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銀匙のブログ一覧

2018年09月29日 イイね!

NEX6とレデューサーレンズ付きアダプタ

こんばんは、銀匙です。

さて、私は2006年頃からカメラといいますか写真の趣味をはじめましたので、今年で12年ほど経ちました。

撮影対象も基本的に広い風景という所で、たまに月面撮ったりしてますが、まぁまぁそのエリアに落ち着きまして、必要なカメラも揃ったかなと思っていたわけです。

防湿庫のラインナップを眺めていて、ふとNEX-6を見て思ったのが、

 「結局NEXサイズで35㎜フルサイズ対応のカメラは出なかったなあ」

という事でした。

私は過去、α7、α7Ⅱ、α7Sと3台のミラーレス系フルサイズカメラを持ちましたが、結局下取りに出してしまいました。
何故かというと、α7シリーズのボディでもかさばって重いと感じ、持ち出さなくなってしまったからです。
α99やα65なども売り払ってしまったのは、全てその大きさと重さゆえでした。

また、SIGMAのdp0との出会いというのも大きな理由になりました。
以前、私は受光部が広ければ広いほど広角を高画質で撮れると思っていたのです。
しかしdp0はα99とミノルタのフルサイズレンズ、あるいはα7Ⅱと最新のソニーレンズとの組み合わせで撮った写真を超えていきました。
そしてα7やα99はdp0に比べるまでもなく、重量や体積は大きかったのです。
以来、dp0をベンチマークとして、dp0を超える性能と携行性のバランスを高次元で満たしている広角ユニットがないかチェックしていますが、見たことがありません。
そして広角をdp0に任せるとなると、フルサイズのα99やα7系を持ち出す意味がなくなってしまったのです。
月面ならばNIKONのB700が居ればよい。
超広角ならNEX5RにUWHがあればいい。
人物ならNEX6にJupiter3をつければいい。
スナップならRX100M3かGRD4があればいい。

あと、私が使いたいとすれば、幾つかのオールドレンズをフルサイズのまま遊びたいくらい。
ただ、必須ではないので低コストかつ適正なサイズで、という注釈が付きます。

では、汎用的にフルサイズを用いるとして、それがどんなボディサイズなら売らなかったのかと言われれば、NEX系、つまり現在のα4ケタ系のボディだと思います。

NEX-7が出た時、NEX-9としてフルサイズ版が出るかもといった噂話が出たことがあり、出たら買おうと思っていたのですが、ついに出ませんでした。
同じEマウントでα7系は出ているのですから、MF専用で良いのでNEX系ボディで出してくれないかなと思いますが、マニアックすぎますかね。
なのでそれに限りなく近いNEX6にアダプタ経由でオールドレンズ、特にアダプタ厚の薄いライカL系を好んでつけていたのです。
NEX-6は電子接点のないMFレンズをつけると起動時間が明らかに早くなりますからね。

そんなある日、amazonで面白い物を見つけました。
これが今日の本題なのですが、フォーカルレデューサーレンズを仕込んであるマウントアダプタになります。
これが何者かといえば、昔から、一眼レフにはテレコンバータというアイテムがありました。
これは焦点距離を1.4~2倍にする、正確にはイメージサークルを1.4~2倍に引き伸ばし、結果的に35mmフルサイズのフィルムまたは受光部にイメージサークルの中心部しか写さないようにすることでズームアップしたようにみせかける、いわば引き伸ばしレンズです。
例えば200mmF2.8のレンズとボディの間に2倍のテレコンバータを挟むと400mm相当になる訳です。
デメリットとしてはF、正確には光の取り込み量であるT値が例で言えば2倍の5.6に落ちるので、その分シャッターを開けている必要があり、手振れを誘発します。
さらにちゃんとしたテレコンはしっかり高いので、世間的に今一つ不人気というか、その場しのぎ的なアイテムという認識です。

フォーカルレデューサーというのはその逆で、おおむね0.7倍にイメージサークルを縮小するというものです。
天体望遠鏡では割と昔からありますし、カメラでいえばテレコンの逆なので技術的には出来るのですが、受光部が35mmフルサイズのフィルムしか無い時代には製品化する必要性が無かったのです。
フルサイズレンズにフォーカルレデューサーを噛ませたところで、フルサイズフィルムに写せば、イメージサークルの外側は単なる暗黒面ですからね。
今でいう所のα7にAPS-C用のレンズを付けて撮影した状態です。α7側でAPSCに切り替えないと外周部が真っ黒になりますよね。あれです。

