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ROTARY OF FAMEの愛車 [マツダ コスモ]

整備手帳

作業日:2013年11月16日

VOL.6 追補 加速不良・・探究と修理(バタフライ連動機構)

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目的 修理・故障・メンテナンス
作業 DIY
難易度

中級

作業時間 6時間以内
1
調整時(暖機時のみ)は自家製の消音装置を使用。家庭用ガス暖房機と壁ぶち抜きの吸排気筒が近所のマンションでまとめて捨てられている(老朽の一斉入れ替え)のを発見。吸排気筒2つを拾って帰り、中身を改造。バイク用のインナーサイレンサーパイプをいれ、その外側にキッチンのステンレスたわしをドーナッツ状に詰め込んであります。排気抵抗が大きくなりすぎないようにするのがコツです。ジョイントパイプは暖房機器のものをそのまま使いましたが、これまたコスモのマフラーエンド内径にポンピタで無加工で装着できました。効果は・・何だこの程度かと最初は思いましたが、はずすと音が大きくハウリングするので結構使えました。万が一、はずし忘れて走り出しても門扉通過時の段差ショックではずれ、急に排気音が大きくなり、運転者に知らせるしくみ(笑)
2
開弁機構のお問い合わせ複数いただいたので追補します。一般的に2段キャブレター、(1次プライマリー、2次セカンダリー)のセカンダリー作動機構の方式は①機械式(アクセルリンク連動)と②負圧式の2種類あり、コスモスポーツをはじめ当時のREは負圧式です。特徴は・・・
①セカンダリの開弁作動はキャブのベンチュリ負圧により作動するダ イヤフラムによって行われる。
②セカンダリの閉弁作動のみを、アクセルリンク式のプライマリー側 のシャフトのリンク機構で強制的に行う。
③エンジン停止時にアクセルを床まで踏んで、プライマリーを全開に しても、セカンダリーは閉じたままである。
④過回転防止装置はダイヤフラム内の負圧を電磁ソレノイドバルブで大気通管させ、作動負圧を殺す構造
⑤アクセルペダルを踏んだ抵抗感触ではセカンダリ-開弁は感じとれない(機械式のセオリーは通用しない)
3
実際のバタフライ部(スロットル部)。ダイヤフラムのロッド先端がセカンダリー側シャフトに繋がっている様子。セカンダリーシャフト軸の開弁回転方向は時計まわり。右側のプライマリー側から伸びているレバーAがセカンダリーをシャットダウンするセカンダリーロックレバー。画像はアイドリングの状態。セカンダリーは全閉、プライマリーはスロットルアジャストスクリューにより全閉よりほんのわずかに開いている状態。
4
両バタフライの全閉状態は水平ではなく、ハの字逆さ状態で傾いている。開弁時のバタフライシャフトの回転向きは、画像視点ではプライマリーは逆時計回転となっている。プライマリー側シャフトに組まれた「セカンダリーストッパー解除レバーB」はまだこの位置にある。(注:解りやすくするためキャブの関連部位だけをばらして、遮蔽物を外して撮影しています)
5
アクセルを踏んで、プライマリー側バタフライが45度開弁になった状態。先の「セカンダリーストッパー解除レバーB」は-45度、反時計回りに回転して、セカンダリーロックレバーAに触れた状態。ここからはセカンダリーロックレバーのスプリング抵抗がかかるので、アクセルがやや固く抵抗増しになる。ここからの感触がセカンダリー開弁の抵抗と思っている人が結構います。実際はスプリングで戻ろうする、セカンダーリロックレバーAを押す抵抗にすぎません。実際セカンダリーが開弁不良になって、閉じたままでもアクセルペダルの抵抗感触は正常時のままで変わりません。
6
このプライマリー開弁45度時(セカンダリーのロックが解除される瞬間)のプライマリー弁とボア(内径)のスキマが約5.25mmが基準値。結果は正常であった。これが狂うとプライマリーとセカンダリーのつながりのスムーズさが変わってしまう。プアマンズレーサー等が常用した、あえて突起レバーを曲げてセカンダリー開弁タイミングを早めるウラ技チューン方法もありますが、改造による発生ベンチュリー負圧変動タイミングの変化とジェット選定マッチング、ダイヤフラムを制御するエアーバキュームジェット選定は時間をかけたシェイクダウンが必要となるのと、ストリートでは信号ゴーストップの燃費がいたずらに悪くなるだけなので止めたほうが無難です。
7
プライマリー開弁45度以上の状態。セカンダリーのロックレバーははずれ、セカンダリーシャフトがフリーの状態になっている。(実際には機関運転時にはタイムリーに開弁追従するのでスキマはできない)。エンジン回転上昇により、吸引負圧がフリー状態になったセカンダリーを開き、(呼び水ならぬ呼び負圧)すぐにセカンダリーのベンチュリー負圧が上がり、ダイヤフラムを吸引して、結果的にセカンダリーバタフライシャフトを引っ張り上げ、開弁させる。プライマリー側のベンチュリー負圧は開弁45度→全開の変動では著しく低下するが、シーソーのようにセカンダリー側の負圧が立ち上がるしくみ。その連成負圧を途切れずに制御するのがエアバキュームジェットです。
8
プライマリー、セカンダリー全開状態での各シャフト、セカンダリーストッパーの位置。この状態でもアクセルから足を離すと、瞬間にセカンダリーストッパーはスプリングの戻り作用で一気にセカンダリー弁を閉める。正確にはセカンダリーが閉まった瞬間はプライマリーはまだ45度開弁であり、セカンダリー全閉から一瞬遅れてプライマリーがアイドル開度まで閉じる構造。

