車検を通すのと同時に買い替えの話があったので、今一度パジェロイオ君を再評価してみようと思ったのが、今回のネタです。
一時期話題を攫ったくせに、気が付けば欠陥エンジンと言われて世の中から姿を消したGDIエンジンを積む不人気モデルであるパジェロイオ君。

このモデル、ハッキリ言って時代を先取りし過ぎただけじゃないでしょうか?
欠陥と言われるGDIエンジンですが、これは某所から社内情報リークで聞いた話ですが
「開発途中で問題が解決してないのに市販化にGOサインが出てしまった」という代物です。
問題ってのはシリンダー内及びバルブにカーボンが溜まるというものですね。
でもこれ……
現代の直噴エンジンだって何一つ解決出来てないじゃないですかw
GDIに限った話じゃないですよ?
直噴が無い時代に直噴エンジン出せば、そりゃ欠陥エンジン扱いされますよ。
インテークバルブなんて煤まみれでゴテゴテになりますしね。
インテークポートから噴射すればガソリンが汚れの付着を防いでくれるのでこんな事にはまずなりませんけど、直噴じゃ……。
MINIだってインジェクターの定期的な清掃しないと調子悪くなりますし、コモンレールから高圧ポンプ&インジェクターを持ってきたってカーボン蓄積の呪縛からは全く解き放たれる気配がありません。
直噴化によって、どのエンジンも定期的な点滴は必須な状態です。
なので、パジェロイオのエンジンをもって欠陥クルマ扱いするのはさすがに可哀想じゃないかと思うんですよ。
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とりあえずインテークポート側にもインジェクターを追加して間欠噴射すれば、少なくともインテークバルブにゴテゴテと盛り上がって乱流を作ってしまう状況は回避出来ると思うんですけどねぇ……。
コストとそれに見合う効果が見込めないと却下されそうですけど……。
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で、パジェロイオの先進性は、RAV4と並んでコンパクトSUVの先駆者なところじゃないかと思うんです。
それまではパジェロやランクルみたいなヘビー級(?)なRVか、ジムニーみたいなウルトラコンパクトなRVだけで、ジープなんかを除けば中間クラスが実質存在しませんでした。
まぁエスクードとダイハツ・ロッキーはありましたけど、少なくとも世界戦略車じゃないですし、武骨なイメージが敬遠される結果になってたみたいですし……ディフェンダーの90を「普通のクルマ」扱いするのもどうかと思いますしね。
一応ロッキーの兄弟車?なベルトーネ・フリークライマーも入れておいた方がイイですかね……横浜に住んでた頃、現物に何台か触った事ありますけど、Dのメカニックでこのレベルですし、普通は誰も知らないマイナー車ですから「はぁ? なにそれ?」状態だとは思いますが……。
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ここでディスカバリーは?という話もあるかとは思いますが、あれはレンジと比べたら小さいというだけであって、十分デカいですから……。
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RAV4は車高の高い乗用車、パジェロイオはRVに近いSUVって感じでしょうか。
商売的にはRAV4の圧勝、パジェロイオの完敗ですけどねw
これこそロッキー辺りと同じで、パジェロイオは武骨過ぎた結果なんでしょうね。
RAV4はぶっちゃけ「車高が高くて視界が良い乗用車」ですもん。
まぁパジェロイオは負けましたけど、同時代のRVRは健闘しましたから痛み分けな勝負にも思えますけど、結果RAV4でコンパクトSUVの市場がしっかり存在するというのが理解されたのだと思います。
でもまぁパジェロイオが売れなたっか理由はとりあえず置いておきます。
このあとしばらくしてから世界的なSUVのプチブーム(まさかポルシェがSUV出すとは思いませんでしたもんね)が始まる訳ですが、そこから一気に現代へ目を向けてみましょう。
R60ミニクロとか、BMWのX1とか、VWティグアンとか、ポルシェ・マカンとか、レンジローバー・イヴォーグとか、比較的コンパクトなサイズのSUVがゾロゾロいるじゃないですか。
R60からF60で大型化しますけど、これはモデルチェンジでは普通の事なので置いておくとして、コンパクトなSUVが売れているのは間違いのない事実です。
そこでちょっと車両重量に目を向けてみます。
MINI R60クロスオーバー クーパーD ALL4 ------------
1,480kg
BMW X1 xドライブ 18d 4WD -------------------------- 1,660kg
VW ティグアン 2.0 TSI Rライン 4モーション 4WD ---------- 1,640kg
ポルシェ マカン PDK 4WD ----------------------------- 1,830kg
ランドローバー レンジローバーイヴォーグSE 4WD ---------- 1,790kg
MINI F60クロスオーバー クーパーSD ALL4 ------------ 1,610kg
こう見るとR60ミニクロの軽さが際立ちますね。
1,500kg切ってますので、車検の際に重量税が他より安いというのも魅力的じゃないでしょうか。
特に雪道で軽さが効果を発揮してくれるでしょうから、ここは特にポイントではないでしょうか。
やはり軽い=止まるですから、雪国に生きる人間からすると軽さという点は見逃せません。
で、ここでパジェロイオを振り返ってみます。
三菱 パジェロイオ 1.8 ZX 4WD -------------------------
1,340kg
もちろん衝突安全基準が緩かった時代なのは確かですけど、それでもこの数字です。
R60ミニクロよりも140kgも軽いのですから、この軽快感と言ったらありません。
これだけ軽いとタイヤの寿命も延びますし、ブレーキ関係も同様です。
そしてデフロックを使えば大雪でえらいこったな雪道だって余裕で走破してくれます。
なんちゃって4WDとは走破性が全然違うので、この点は雪国に住む人間として見過ごせません。
実際、パジェロイオ君でも何度もクルマ引っ張って助けてますし……もちろん相手は4WDです。
ってな感じでパジェロイオを再評価すると、すごく良い車なんですよねぇ……って事になっちゃった訳ですけど、なんでこんなに不人気なんでしょうね?w
女性でも気軽に乗れるコンパクトさと、女性でも雪道を怖がらずに走れる制動力と走破性は、ハッキリ言って物凄く価値があると思うんですけど……。
やっぱりデザインが武骨&普通過ぎるんですかね?w
三菱はRVRとは違う、もうちょいRV寄りのコンパクトSUVを出すべきだと思うんですけどねぇ……外車もそうですがエクストレイルなんかも売れてるんですし、欧州ではアウトランダーが売れてるんですから、そのブランドをコンパクト方向に振ったモデルなら売れると思うんですけどねぇ……。