ところが、受光部がフルサイズとAPS-Cに分かれるEマウントの場合、大きな意味があるのです。
ソニーの受光部の場合、APS-Cとフルサイズは焦点距離で係数1.5の関係です。
もっといえばフルサイズのレンズに0.67倍のフォーカルレデューサーレンズを噛ませてあげればAPS-Cの受光部にフルサイズのイメージサークルを縮小して映し出せるわけです。

これが話題となったのは2013年頃、メタボーンズという会社がSPEEDBoosterという名前でEマウント用のマウントアダプタにフォーカルレデューサーレンズを仕込んだ時でした。
要はAPS-Cの受光部を持つNEXでオールドレンズを使うと、今までは中央部しか写せなかったのが、レンズが設計された当時のフルサイズイメージサークルの全てを取り込めるよ、という訳です。
正確には0.7倍にしかしてくれないので、若干周囲がトリミングされます。
例えば50mmF2のレンズの場合、どの程度のイメージサークルの範囲になるか計算すると以下のようになります。

そのままAPS-Cで使用:50x1.5=75mm相当
フォーカルレデューサーレンズをかます:50x1.5x0.7=52.5mm相当

まぁ大体50mmですよねって感じです。広角になると影響が大きくなりますけど。
そしてもう1つ良かった点は、オールドレンズは最外周部の画質が総じてよろしくないのですが、その部分がイメージサークルから取り除かれるので、割とおいしい部分だけを取り出せるのです。

更に、今も昔もレンズは明るい方が偉いというか人気がある訳ですが、テレコンバータと逆といえば、もう1つメリットがある事にお気づきかと思います。
そう。
フォーカルレデューサは大体0.7倍にする製品が多いのですが、T値が0.7倍というのは簡単に言えば1段分明るくなることに相当します。
絞り値であるF値が変化するわけではないのでボケ量は変わりませんが、シャッタースピードが1段分あげられるわけですね。
これは手振れ補正がボディにないNEX系ユーザにとってはありがたい事です。

良い事づくめのように聞こえますが、デメリットもありました。
まず、SPEEDBoosterは当時およそ7万くらい。
NEXの中古ボディより高かったんです。今でもそうですね。
次に、フォーカルレデューサーレンズが間に入ることで、例えば逆光耐性やボケの質、極論すればレンズの味付けが変わってしまいます。
さらに、特に広角やハイスピードレンズに多いのですが、マウントより後ろまで最後部のレンズが飛び出ている場合、フォーカルレデューサーレンズのレンズと当たってしまい、無限遠が出ないことがありました。
これはSPEEDBoosterに限らず、補正レンズを仕込んである全てのマウントアダプタに共通して言えることです。

まぁフルサイズにこだわるような層というのはレンズの味にもこだわりを持つ方が多いので、ほどなく珍妙なアイテムとしてニッチなシェアに留まってしまいました。

実際私も良いなと思ったんですが、デメリットと値段にビビって手が出ませんでした。

ところが、時間が経ちまして。
つい1ヶ月ほどまえ、amazonに出ていたフォーカルレデューサーレンズは9千円少々で、しかも

 ミノルタAマウントレンズをEマウントにつけて、手動で絞り調節が出来る

という代物でした。
マニアックにもほどがあるというものですが、要はミノルタAマウントレンズをほぼフルサイズで、絞りも手動ながら調節できる状態でNEXで使えるという事です。
これは面白いということで、さっそく購入してみました。
家にあったMINOLTAの28mmF2を装填して試しに撮ったのがこれ。



なんというか、フィルムで撮った写真っぽい。
それが第一印象でした。
隅々まで描写しているかといわれるとNOです。
それこそα7ⅡにSEL1635zつけて撮った方が革の凹凸の1つ1つまで克明に写してくれるでしょう。
でもそうじゃなく、銀塩で良いなと思うような写真のエッセンスというか、緩いアナログさというか、そういうものを感じたのです。
以前、Qマウントレンズの07が薬臭い人工的なアナログ感といいましたが、それとまさに対局、デジタルなのに濃厚で自然なアナログっぽさを感じたのです。

