
さて・・・。
配線の見直しをしましょう。
はい、これ。
まあ、大体想像つきますけどね。
車両グロメットの横から通してあります。
で、車両の鉄板とケーブルが思いっきり接触してる。
しかも、こんなぶっといケーブルですわ。
怖っ。。。
そして、なんでアースケーブルがコルゲートチューブで保護されてるのに
プラス側ケーブル(しかも38sq!)が保護も何もされてないの??
そして、もう一つ
途中で延長してありましたが、カシメ不良ですっぽ抜けました。
ほんとにね、危ないですよ。
走行する車は振動や熱、風雨にさらされますのでね。
本当にこういった施工を見ると危険だなと感じます。
色々と調べたうえでこちらのメーカーの充電器に変更しました。
RENOGY(レノジー)社の走行充電器です。
RBC50という50A出力モデルです。
30Aモデルもありますが、どうも売れ筋の様で納期未定でした。
金額差も3000円ほどでしたのでこちらをチョイス。
同時にRMS-DCDC(バッテリーモニター)を装着しました。
もちろん、配線類も修正して
グロメット内にきちんと通して、この後TESAテープにて保護、必要箇所には
コルゲートチューブを使用して仕上げました。
そして、BOX内の配線もこの通りです。
とても簡素化されたように見えますが、配線の数はもとよりも増えています。
RENOGYの充電器にはメインバッテリー上がり時にサブバッテリーからメイン
バッテリーに電源供給する機能はありません。
お客様はこの機能はぜひ欲しい、という事でしたので、安全性を加えたうえで
機能を盛り込みました。
エマージェンシーの始動用と割り切り、メインバッテリーでの始動ができない時
にメーター横のサービスホールに装着したスイッチを操作することでサブバッテリーからメインバッテリーへ接続されるように改良しました。
通常時は38sqのケーブルのはリレーによりメイン・サブバッテリーともに切断
され安全を確保する事にも一役買っています。
新たにメインバッテリーから8sqでRENOGY充電器へ引き直しをしました。
そして、BOXに装着されていたシガライターソケットも調子が悪い、という事で
点検してみると。。。
こんな状態でしたので、新品に交換しました。
4つあるアクセサリーソケットのうち、2個をUSB充電器へと変更して
この様に変更しました。
今まではソケット4個合わせて20Aのガラス管ヒューズ1個での接続となって
いましたが、ソケット1個につき10Aのヒューズへと変更、USB充電器へも
10Aヒューズをそれぞれ独立しました。
ヒューズを独立させることで1か所使用不可能になっても他に影響が出ないように
改良です。
インバーター電源スイッチとUSB電源スイッチ、動作確認用LEDを暫定のパネルに
装着して(のちに作り替え予定)仕上がりとなりました。
さて、完成したシステムの動作を確認するためにチェックします。
ヘッドライトハイビーム点灯
エアコン作動・ブロアファン最大・リアデフォッガー作動
車両電装品ほぼ最大負荷時に
メインバッテリーに11Aの充電、サブバッテリーに20A以上の充電電流が供給
出来ています。
RENOGYの充電器の設定でサブバッテリーの充電電流を20Aに設定して動作確認
をしました。
後に30Aに設定しても同様にメインバッテリーへの充電を含め、アイドリング時
でも、問題なく充電できています。
もちろん、車両電装品を最大負荷時においても、です。
最大負荷を何時間も続けることはオルタネーターに負荷をかけることに
なりますが、この様な最大負荷の状態はごくまれです。
一旦、サブバッテリーを残量30%程度まで電力を使用してから、アイドリング
状態(車両電気負荷はエアコン作動・ファン最大のみ)で満充電までテスト
した結果、2時間30分ほどで89%まで充電ができました。
概ね、計算通りの充電ができているようですね。
もちろん、暗電流もチェックしましたが
車両側暗電流35mA、そのうちサブバッテリー側1mAです。
そして、禁断の・・・
メインバッテリーを寿命を迎え交換した廃棄するバッテリーに載せ替えをして
(バッテリー電圧7Vほど)エンジンが始動できない状況を作りました。
その状態でメーター横に装着したサブバッテリー接続モードにしてエンジン始動を
試みました。(サブバッテリーは50%充電程)
スイッチをONにすると大きめのリレー作動音がします。
勿論、このリレー動作の電源にも工夫がしてあります。
エンジンスタートスイッチをプッシュ!キュンキュン!!ブルン!一発始動!!。
いやあ、心強いですね・・・コレ。
(ソーラーチャージを併用すれば、もっと心強いな・・・)
という感じで、お客様の理想通りのシステムになりました。
メイン・サブのバッテリーのアイソレーションは確実にできているのか?
どのような状態の時にどのくらい発電できているのか?
メインバッテリーへの充電はしっかりできているのか?
システムを構築したときに確認って重要ですよね。。。
電力の体力測定、是非お勧めします。
その後、お客様に使用してみた状況を確認させて頂きました。
全く問題なく使用できています。
今までは、サブバッテリーが40%以上充電されているところを見たことな
かったですが、現在はほぼ満充電の状態です。
エンジンを止めてサブバッテリー使用して車中泊を楽しみ、50%以下になっても
2時間もエンジン始動すれば満充電になります。
もちろん、エンジンが始動できなくなることはありませんでした。
安心してサブバッテリーの電力を使い切ることができます。
と、いうコメントを頂きました。
メインバッテリーの状態やシステムのチェックは定期的に行う事は言うまでも
ありませんが、まずは構築したシステムが正常に動作しているのか?
をチェックし、オーナー様もしっかりと把握することが大切ですね。
今回使用しましたRENOGYの充電器・モニターですが、導入前にメーカーへ
色々な質問をしました。
待機電流や作動電流はメインバッテリーから供給なのか?サブバッテリーから
供給なのか?等の質問(メールにて質問しました)に関しても1~2日で折り返し
のメールを頂けました。
また、即答できないものに関しては実機でのテストをしたり、技術部に確認を
してから回答をして頂けたりと、とても丁寧に対応して頂けましたのは
とても嬉しい限りでした。
今回は特に大電流を扱うシステムですので、確実な配線・結線は勿論の事、
取り回し、ハーネス保護、適切なヒューズの配置などしっかりと考えて
構築する必要がありますので、皆様のご参考になれば幸いです。
そして、アイドリングストップ・充電制御・オルタの出力など全体をしっかりと
把握したうえで快適な装備を実現して楽しみたいですね!。