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この記事へのコメント

2013年11月29日 1:05
こんばんは
夜分遅くに失礼致します

毎回緻密に練られたと思われるご掲載
情緒溢れるフォトコメント

楽しませていただいております。

今となっては旧式のエンジンシステムの解説
現代の車にはない緻密な手作業による調整
まさに時計を思わせる精密機械という印象

今回ご掲載内容もいつもと変わらぬ
良き意味での無駄ない洗練された文章に
ただただ感服するばかり…

が、今回の第一項の末節を読み
流石に吹き出してしまいました

私、この2日ほど日常において悩ましい事態あり
難しい顔をしていたはずなのですが
流石に…ほころびました

ありがとうございました
コメントへの返答
2013年11月29日 6:38
おはようございます
説明する、特に記述する事、それを可視化することの難しさをいつも感じています<(_ _)>。こう言わないと通じないなとか、そう表現すると誤解されるなとか、いろいろ拘るものでつい・・・・ガチガチの中にひとしずくのぬくもりも必要かな、と第一節を挿入しました。時々ディープに走る持病がありますが、温かくコメントいただける方々があり、励みになります。コメントありがとうございました。
2013年11月29日 22:44
こんばんは!

いつも興味深い投稿をして下さるので、意気込んで!ページを拝見してるのですが、第一項の末節、、、、他の方のコメントでもありましたが、気持ちが(緊張が、、)ほころびました(笑)

ポートの形態で負圧式と機械式があり、コスモスポーツは負圧式なんですね、、、。

これだけ、ロータリーに詳しい方のページを拝見できるのは、本当に勉強になります。

いつもありがとうございます。
コメントへの返答
2013年11月30日 7:04
おはようございます!今の車はアイドルが不調になってもダイアグノーシス(診断プログラム)だよりですが、昔の車は機械式のかたまりで探究のしがいがあります。機械式メカニズムあっての、その電子化への進化、プログラムロジックが確立するので、各機構を完成させた先人の方々の叡智には敬服しています。いつもコメントいただきありがとうございます。

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「かつてマツダのスポーティカラーバリエーションにはこのイエロー色が必ずはいっていましたね。RX8の前期まであった。マツダスピードノーズのFDもいま見ると非常に新鮮ですね。ノーズ部品自体もプレミアがついてしまっているようで・・・」
何シテル?   06/02 12:38
ROTARY OF FAMEです。よろしくお願いします。1968モデル(後期型 初期生産モデル)を愛用しています。ロータリーエンジンのフィールを満喫、感謝してい...
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