とはいえ、ミノルタのAマウントレンズなんて今となっては化石。
しかもミノルタはAマウントになってからプラスチック化と接着剤によるユニット化を推し進めたので修理が利きません。

ならばということでこのアダプタは28mmF2専用とし、M42用のアダプタを買い足してみました。金属製で修理が可能なオールドレンズといえばM42系が一番ですからね。

ところがまぁ、驚くほどM42レンズが減っている。そして高くなっている。
以前M42の紹介で安価でどこにでも売っていてベンチマークとすればよいと紹介したPENTAXの55mmF1.8が新宿で9000円ものタグが付いている。
何の冗談かと思いましたよ。
前ならちょっとカビ生えたジャンクなら500円くらいで売ってたのに、今やそんなレベルの物が5000円とかついてますからね。
外人が投資目的で買いあさった後遺症です。やれやれ。海を渡ったレンズ達はちゃんと管理されてるんですかねぇ・・・

なのでM42系は諦めまして、もう1つアダプタを買い足しました。
ミノルタのSRマウント用です。
キヤノンFD系と迷いましたが、SRレンズの方がちょっとだけ小さいんです。
小柄なNEX6のボディにはSRのほうが良いかなと。
コスパと入手性は圧倒的にFDですけどね。

というわけで、カメラ屋の間をうろうろして探してきたレンズが、
ミノルタMDの45mmF2でした。1万円くらいしましたけどね。
アダプタ経由でNEX-6につけるとこんな感じ。


この子はパンケーキレンズというカテゴリですが、他社がテッサーだったのに対しガウス型だったため、当時から描写に優れると評判でした。
アダプタ付けるとどうしてもレンズが飛び出た感じになりがちなんですが、MD45F2は良い感じにバランスしてくれました。
ただ、MD世代はユニット化が進んでるので修理ができません。
本来ならMC世代を探したいのですが、45mmF2はMD世代にしか存在しない。
無理せず50mmF3.5マクロとかでもいいんですが、1本ぐらい格好を気にしたセットがあっても良いかなと。

というわけでNEX-6にMD45F2を持って撮影してみたのがこちら。


テールライトにフォーカスしたのですが、デフォーカスへのボケ方が良い感じ。
後は青の発色が好み。


これで砂浜に誰かいたら結構よい感じの絵になってると思います。


岩肌の描写とか、フォーカス部、デフォーカス部共に決して悪くないと思います。


パンフォーカスならパンフォーカスとして仕事してくれます。


この辺りはいかにも80年代の国産レンズらしい描写。

まぁそのようなわけで、すくなくとも21世紀の最新システムと肩をならべるとかそんなことは言いませんけれども、なんというか、お手頃価格で小柄なボディのNEXで、80年代の懐かしい描写の気配をフルサイズで楽しむという趣味的な楽しみとして、このフォーカルレデューサーレンズはありかなと思う次第です。
実際、NEX-6にMD45F2を付けて撮り歩くと、一回り小さく軽くなったXDを持って撮影に臨んでる感じです。あの素晴らしいファインダの合焦感はありませんけどね。

ただ、メタボーンズほどではないといっても1つ1万円前後はしますし、使いたいマウントのアダプタが見つかっても使いたいレンズの後玉がフォーカルレデューサーレンズと干渉してしまえば無限が出ないといったリスクはある訳ですから、あくまでも自己責任でどうぞとなります。

さて、M42のレンズをどうしましょうかね。
とりあえずヤシカヤシノンの50mmF1.7は押さえていますが、もうすこしアクの強いレンズを探しても良いかなあ。標準ばっかり持っててもね。

しかし、本当はライカMマウントのフォーカルレデューサーレンズアダプタがあると良いんですがね・・ないんですよねこれが。
バルナックライカのレンズ達こそNEX6の小さいボディでフルサイズ撮影出来れば最高の趣味カメラになるのですがね。
Posted at 2018/09/29 21:28:38 | コメント(2) | トラックバック(0) | NEXとオールドレンズ | 日記

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「中国製レンズの「下取り」について(注意喚起) http://cvw.jp/b/161516/48711230/
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