、カメラボディは２台とも、レンズはα５０ｍｍマクロ、ジュピター９、ミール１Ｂ、SuperTakumar24mm、フォクトレンダー９０ＳＬ、予備バッテリに予備メモリ。
これに缶入りのお茶２本、携帯などなど持って行きました。
１０ｋｇ以上あったんじゃないでしょうかね。

現地に着くと落葉した木もありましたが、多数の美しい木々が出迎えてくれました。


目的地は駐車場から山道の先にあるよと、小さな看板が告げてます。
延々と続く山道を下りながら、こんな急な道なら装備を減らすべきだったかなとは思いましたが、結構歩いてたので戻るのが嫌だったんですね。

小１時間かけて着いた目的地はさすがに良い所で、タバコを吸いながらしばし休憩を兼ねて写真をパシャパシャ。

やあやあ、良い写真が取れたなあと思いつつ元来たはずの道を戻ると・・
なんかおかしい。
行きは延々と山を降りる感じだったのに、渓流沿いに延々と平坦な道が続いてます。
たまに通りがかる人に尋ねようにも、どこへ向かう道か教えてもらっても正しいかどうか解らない。
下りきってタクシーで戻ろうかとも思いましたが、初めての地ですから駐車した場所の説明が出来ません。
第一タクシー捕まえられるのか？

ちょっと考えて、諦めて引き返す事にしました。
予想以上の山道を歩いてるので足元が危なくなってきたなと思った途端、こんな足場の所で躓きました。



ジーンズ履いてたのと最後に一脚で支えた為、怪我は無く膝の打撲で済みましたが、たまたま首から下げていたαは川砂まみれ。
仕舞っておけば良かったと思っても後の祭りです。
とりあえず砂を払えるだけ払いますが、疲れて手が震えて上手く出来ません。
メンテは後でする事にして、鞄に仕舞います。

ようやく登りのルートのふもとまで戻った時、時刻は１５時を回っていました。
辺りは人通りも途絶えてました。

冷たい風が頬をなでた時、急に状況が整理されました。
日没まで後１時間半もありません。
行きの下りで小１時間かかってますから、帰りは元気でも１時間以上かかります。
ヘッドセット型のＬＥＤライトは持ってましたが、無人の山の夜道なんて絶対迷うに決まってます。
そして薄いジャンパーの下は汗だくですから夜明かしは出来ません。
打撲した両膝は既にかなり痛みが広がってました。
これから登るのに既に肺はパンクしそうなほど息が上がっているし、一脚を持つ手はガクガク震えています。
ハイキングコースとはいえ携帯の電波も通じないし電灯もありません。
缶のお茶は飲みつくしてます。

それでも、日没より先に登らなきゃいけない。

一脚にすがるようにして登ります。
登る途中、ふとルート脇を見ると、ロープすら無い先に底知れぬ崖が口を開けてました。
少しでもよろけたら終わり。
おまけに足元はぬかるんでいてズルズル滑る。
日ざしは明らかに弱くなってきました。

それでも、日没より先に登らなきゃいけない。
日没より先に登らなきゃいけない。
日没より先に・・・
日没より・・・


・・・・。


駐車場に帰ってきたのは日没１５分前でした。
通り過ぎる車はぼちぼちライトをつけ始めてる暗さ。
これほどエンジン音を聞いて嬉しいと思ったのは生涯初めてです。
車にリュックを放り込み、地面にへたりこんでしまいました。



そんな状況で撮ったとは、この写真を見ても思わないでしょ？（笑）
では、ごゆるりとご覧下さい。




































いや～、生きて返ってこれて良かった（汗）
装備は軽くしよう・・
というか、下調べはもっと念入りにやろう・・・